境界確定、建物登記申請、農地転用・開発図面作成など、土地や建物の不動産登記を幅広く担う土地家屋調査士。

 その試験に合格し、今年2月晴れて独立開業した氏は、元プロテニスコーチという異色の経歴を持つ。

 「関西でテニスコーチをしていたが、30歳を過ぎて挫折感を味わい転職を考えていた。

 どうせチャレンジするのなら、自分の知らない世界に飛び込んでみたいと思っていた頃、妻の親族に土地家屋調査士がおり、話を聞いているとその魅力に引きこまれ、第二の職はコレだと決めた」

 親族に会うまで、土地家屋調査士という職業の存在すら知らなかったというが、持ち前の行動力で資格取得という目標に突き進んだ。

 そして県内の開業士に師事し現場で実技を学びながら、昨年4回目のチャレンジにして、念願の合格を手にした。

 「調査士の合格率(6%)同様、調査士を知らないという一般の方も多いのではないか。身近な財産に関する業務をしているので、少しでも多くの方に存在を知ってもらえるよう、調査士のアピールに努めていきたい。

 例えば、被相続人が亡くなって初めて境界が確定していないことに気付く方も多く、日頃から関心を持って気軽に相談を持ちかけて欲しい」

 調査士の仕事は、法律が関係するため聞き慣れない専門用語が多く使われるが、顧客の側に立った分かりやすい説明を心掛けている。

 また自社サイトを通じた、理解しやすい情報発信にも積極的に取り組んでいる。

 「テニスコーチの時代から、共に学び共に成長しようということを理念に掲げている。

 教える立場であっても、実は教え方を顧客から教わっている立場。この事を忘れずに、共生し合える調査士であり続けたい。

 そして5年後には、何か1つの分野でも良いから、県内で一番の調査士を目指す」

 今後は相続分野にも積極的に展開したい考えを持っており、有言実行の男に期待したい。

 1971年高松市生まれ37歳。

 趣味は英会話、テニス、海外旅行、読書。   

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