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人生で初めて人間ドックにいった

 

順調に検査できたものの(バリウムを誤飲して少し騒がれたりもしましたが)なぜか異世界と遭遇し、気が付いたらタイの麻薬撲滅運動に関与することになりトイレにこもるという真面目な日記です

 

奇をてらったインパクト重視で糖度の高いネットニュース(そのくせ内容ない)に疲れたけど、何か文字を読みたいな~というかたは暇つぶしにでも

何の専門家でもなく無知で文章が上手いわけでもない

凡人のぐにゃぐにゃした考えです

既に読んでくれて、ありがとうございます

 

モヤモヤしてることって別に黙っていればいいのに誰かに話したくなりますよね?オレハナル

でも話題にしたところで引かれてしまうことくらは分かる、というかウザイと思う… かなしいかな

 

さてさて、いつの間にか遂に35歳になってしまって

そこそこ大きな病院で人間ドックを受けてきました

 

朝の8時になる前に病院に到着。

(事前に受付時間を指定されてる)

早めに来たにもかかわらず、すでに込み合っていた、主におっさんで

 

受け付け終わってロビーで外を見てたら、わざわざ駐車場で待ち合わせする50代くらいのおっさん5人組がいた

(一日中常に一緒に行動してた。ちなみに全員やたら声がデカい、何となく周りに距離が発生する。一人ずつ受付で昼食を聞かれて「ツレは何頼んでました?私もおなじもので」ってどういうノリ!?おっさんどうしで?5人そろったときの連帯感の強さがアイデンティティなのだろうか、全然いいんですが)

ぼーっとみながら学生の頃のつれしょんを思い出す

 

名前を呼ばれて書類をササっと事務の方が確認、

ロッカーで着替えて温泉旅館の浴衣みたいな恰好になる

 

人間ドック開始。

視力とか聴力、血液検査、身長体重…

前半は普通の健康診断に少しオプション(心電図と超音波検査くらい?)が増えたような感じ、することほぼ同じ

テキパキとムダのない仕事ぶりの看護師さんたち(主にマダム)

ほぼ待ち時間ゼロで順番に迅速に各ブースに入っていく、まるでライン生産される製品のように的確にスピーディに検査される人間たち

要領いいし効率よくて悪くない、嫌な感じは全然しなかった

 

一通りの工程をクリアした人間たちは、CTやバリウム検査やらを行うために各々が広い病院内を移動

一人になれたし病院に来るのは久しぶり、キョロキョロ見回してみる

 

様々なエリアを通り過ぎる。

リハビリを行っている大きな部屋

(ポールを掴みながらゆっくり歩行する方、バスケが上手そうな青年にサポートされながら何度も何度も膝を曲げる方)

老人が集まって何かしている部屋

(立ち止まって眺めてたけど、何してるか不明)

自販機が並んだ空間

(なっちゃんのリンゴ味を飲みながら黙る人たち)

何かを待っている人間たちで満席になっているソファ

(大体が無の表情)

 

今までも全く見たことがない訳でもなかったけど、

なんだか別世界の人たちと遭遇した感覚

それがモヤっと残りながら、早歩きの医師を追いかけてCT検査

 

機械の上に仰向けになる。

キュイーンと身体の周りを何かが回転して、

機械の指示通り何回か深呼吸

なにされてたのか全然分からないまま終了

 

別棟に移動。

ブツブツとマントラを唱えながら往復している多分病院の方

廊下を掃除する大柄なおばちゃん

忙しそうに小走りしながらちゃんと挨拶してくれる看護師さん

当たり前だけど色んな人がいる

 

指定された場所で少し待つ。

放射線技師のTVドラマのポスターが扉に貼られた部屋に案内され

人生初バリウム検査スタート!

担当の方と挨拶!何言っているか分からない!

3~5kHzあたりの歯擦音がヤケに強くて、聞き取りにくい声質で活舌が悪い。字幕なしのフランス映画

検査方法と手順を説明されるも3割くらいしか分からない

まー始まってしまえば何とかなるだろうと検査開始

割れた音しか出ない安っぽいスピーカーを介し、

とんでもなく聞き取りづらい声で別室から色々指示される

しつこくてすみません、マジで聞き取れない!

日本語なのに意思の疎通がとれない

なんとか聞き取って、

とりあえず発泡剤とバリウムを飲んでゲップを我慢

検査中に指示と反対に向いてしまったり、仰向けとうつ伏せを間違えたり、何度も聞きなおして体起こしてデニーロみたいにアピール…

既に何人か医師に会ったけど、みんなハキハキしてた

なんでよりによって彼を担当にしたん?

(人柄はよさそうだし丁寧だけど)

しかも、たまに心配そうな小声で「あ~まずいなぁ、ダメだなぁ」みたいな…コッワ! てか小声は聞き取れる

(胃腸に特に問題なかったけれど、何だったん?先生・・・)

何度も別室から行ったり来たり、

アイコンタクト、ボディランゲージを駆使して検査

途中きつい体勢でバリウムを飲んだため誤飲(気管に入ったのでトイレでしばらくむせながらゲロみたいに吐き出す)しながら検査終了

面白かった

 

間髪入れず別棟の診察エリアへ案内される。

少しひと息、診察待ち

なぜか、いい位置のソファだけ(外の景色が見える)

一定の距離が空いていて誰も座っていない

何も考えず腰掛ける、すぐに何故空いていたか分かる

隣の中年ヤセ型おっさんが

「うぅ~~~」「おーーー」と常にうなっている、急に静かになったら「おれはもう死ぬよ…」と思い出したように小声でささやく(人間ドックの診察室は病院とは別棟です)を繰り返す

名前を呼ばれると「はい!」と素早く立ち上がり、快活な様子で診察室に入っていった

 

さてさて、皆さんは全く興味ないと思いますが私の診察結果

異状なし…のはずが去年から肝臓の数値GOTが高い(ワクチンの影響だと思っている、根拠ありません)

お酒も飲まないし痩せているし運動もしている

「おかしいじゃないですか!」と言いたかったけど、もちろん医師にそれを言ったとて数値が良くなるわけではないので黙って助言を聞く

「生活習慣に気を付けましょう」と

 

下剤(これも人生初)を飲んだ後、

大きなテレビがある食堂でお昼を食べた。

お腹が空いていたので楽しみにしてました!

 

出てきた定食の紹介

真っ赤な梅干しがのった1.5杯分くらいの白米、冷めた味噌汁(ネギ豆腐)、ころも多め150gくらいのロースカツ、申し訳なさそうなキャベツ、玉子焼き2きれ、煮物(筍とか)、すごくしょっぱいサバの煮つけ、死ぬほどしょっぱい漬物、切り干し大根(一番美味しかった)、チョコムースプリン生クリームと缶詰のサクランボのせ

かなり多めだと思います

 

テレビでは糖質と脂質の塊のような、どう見ても健康によくなさそうな食べ物を紹介してタレントが嬉々とする番組が放送されていた

 

人間たちは経済を回すために

丁度良く不健康に導かれているのかもしれないな…

と少し勘繰りながら完食

 

食後のお茶を飲む。

なんだかこの数時間で色々あった気がする

自分の身体のことを知らないから調べにきたら、自分が知らないタイプの人間たちを見かけた、まるで異世界だ

でも悪い感じじゃない、むしろ安心感?みたいなのがじわっと広がる

普段会うのは20~30代男性会社員で、

同じような指標で狭い環境の効率と成果重視で戦ってるから

気が付かないうちに偏った人間になってしまったのかもしれないな

仕事と割り切れば効率と成果で戦うの嫌いじゃないけど

 

下剤を受け取ったとき珈琲の割引券をもらったので、病院内にあるカフェでタイの豆の珈琲を飲む。結構美味しい(後で知った事ですが、売り上げをタイ北部の麻薬撲滅運動に寄付してるそうです)

 

身体はぼーっとしてるけど、頭はスッキリしてた

珈琲で更に覚醒、勝手に色々な事が頭に浮かぶ

そして自分自身と本格的な議論を始める、

時間あるし意識的に脳を放っておいた

 

久しぶりに病院にきて異世界の人たちに遭遇した気がした

なぜそんな気持ちになったのだろう

 

当たり前だけど人間ドックを受けに別世界から来たのは私

いつの間にか見慣れた環境にのみ最適化していたのかもしれない、

心も身体も

一つのことに集中するのは、トイレにこもってひたすら折り鶴を作り続けるようなものだって誰かが言ってた、誰だっけ

それに近いことをしているのかもしれない

 

大雑把にくくれば同じようなタイプの集団に属して、同じような生活をしている。同じような思考にひっぱられていたのかもしれない

というかその方が燃費のいい生活ができる、楽ができて都合がいい

同じ場所へのルーティンをこなす身体とともに、脳も省エネモードが常態化していたのかもしれない

人間ってだらしない生き物

 

くくるとは?壁があるということか?

毎日通勤している建物の壁、会社という組織でつくられた物理的かつ可視化できない部署や派閥の壁

 

病院の外壁、部屋ごとの壁

 

今日見かけた声の大きい50代5人組のおっさんグループや、

診察室前のソファに作られた一定の距離は多分見えない壁

 

ウェブにはいると

普段目にするSNSやネットの情報はパーソナライズされフィルターバブルによって偏っている。

そして多分洗脳されている(好んで洗脳させているのかも)

これも見渡す限りの何かしらの壁

 

いつのまにか壁に囲まれていたのか

無意識に不都合なことを避けられるすき間を見つけて(例えばトイレの個室)居心地よくなっていたのかもしれない

 

かつて世界中を旅して色々知ったつもりになって、

もしかしたら勘違いしていたかもしれない

でも実際はソクラテスとディペートして言い負かされるのではないか、と考える

というか勝手に脳が暴走していく

自分が自分に問うてくる

 

壁はない方がいいのか?

平和で幸福な生活を実現したいなら、自分のメリットや喜びのある出来事で作られた壁の中にいた方がいいのかもしれない

でも、なんだかそれは気持ち悪い

今まで言語化して認知してなかったけどそんな気がする

 

とはいえ安全上精神衛生上、多少壁があった方がいい

 

国境とか右左とかまで話を大きくするつもりはないのですが、

背伸びしてのぞけるくらいの壁しかない状態?連帯?って作れないんですかね

 

普通に身体をつかって、様々な場所に赴き生活していれば、それなりに色々な人と会ってそれでいいのかもしれないけど、

時間と機会と身体は有限

もっと時代に合ったグラデーションのある出会いはないのか

 

例えば、多様性をうたうコミュニティに属したとて、そういうタイプって外に向けたファッション的なブランディングがされてる感じするし、そこで連帯感だすのもな…と考える(勝手な感覚です)

「見た目や属性の多様性を自己目的化した先に待つのは、内容や思考の単調性でしかない」とピーターティールという人が言っていた

 

多様性と連帯と平等と平和が実現すれば素敵だけど、

一般人の大した学のない私でもかなり難しい気がしてる

例えば多様性を認めたうえで、対称的なタイプの人を連帯させようとすると、多分何かしら争いが起きる、この時点で平和は損なわれているかもしれない。やがて思想が過激化して(悪意を煽るメディアとかが出てきて、それを求め楽しむ人も出てきて)とてつもない分断の結果、酷い不平等が起きるのは誰でも想像できる

 

様々なタイプの人間と膝を突き合わせて会話するまでいかなくても、生きている間に色々知っていたいし、強制的じゃない平和な繋がりにヌルっと参加したい

いい感じに個人やコミュニティがそれぞれに分断されたまま、

その中間の空間みたいなものを作るのは無理なんすかね

すでにありますか?私が無知なのか

やっぱりメタバースとかNFTなんすか?それかTinderやペアーズ?…

全然詳しくなくて申し訳ないです(かつてmixiの頃はもっと平和にゆるく繋がっていたような気がする)

 

唐突に若い女性の看護師が視界に入って一瞬我に返る。

ランチと恋バナで盛り上がってる

いいなー楽しそう、仲間にいれてほしい

 

結局考え込んで結論はぐにゃぐにゃ

そろそろ帰ろう、と立ち上がり駐車場へ歩く。

 

っいやしかし、あんなに聞き取りずらい声ってあるんだなーとバリウム検査を思い返す

壁を介して音質の悪いスピーカーを使い、必死に意思の疎通をとろうとする活舌の悪い医師、何回も聞き返し間違えて誤飲する私、ボディランゲージ

多分会社員なら即異動になると思う、ジョブローテーションとかいって

どう考えても効率悪いし苦情も殺到しそうだしトラブル起きそう

でも、個人的にはあの不便なやりとりがコントみたいで面白かった

口にバリウムを含んでアイコンタクトしてるとき吹き出しそうになった

こんな体験なかなかできない

 

思えば、旅しているときに一番記憶に残る体験って、不便でムダなことをしている時やトラブってる時な気がする

その時はマジで焦ったりイラついたりするんだけど、過去になり思い出して話すときは楽しい

旅はトラブルにあいにいっていると言っても過言じゃないと思う

そういうムダな不便さって結構大事な気がする、

それもメリットと喜びによりパーソナライズされた壁で隔てられた内側にいると起こりにくいと思う

(人間ドックが不便になる必要はないと思います)

 

自分と違うタイプの生活を疑似体験できて、それを知れる中間の空間にいたるには、あえて色々と面倒なことをしなければならないSNSとかあったら…

流行らないか

素人がくどくどすみません

 

車のエンジンをかける。

同僚に「ゲップ我慢するのマジで大変だよ!」って散々聞かされたけど、なんてことなかったなー

 

天気いいし快調にドライブ

 

のはずが

 

信号待ちで体内から轟音が聞こえた

 

ゴゴーーギュルギュルーー

 

唐突にお腹から下の穴に向かって雷

 

とんでもない腹痛

 

ケツの集中力をマックスにして冷や汗をかきながら意地で帰宅

 

これが下剤の効きめか…

数時間ほぼトイレにこもっていた

折り鶴を作る余裕ない

気が付けば、頭の中が腹痛の苦しさでいっぱいになり脳の暴走も止まってた

 

できればもう下剤は飲みたくない