俺「こんにちわ~」




…玄関を上がってすぐ左手にあるドア。その上部に「管理人室」と、非常に分かり易いプレートが貼られている。




…先程から、何回か声掛けを続けているのだが、全く応答がない…。




留守なのかな…




いやいや、それは困る‥




案内人がいなければ、自分の部屋はおろか、トイレの場所すら分からない。




俺「すいませーん」




‥もう一度、ドアに向かって声を出してみたが、俺の声はただ虚しく響くだけだった…。




…?




‥俺はふと気づいた。




そういえば、寮の中から人の気配がしない…。




前の寮の時は、必ず誰かしらがいて、話し声だったり、テレビの音や音楽が聞こえていた。




…今いるこの空間には‥、




それらの音が全くなかった。




…。




出直すしかないのか…




一度、サナエちゃんのところに行くかな…




だいたいトモノリも、俺を放置し過ぎだろ…




ブツブツ言いながら、ダンボールの上に置いた手荷物を再び手に取った。




開いたままの玄関から、外へと出る…。




駅に向かって歩き出した時だった。




俺「‥ん?なんだ!!?」




7、8人位の集団が、自転車で一斉に俺の方へと向かって来る。




そのスピードは緩む事なく、むしろ立ち漕ぎをしているヤツもいる位だった。




…このままだと、間違いなくぶつかる…




と、思ったのだが、どうやら人間の体はこういった場面では動かなくなってしまうみたいだ…。




砂煙が大きく舞った…













Android携帯からの投稿

数日が経過し、ついに俺が新しい寮へ(強制的に)入る日となった。




以前の寮と比較すれば、やや新しいカンジの建物。地元が一緒だったトモノリ君が俺に玄関前でいろいろと説明してくれた。




トモノリ「まぁ、前の寮よりは自由なんじゃないのかな」




…トモノリは、唯一同じ高校から専門学校へ入った友達だ。高校では所属した課が別だった事もあって、常につるんでいた訳ではないが、サナエちゃんの事はもちろん、同じように仙台に来ているヒデキの事もよく知っている。




トモノリ「前の寮から送ってたヨシキの荷物、玄関の脇にまとめて置いてあるから」




俺「あぁ、わかった」




そう言うと、トモノリはどこかへと行ってしまった。




俺「あ‥」




…まだ聞きたい事があったのに…




‥とりあえず寮母さんに挨拶するか…。




少ない手荷物を玄関脇のダンボールの上へと置いて、俺は寮母さんのいる部屋へと向かった…。





Android携帯からの投稿

寮での生活をまるっきりしていなかった俺に、学校側は寮の移動というペナルティーを与えた。




親には、俺自身が寮生活に馴染めない様な絶妙なニュアンスで話を伝え、更には、一人暮らしをするにあたって協力して欲しい旨を話した。




サナエちゃんは‥、




彼女「いろんな変化があって、楽しそうだね」




と、言っていた。




とりあえず話がいろいろと落ち着く迄は、また別の寮での生活が始まる。




新しい寮での生活は、いよいよ明日から始まる…。





また、




妙な出来事に巻き込まれない事を祈って…。








Android携帯からの投稿