子供の頃から苦手過ぎるものがある。おそらく幼い時のトラウマなのだ。それは注射。縫い針は平気だけど、注射器になると針先さえ見れない。一種の恐怖症である。
さて、今朝の採血で数値がよければ最後の採血になる。私にとっては最後の難関だ。今朝の目覚めはその採血から始まった。ベテラン看護師ではない。若手イケメン看護師である。ちらりと嫌な予感はしたが、昨日の点滴への注射の扱い方等、とても丁寧であった。期待できるよ!と心の中で自分を励ました。さぁ、採血の始まりである。看護師はそにに無いものを探すように丁寧に血管を探す。やばいぞ、この感じ。握る手に汗が滲む。がんばれイケメン!声にこそ出さないが、今、世界で一番彼を応援しているのは私だ。「ちくっとしますよ。」おうとも、いったれ!…あれ?まだ探してる?猫ちゃんのふみふみみたい。刺してからのふみふみは昨日と同じだ。3度失敗されて、気を失いそうだった自分を思い出した。そして、再びイケメン看護師が刺しなおしてから、ふみふみを始めたとき、「えっ。」と声が漏れた。一音に込められた絶望感をすぐに感じ取り、「すみません、看護師代わります。」と言って、病室から出ていった。部屋の外で先輩看護師に「この後、採血出来る気しないっすわ。」といい、笑い声が聞こえて来た。私の一音の凄まじい破壊力が彼を打ちのめしたのだ。昨日の分も倍返しになってるのね。ごめん。イケメン。その後、先輩看護師がすんなりと、レクチャーを交えながら採血完了。「昨日も4回かかったし、特に注射が苦手だから大袈裟でごめんね。」「僕たちの技術が低くて申し訳ないです。おまえも謝っとけよ。」と爽やかに去ったのであった。
経験を積みながら高い技術を身につけて下さいね。頑張れイケメン。