俺「こんにちわ~」
…玄関を上がってすぐ左手にあるドア。その上部に「管理人室」と、非常に分かり易いプレートが貼られている。
…先程から、何回か声掛けを続けているのだが、全く応答がない…。
留守なのかな…
いやいや、それは困る‥
案内人がいなければ、自分の部屋はおろか、トイレの場所すら分からない。
俺「すいませーん」
‥もう一度、ドアに向かって声を出してみたが、俺の声はただ虚しく響くだけだった…。
…?
‥俺はふと気づいた。
そういえば、寮の中から人の気配がしない…。
前の寮の時は、必ず誰かしらがいて、話し声だったり、テレビの音や音楽が聞こえていた。
…今いるこの空間には‥、
それらの音が全くなかった。
…。
出直すしかないのか…
一度、サナエちゃんのところに行くかな…
だいたいトモノリも、俺を放置し過ぎだろ…
ブツブツ言いながら、ダンボールの上に置いた手荷物を再び手に取った。
開いたままの玄関から、外へと出る…。
駅に向かって歩き出した時だった。
俺「‥ん?なんだ!!?」
7、8人位の集団が、自転車で一斉に俺の方へと向かって来る。
そのスピードは緩む事なく、むしろ立ち漕ぎをしているヤツもいる位だった。
…このままだと、間違いなくぶつかる…
と、思ったのだが、どうやら人間の体はこういった場面では動かなくなってしまうみたいだ…。
砂煙が大きく舞った…
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