おはなし山では6月の選書中
6月といえば 梅雨
という訳で
雨がkey wordのおはなし
『ヤギとライオン』トリニダード トバゴの昔話
子どもに聞かせる世界の民話/実業之日本社
夕立にあい、ずぶ濡れのヤギに
ライオンは
「うちに入って雨宿りをしないか」と誘い掛けます。
ライオンの家にヤギが入ると
ライオンはバイオリンを弾いて歌い出しました。
「♪雨のふる日にゃ、うちにいて…おいしい肉のおいでをまつさ♪」
その“肉”が自分の事だと気付いたヤギは
ライオンからバイオリンを借りて--
「♪きのう殺した一万匹のライオン…今日は何匹殺そうか♪」
と 歌い返します。
最初威張っているライオンは
スピードアップして 繰り返すヤギの歌を聞くうち
態度が段々変わっていきます。
弱者が強者をやっつける痛快さと
攻守が逆転する様子の 描写が
ユーモアたっぷりで
クスクス笑いが零れます。
語り手はヤギとライオンの歌を
うまく歌い分けなければならず
ハードルが高いように思いますが
楽しんで語ると 意外にできてしまうもの。
語った後は 聞き手と語り手が
満足感で結ばれます。
雨の季節のおすすめです。