ＭＵＳＩＣ　ＤＩＡＲＹ

えー、今回から、『ＭＵＳＩＣ　ＤＩＡＲＹ』というものを始めます。

これは、僕の想い出とお気に入りの音楽を絡めてお送りする
「音楽年表」です。

第１回　　「或る日突然」

昔から綺麗な声の歌手が好きだった気がする。

トワ・エ･モワ

思えば、このグループが最初かもしれない（ありぁ？由紀さおりかも）。

　今から考えると、思春期になりかけていた
小学校の六年生の時に流行った「ト・ワ・エ・モワ」
というグループ。最初にこの人達を語らせてもらいます。

　この男女二人のグループの女性の方の山室（現：白鳥）英美子さん。
とても綺麗な声で、丁寧な歌い方でした。
さらに芥川澄夫さんの男の声のハーモニーによって
さらに綺麗さが増すんですよね。今回選んだ曲は、デヴュー曲です。

「ある日突然」・・・・・友達どうしだった男女が、ある日突然、自分たちの中の
　　　　　　　　　　　　恋心に気付いて「求めていた愛」に辿り着くという話で、
　　　　　　　　　　　　当時は聴きながらドキドキしたものです。

　　　『　或る日突然、二人黙るの　あんなにおしゃべりしていたけれど
いつかそんな時が来ると私には分かっていたの

或る日じっと見つめ合うのよ　　二人は互いの瞳の奥を
　そこに何があるか、急に知りたくてお互いを見る

或る日そっと近寄る二人　　二人を隔てた壁を越えるの
　そして二人　すぐに知るの　　探してた愛があるのよ

　　　　　　或る日突然、愛し合うのよ　　ただの友達がその時変わる
　　　　　　　いつか知らず　胸の奥で　育ってた　二人の愛　』　　　　　　　　　　　　　　　　男の子と女の子、小学校の５年かそこらへんの頃だったと思います。
僕らの小学校は、田舎だったので、入学から卒業まで、クラス換えなるものは
存在しませんでした。というか１クラスだけですからクラス換えは不可能でした。
＜帰り道＞
　そんな中、帰り道に男の子数人に女の子数人。
「自分の好きな子の名前を一人ずつ挙げていこう」と誰かが提案した。
帰り道が、一気に緊張したものに変わった。なんでそんな提案するかなぁ、ふぅ。
ほとんどの者が、ふざけ半分に答えていたが、その頃、クラスのマドンナに初恋していた僕は彼女にどう思われるのか気になり、焦りまくっていた。
「本当の気持ちを言うべきか、誤魔化してお茶を濁すか。」

いよいよ、男二人、女二人になって、自分の番になった。おそらくその直前に
マドンナの言う番だったけれど、先に僕が何故か言う羽目になった。いきさつは
興奮してて覚えてない。結局、「早く、言ってよふとっちゃん」とか言われて
苦し紛れに、全然好きでもないＡさんの名前を言ってしまった。

翌日、学校では、僕が、Ａさんを好きだって話が出ていた。
おまけにマドンナが「私が応援するけんね。」と張りきっていた。
Ａさんにも、自分にも悪い結末になった。
あの時、本当のことを言っていたらどうなっていたろう。今でもそう思うことがある。

＜吹奏楽部＞

小学校を卒業して、中学校では彼女を追いかけて吹奏楽部に入った。
何故なら中学校は小学校と一転して１１クラスもあったから、彼女と一緒のクラスには
なれないと思ったからだ。あんのじょう、三年間に一度も一緒にはならなかった。
吹奏楽部ではチューバをやっていたが、彼女はフルート。あいかわらず中学校でも
彼女はマドンナ。生徒会の役員もやって、成績も抜群に良かった。ますます高嶺の花
的な存在になっていた。
そこへ、練習指揮者を決めようと言う話が起きて、なぜか僕がなってしまった。先生が
来ていない時に僕が指揮をするということだった。緊張しながら指揮を始めた。すると、
指揮をしている僕を我がマドンナが一生懸命に見てくれているではないか。正確には僕
を見ているのではなくて、僕の指揮を見ているのだが、そう思えて仕方がなかった。
期待も含めてそう考えていた気がする。気が付くと、小学校の同級生の男たちが同じ吹奏
楽部に多かった（笑）のはやはりマドンナ効果だからだろう。
＜マドンナの母＞
やがて、高校入試の時期になった。彼女と同じ高校に行きたかったが、他の子と違い
家庭的な事情、経済的な事情で私立高校を受験できなかった僕は、彼女と同じ高校を
受験することも許されなかった。こうして、はじめて違う学校に通うことになった。しかし、
通学のバスでよくマドンナと会うことになり、複雑な気持ちで一杯なまま、時は過ぎて
いった。

　そんなある日、僕の耳に、ショッキングなことが飛びこんできた。
「マドンナのお母さんがガンになっている」という話が。
小さな頃から、よく知っているお母さんだ。マドンナに似て、きりっとして、綺麗なお母さ
んだった。その日を境に、朝の早いバスの中のマドンナの表情が毎日どうなのかを気に
するようになった。「大丈夫だろうか」「看病に疲れていないだろうか」「将来のことも不安
になってやしないか」などと。そして、「力になれることって僕には何もないのか」とイライ
ラしてしまった。
　やがて、別々の大学に進学した僕達だったが、僕が１年生の夏休みの頃、落ち込ん
で西戸崎の海で何日も泣いて過ごしていた頃、「マドンナのお母さんが亡くなる」という
ニュースを知った。泣いていた涙も吹き飛び、僕は彼女の家に行ったが、その時のこと
は、あまりにドタバタしていて覚えていない。彼女の顔もまともに見られないのだけは
覚えている。マドンナのお父さんが、新しい女性と再婚されたのは、かなり後のことで
ある。
＜就職してからのバスの中＞
　数年後、大学を卒業し、教員になった僕だったが、ある日の帰りのバスの中で、マドン
ナと会った。実は、彼女も高校の先生になっていた。それから案外と帰りが一緒になっ
て、お互いの仕事の話などをするようになった。もちろん、僕の中にはまだ強い恋心が
あったのだが、彼女の方は淡々とした態度だった。いつしか、お互いに「好きな人のこと
を話すようになった。「君のことをまだ僕は」と、言いかけたけれど、なぜかまたまた小学
校の時と同じように、本音は言えないまま互いに別の誰かの話をしてしまった。バカだ
なぁ。。。。。。
　　　　＜プレゼント＞
　結局は、二人とも別々の相手と結婚して、僕はマドンナを自分の結婚式に招待してし
まった。さらに僕の新婚家庭にも彼女を呼んだりした。マドンナが網膜剥離の手術をして
入院してした時は、遠くの病院に見舞いに行って、退院しても彼女の護国神社近くのア
パートに行ったりした。でも、いつも大した話はしないで見守るだけだった。気が付くと、
彼女の誕生日の９月２日には、１０年以上も何がしかのプレゼントを贈り続けていた。
縁が切れるのが怖かったのだろう。彼女が結婚しても熊本の彼女に贈ったりもしてい
た。彼女の娘が年頃になって、変な風に見るということで、そのプレゼントは贈らない
ことにしたのは、１０年ほど前のことである。

このように、このマドンナは、僕の人生に大きく影響を与えている。
あの小学校の時に流れた「ある日突然」を聴くと、やっぱり今でもマドンナを思い出す。
同時に、その後に続いたほろ苦い歴史もメロディと一緒についてくるのが何故だか嬉しい。

　さてさて、次回は、同じく「トワエモワ」で、曲は「友達ならば」と「リンゴの花の下」です。
おそらくは、ほとんどの方が知らない曲でしょうね（笑）。

今回よりは、ものすごく短くなると思います。
　　

Ｍｕｓｉｃ Ｄｉａｒｙ その１

Ｍｕｓｉｃ　Ｄｉａｒｙ　その１