こんばんは。
介護労務コンサルタント(社会保険労務士、介護福祉士)の松岡勇人です。
定期健康診断を受診しない職員には・・・
最近の健康志向もあって、以前に比べて、TVや雑誌等でも、 様々な視点から“健康”がテーマとして頻繁に取り上げられるようになりました。
この傾向は良いことですよね!
カラダが資本であることは誰にでも共通ですが、特に介護事業所の職員は、自分自身の健康状態に人一倍関心を持たなければなりません(自分自身が健康でないと、ご利用者の微妙な健康状態の変化に気づかないですからね)。
ところが、年に1度の定期健康診断を受診しない職員がいるので、どう対応しましょうか?と相談を受けることがあります。
定期健康診断を受診しない職員の一人に、受診しない理由を訊ねてみると、
本人曰く、「健康なので、(会社の定期)健康診断は受けません!万が一、病気があっても会社のせいにはしませんから、ご心配なく・・・。」
労働安全衛生法上は、労働者(職員)に対して定期健康診断の受診義務を課していますが、労働者(職員)の受診義務違反に対しては罰則を設けていません(チグハグしていますが・・・)。
定期健康診断を受診しない職員たちは、この規定を知っての対応なのでしょうか?
この規定を知っている職員はおそらく誰一人いません。
受診しない本当の理由は、
①受診が面倒だから
②仕事が忙しいから
③受診結果が怖いから
のいずれかでしょう。
介護事業所の経営者の皆様、定期健康診断を受診するか、受診しないかは、職員の自己責任の問題として処理しないでください。
介護事業所の経営者の皆様には、職員との労働契約上、安全配慮義務が課されています!
介護事業所の経営者の皆様には、職務上、職員に対して労働安全衛生法上の定期健康診断の受診を命じることができ、定期健康診断を受診しない職員に対しては懲戒処分を行うことも認められています。
ただし、認められているからといって、定期健康診断を受診しない ⇒ すぐ、懲戒処分は労務管理上、好ましくありません。
では、どうするか?
仕事の多忙を理由にしている場合で、外部の診療所等で健康診断を受診する形式のときは、受診日ではなく、受診期間として幅をもたせることで、スケジュール調整を促しましょう(これは、どこの事業所でもしていると思います)。
また、労働安全衛生法上、「医師選択の自由」が認められているので、介護事業所の経営者の皆様が指定した医師による健康診断の受診を希望しない場合は、別の医師による健康診断を受けてもらい、その受診結果を提出するようお願いします。
それでも、年に1度の定期健康診断を受診しない職員に対しては、受診しないで健康を害した場合に誰が一番デメリットを被るのかを諭しましょう。
介護に携わり、健康の重要性を毎日体感している職員に、デメリットを被るのはあなたですよ!と諭してあげましょう。
今号もご覧いただき、ありがとうございました。次号もよろしくお願いいたします。