万感の思いでネズミは秋を旅し

おめでとう

あなたは隷属！

おめでとう

よってあなたは人を虐げる罪深さとは縁遠い

必要が無い

ひつようはいっさいない

ありもしない憤りを抱えたフリをしてかっこつけて女抱けるの

道端の空き缶にすら毒づいて孤高を装うの

トイレでわめき続けてつぶやき続けて思想家なの

何が望みなの

ドレイ？何が不満なの？

嗚呼それすらもろくにいへなくなってしまつたあはれなせうねんは

夏

そうかあれが夏　

あやふやなことや不確かな未来を許せる季節が終わって久しいよ

わたしは

このなつも

なにものこせは

しなかったけれど

次の夏を狂おしいほどに待ちわびるけもの

尽き果てぬ、飽き足りない動物を

ほんのすこしだけ　笑って見守れる気もするんだ

床

過ぎし「時間」、思い描く「時間」、

より残酷な存在は無い

絶望？理由?なんて自明?で?

万物は流転でことわりはただただ絶対だ

俺は今日も唇をゆがめ鼻で笑う？以外何を

極刑をただ待つだけの如く痴呆の俺を交尾する犬が嘲り

嗚呼。通りすがりの一瞥が致命傷に