「お客様は神様です」という三波春夫さんのセリフがある。漫才トリオのレッツゴー3匹さんの「三波春夫でございます。お客様は神様です。」がヒットし流行したわけだが、これは、三波春夫さんが意図した意味ではないそうだ。もともと三波春夫さんは、〝お客様を神様として見る”といった心構えを説いたものが、ギャグと共に間違って広まってしまったらしい。
日本には、お客さんの一言やクレームを気にし過ぎる傾向がある。飲食業界やサービス業界では、「お客さんは神様=大事にしなさい=決して逆らうな」といった風潮があり、そのため店員や職員に対してずいぶん偉そうな態度のお客さんも見かける。先日も、郵便局の「不在票で荷物を受け取るコーナー」で、非常に態度の悪いお客さんを見た。郵便局職員さんもたいへんだ。店員や職員に対して居丈高な態度の客を見ると情けなくなる。
以前、デパートの電話交換手さんのお話を伺ったことがある。ずいぶん理不尽なお客さんが多いと聞いた。こちらが正しい事を言ってもクレームになる。相手が間違ったことを言っても、それを正すこともできない。正論を説明するとクレームになる。勝手に怒鳴ったりわめいている相手に対し、とにかく傾聴し謝るしかない。理不尽だ。
理不尽な原因は、上司にもある。クレームがきたらとにかく謝り、理由も聞かず部下を叱責する。上司がクレームに弱過ぎるのだ。態度の悪いお客さんから部下を守ろうとする上司は少ないのではないか。
「政治家は先生」ではないのと同様に「お客様は神様」では決してない。
「なんだその態度は。客は神様だろう。」などと言う態度の悪いお客さんや周りに迷惑をかけるお客さんには毅然とした態度をとって然るべきと思う。理不尽で横暴な相手から「本部にクレームを入れてやる!」と言われても、はいどうぞご勝手にと言えるような環境を企業は整えるべき。私は昔から、権力を振りかざす人間や周囲に威張り散らす人間は好きではない。
お客さんだからといってなんでも許されると思ったら大間違いです。
お互いに相手を尊重し思いやれる社会を作っていきましょう。
成田市 市議会議員
星野慎太郎
