みなさん。
こんにちは
すっかり秋ですね。
芸術の秋と言われる季節ですね。
先日は、映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』を観てきました。
ピーター・ブルックは、イギリスの演出家です。40年以上前には、もう世界的な脚光を浴びる活躍をしていますから、まさに「生きる伝説」(公式ウェブサイト)という存在だと思います。
彼の著書では『なにもない空間』などが有名です。『秘密は何もない』は本ブログでも紹介したことがあります。
‐映画を観ての感想。
結論から言えば、自分にとっては「世界一受けたいお稽古」ではないですね(笑)。
もちろん、ピーター・ブルックの偉大さは随所に感じられました。ですが、これを観て「世界一受けたい」とは思いませんでした。
まず、映画作品のできとして、冗長なところが多く、ドキュメンタリーだから許されるとは思いませんでした。お金と時間を費やす価値があるかどうかは人によるでしょう。(例えば、ドキュメンタリーのようでもある『Pina』のような痛快さはないです。これはダンスですが。映画作品としてのレベルが全然ちがいます。)
長年の間、大きな関心を持たれてきたブルックの稽古風景は、過去ほとんど公開されたことがなかったそうです。ですので、興味を持たれている方も多いと思います。ですが、個人的な感想としては、映画内でブルックが語っていることや、やっている稽古は、それほどたいしたことではないような気がしてしまいます。稽古では、音楽家の貢献が大きいように感じました。
映画の冒頭で、ブルック本人が「稽古は見学してるだけじゃ、なにもわからないよ。」と言っていますが、そういうことは大いにあると思います。
-映画鑑賞による収穫もありました。
稽古の場面で、ブルックが俳優にいろいろと改善点を指摘するのですが、それが面白かったです。その指摘のポイントが、観客が舞台の俳優に対して「こうしてほしい。」「こうだったらいいのに。」と感じるところと完全に一致していると思えたからです。
これは、稽古風景でありながら、自分が観客としてスクリーンを眺めているから感じた感想です。ちょっと珍しい体験ですね。
思い出したのが、『映画の本当の作り方』アレクサンダー・マッケンドリック(フィルムアート社)という本の一節
監督というものは、撮影現場にいても心はどこか別のところにありがちだとされている。<中略>監督の魂はすでに未来に飛んで、映画館の客席に座り、架空の世界を覗き込む窓、つまりスクリーンを見ている。現実にはまだ完成されていない映画を観る観客の一人となって、将来この作品を鑑賞することになる人々の感覚や反応を感じているのだ。(p196)
この感じは、例の「未来から考えて、今こうであるべき自分を選ぶ」というのにも通じるのではないかと思います。(「過去、現在、未来、同時に存在」ですね。)
ちなみに、この「未来」は強烈に具体的に感じられるものである必要があるのですが、その訓練にスタニスラフスキーなどの演劇訓練は有効だと思います。この点は、別記事に改めて書く予定です。
‐その他の感想。稽古中に音楽家たちが音楽をつけてくれるのですが、特にピアノの音がリアルに明瞭に聴こえたのが印象に残っています。録音が良いのはあると思います。スピーカーの前に座っていたせいもあるのでしょうか。個人的には、映画館で聴くピアノの音としては記憶にないレベルでした。
いくつかの過去作品のシーンを使った稽古風景は楽しめました。
ブルック演出作品が11月にあるみたいなので、それは観てもいいかなと思ってしまいました。
これですね。『驚愕の谷』
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すっかり秋ですね。
芸術の秋と言われる季節ですね。
先日は、映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』を観てきました。
ピーター・ブルックは、イギリスの演出家です。40年以上前には、もう世界的な脚光を浴びる活躍をしていますから、まさに「生きる伝説」(公式ウェブサイト)という存在だと思います。
彼の著書では『なにもない空間』などが有名です。『秘密は何もない』は本ブログでも紹介したことがあります。
‐映画を観ての感想。
結論から言えば、自分にとっては「世界一受けたいお稽古」ではないですね(笑)。
もちろん、ピーター・ブルックの偉大さは随所に感じられました。ですが、これを観て「世界一受けたい」とは思いませんでした。
まず、映画作品のできとして、冗長なところが多く、ドキュメンタリーだから許されるとは思いませんでした。お金と時間を費やす価値があるかどうかは人によるでしょう。(例えば、ドキュメンタリーのようでもある『Pina』のような痛快さはないです。これはダンスですが。映画作品としてのレベルが全然ちがいます。)
長年の間、大きな関心を持たれてきたブルックの稽古風景は、過去ほとんど公開されたことがなかったそうです。ですので、興味を持たれている方も多いと思います。ですが、個人的な感想としては、映画内でブルックが語っていることや、やっている稽古は、それほどたいしたことではないような気がしてしまいます。稽古では、音楽家の貢献が大きいように感じました。
映画の冒頭で、ブルック本人が「稽古は見学してるだけじゃ、なにもわからないよ。」と言っていますが、そういうことは大いにあると思います。
-映画鑑賞による収穫もありました。
稽古の場面で、ブルックが俳優にいろいろと改善点を指摘するのですが、それが面白かったです。その指摘のポイントが、観客が舞台の俳優に対して「こうしてほしい。」「こうだったらいいのに。」と感じるところと完全に一致していると思えたからです。
これは、稽古風景でありながら、自分が観客としてスクリーンを眺めているから感じた感想です。ちょっと珍しい体験ですね。
思い出したのが、『映画の本当の作り方』アレクサンダー・マッケンドリック(フィルムアート社)という本の一節
監督というものは、撮影現場にいても心はどこか別のところにありがちだとされている。<中略>監督の魂はすでに未来に飛んで、映画館の客席に座り、架空の世界を覗き込む窓、つまりスクリーンを見ている。現実にはまだ完成されていない映画を観る観客の一人となって、将来この作品を鑑賞することになる人々の感覚や反応を感じているのだ。(p196)
この感じは、例の「未来から考えて、今こうであるべき自分を選ぶ」というのにも通じるのではないかと思います。(「過去、現在、未来、同時に存在」ですね。)
ちなみに、この「未来」は強烈に具体的に感じられるものである必要があるのですが、その訓練にスタニスラフスキーなどの演劇訓練は有効だと思います。この点は、別記事に改めて書く予定です。
‐その他の感想。稽古中に音楽家たちが音楽をつけてくれるのですが、特にピアノの音がリアルに明瞭に聴こえたのが印象に残っています。録音が良いのはあると思います。スピーカーの前に座っていたせいもあるのでしょうか。個人的には、映画館で聴くピアノの音としては記憶にないレベルでした。
いくつかの過去作品のシーンを使った稽古風景は楽しめました。
ブルック演出作品が11月にあるみたいなので、それは観てもいいかなと思ってしまいました。
これですね。『驚愕の谷』
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