秩父にスカリを習いに行きました。

カンスゲ(Carex morrowii)の葉を1~3㎜(もっと太いと野趣↑)に裂いて、縄に綯いながら編みます。

袋状に編み終えたら型から外し、肩紐をつくるのですが、

右綯いと左綯いと2本が矢羽根模様になるように合わせて、その先で合体させて太く編んでいきます。

草の足し具合で太さを調整するのが難しい。

袋が腰辺りに来るように、少し長めの肩紐になります。

これで完成

以前に習いながら1つ作りましたが、独りで作ろうとしたら分からないところがあったので、今回は質問してメモを取ることを忘れずに。

貴重な資料もお借りしました。

1982年の埼玉県立博物館の紀要のコピーや県立民族文化センターの資料、調査報告書、新聞や雑誌の切抜き等のファイル

作られる人を訪問したときの写真や作品の写真も沢山あって、見たことのない模様や作り手の話、継承に努力する人々の話に興味が尽きません。

さいたま市立博物館特別展「あむ」の図録

この冊子、読みたかったんだあ....。

秩父のスカリは、お弁当や腰鉈や鎌、あるいは猟の獲物を入れたりして使う山仕事用のデイバッグだったとのこと。

網状になっているので中が見えます。

獲物の雉などを入れて歩く姿は、どんなだったのでしょう?

羽根の輝きと誇らしげな様子が目に浮かぶようです。

秋の彼岸の頃にカンスゲを収穫して、熱湯をかけ、水に晒して、干して、細く裂いて、縄に綯って、そして編む。

採取から完成まで大変に手間がかかりますが、スカリを製作する専門の職人がいるわけではなく、山に入る人が自ら作りました。

基本的な編み方はあっても、編み方で模様を工夫することができるので、自分だけのスカリを作ろうと根気よく頑張ることができたのでしょう。

去年、gallery KEIANさんでスカリが紹介されました。

ヤマブドウのカゴと同じ位材料を手に入れるのも困難で、制作時間はもっと必要かと思います。

スカリに出会ったら、どうぞよ〜く見てくださいね。

園芸好きな方にはカレックスの仲間と言ったほうが伝わるでしょうか？　シュッと長い葉を裂いて細い縄に綯って出来ているんです。

カンスゲは鹿に食べられて減っているとのこと。

絶滅危惧Ⅰ類

新しい葉を少し採り、同じ株は２年休める

そんな約束を守りながら採らないと絶滅してしまいそうです。

カンスゲを守って、スカリも継承されていくように祈ります。

ああ、草も好きだ!

スカリは時間がかかり過ぎるからほどほどにしようと思ったのに......。

教えてくださるＫさんのお宅にはいろいろな素材や編み方のスカリがあって、もっともっと編みたい気持ちになってしまいます。

スカリ編み