昨日の坂田先生のセミナーの一部です。
相続に関係する相談が増えています。
昔は長男に財産を残す代わりに親の面倒は長男がみるという考えが中心でした。
しかし、今では、兄弟は対等、夫婦も対等という価値観が中心となっています。
それ自体いいことですが、最終的な決定権者が一人ではないため、もめやすいといえます。
このような価値観の変化はどこの家庭にもありますから、財産の大小に関係なくもめごとは起きることになります。
また、少子高齢化・核家族化によって、親族間の交流が疎遠となっていること、介護の問題・住宅事情・不景気など生活をめぐる問題が増加していることなども相続問題増加の背景になっています。
よくある例を紹介すると
介護費用を長男が負担した場合、その分を相続財産から先取りできます。しかし、介護の労力をどう算定するかについては、法律に規定がありません。そのため、介護費用の金額について争いが起きてしまいます。
また、親の生前に家を建ててもらったような場合に、建ててもらった子供の相続できる財産は減らされます。しかし、家を建ててもらえなかった子供は、「自分は愛されなかった」という気持ちを持ち、もめごとになりやすいといえます。
対等の価値観の中では、上からの目線での発言・行動は反発を招くだけであり、大切なのは、相手の話を聞くことです。もめごとになる前に相手の話を聞くことで多くの争いを避けることができます。
兄弟の間で公平な遺産分割の提案をしても、妹が提案したというだけで兄が反発したり、提案の仕方が「書類にはんこを押して送り返してくれ。」というふうに事務的だったりしただけで争いになる、ということはよくあることです。このような場合は、反論すればするほどもめ、聞けば聞くほど関係は良くなるので、気持ちを伝えたいならます聞くことです。
遺言を書いておけばよかったのにと考えてしまうことがよくあります。
遺言を書いておくと、子供たちは「お父さんの気持ちだから」「お母さんの気持ちだから」と納得して、争うことが少ないのです。
【遺言の必要な場合】
・子供のいないご夫婦⇒すべての相続財産が配偶者に相続されるわけではありません。
・年齢が65歳以上⇒子供が家庭を持っており、親のことより自分の家庭のことが感心の中心となっています。また、認知症の可能性が高まってきます。
・マイホームを所有している⇒マイホームを相続人が分割取得することは現実的ではありません。
・不動産を所有している⇒バブルのころと異なり、今は不動産がなかなか売れません。
・配偶者と死別している⇒墓を守る人を決めたりしなくてはなりません。
・離婚経験がある⇒特に前婚と後婚双方に子供がいた場合、兄弟間で付き合いがない場合がほとんどで、遺産分割協議ができないことが多い。
・相続人が遠方に住んでいる場合⇒遺産分割協議のために旅費が高額となる。
・親族以外にも遺産を残したい場合
・孫にも遺産を残したい場合
遺言以外の方法もあります。
【負担付死因贈与契約】
介護の負担をしてくれたら、財産を贈与するといった内容で契約をします。
あげる人ともらう人双方が納得した上で契約するので、他の親族に強く主張できます。
契約の執行者を決めておくと、契約を実現してもらえるので、思いを実現できます(この点は遺言の場合も同じです)。
【遺留分の放棄】
生前に遺留分を放棄してもらうことで、特定の相続人(長男など)に財産を集中できます。ただし、見返りとして一定額を渡すことが多いと思います。
他にも多くの事例と具体的な質問が出て、密度の濃いセミナーでした。