30ちょっと過ぎの男性が
長時間労働で産業医面談を受けに来られました。
お変わりありませんか?
睡眠はとれてますか?」
「寝るのは寝れていますが
最近よくイライラするんですよね?」
「どんな時にイライラします?
イライラする時にだいたいパターンがあると思うんです。」
「はい、上司に仕事を押し付けられた時、
上司がなにもしてくれない時、
上司がみんなを残して
1人でさっさと帰ってしまう時、
上司が…………。」
「そういう上司はいけてる上司ですか?
いけてない上司ですか?」
「いけてないです!」
「そんなにいけてない上司なら
あなたが早く出世しますよ。よかったですね。」
「そうですかね!?」
「あなたが上司ならこんなことしますか?」
「しませんね。
仕事は助けあいなので
助けあってやり遂げていくものだと思ってますから。」
「その考え方、その仕事のやりかはいけてますか?」
「いけてると思います。」
「それはあなたがいけてるということですよね?」
「まぁ、そんなことになりますね。」
「自分がそういうところはいけてる
ということを気づかせてくれたのは
その上司ですよね?
上司がいけてないから
その違いで気づけたんですよね?」
「はい。」
「部下に自分のよさを気づかせることができるのって
いけてる上司ですね!」
笑いながら「そうとも言えますね。」
いけてる上司も、いけてない上司も
紙一重なのです。
見方ひとつで大きく変わります。
いけてない上司だと思った時は
人は自分のことを
いけてない上司を持った自分自身だと
どこかで思っているんです。
自分はいけてると気づいたときに
上司のいけてるところにも
気付けるのです。
いけてるわたし、
いけてるあなた。
なのです。