風呂デューサーのご紹介~都市湯治編~ | 銭湯、温泉探求録

風呂デューサーのご紹介~都市湯治編~

風呂デューサーです。


風呂デューサーのご紹介という記事を書いてから早3年が経過しました。早いですね。
2012年に何をしていたのかパッと思い出せないくらいあっという間の時間でした。


老舗銭湯の辰己湯で昔ながらの銭湯の裏を学び、店番や掃除など、番頭としての仕事を経験しました。
そして宮城県東鳴子温泉で湯守の修業。温泉という自然のものを扱う難しさを知りあわせて旅館業務全般を経験しました。
このころから温泉、フリーライターとしての仕事をいただくようになりました。
東京に戻ってからは最新設備を導入した銭湯、改正湯で番頭として勤務して今に至ります。
そのかたわら風呂デューサーとしてのイベント企画、主に「風呂あがりの一杯を究める会」を開催したり、テレビヤラジオなど、メディアへの出演が増えてきました。

また、海外の温泉文化を知るために、ドイツに一人旅に出たりもしました。



これらの経験を経て、風呂デューサーのご紹介ページを追加する必要があると感じ、追記することにしました。



メディアへの出演が増えるにつれて、「風呂デューサー」という言葉のインパクトが強すぎて、だいぶ独り歩きしているなと感じるようになりました。取材で今後の展望を聞かれてもコレという内容がないので、煮え切らない答えをしてがっかりさせてるなと感じたり、正直してました。
「風呂デューサーがやることはなにか」ということをつくらなければならないんだなとしみじみ思うようになったのです。

しかもそれは「風呂デューサー」という名前に相応しいインパクトが必要な気がして、この名前を重荷にも感じました。


いままでの経験を踏まえて何ができるかを考えたところ、キーワードになったのは「湯治」です。


湯治場での修業を経験して、「湯治は、温泉に浸かることが湯治ではない。そこに流れる時間こそが湯治」ということは感じていました。温泉に入ることをはじめ、普段と違う環境に身を置くこと、そこでしか食べられないものをたべること、忙しさから解放されること…「温泉地での滞在」「温泉地に流れる時間」が湯治なのです。

なんとなく感じていたそれをさらに強く確信させたのは、ドイツで海外に存在する湯治文化に触れたことことが大きいです。
ドイツの温泉施設では、温泉に入るのと同等以上に読書や日向ぼっこをしている人が非常に多かったのです。せわしなく観光して疲れて眠ってそそくさと帰っていく…日本の、現在主流の温泉旅行とはまったく異なり、私が湯治場で経験した時間と同じ時間を過ごしていたのです。日本の文化と思っていた温泉、湯治がドイツではごく当たり前に行われているように感じました。

そんな思いを持って東京に戻り、自分にできることを模索していると、「湯治場ほどの温泉がなくても、この湯治場の時間に近いことを体験してもらうことはできるのではないか」と考えました。

そこで生まれたのが「都市湯治」です。ちなみに2014年夏ごろに商標登録を取得済みです。


中身のほうは次回、掘り下げてお話ししたいと思います。