こんにちは。
介護労務コンサルタント(社会保険労務士、介護福祉士)の松岡勇人です。
今週号のテーマは、「年次有給休暇」です。
私ごとですが、初めて年次有給休暇の申請をした際のお話です(今から四半世紀も前のお話)。
今風に言えば、ブラック企業でのお話になりますね(^_^;)
ウチの会社には、有給は無い!
入社1年が経過した頃、大学時代の友人と有給を取って、旅行しようと計画を立てました。
私は、小売業に勤めていましたから、土日は休みではありません。
直属の上司に有給の申請をした際の会話です。
松岡:
「××日に有給が取りたいのですが」
上司:
「ウチの会社には、有給が無いんだよ」
松岡:
「ホントですか?ウチの会社には有給がないんですか!そうですか・・・」
当時、社労士としての知識はありませんから、“有給は、法律上当然に要件を満たせばもらえるものだ”ということを知りませんでした。
したがって、“有給は、会社から与えてもらうものだ”と硬く信じていました・・・法律を知らないということは、本当に怖いことですね。
結局、有給はもらえませんでしたので、友人にはこう言いました。
松岡:
「ウチの会社には、有給が無いんだって!」
友人:
「フン~、松岡が勤めている会社には有給無いんだぁ・・・」
次の年にも、新たに着任した上司と同じような会話をしたことを覚えていますが、結果は同じです。
気が付いてみると、“ウチの会社には、有給は無い”と上司(会社)に洗脳された自分がいました。
もっと恐ろしいことは、数年後、私が上司となったとき、“ウチの会社には、有給は無い”と部下やパートさんに対して洗脳している自分がいたことです!
しかし、数年後、あるパートさんが、
「有給をもらえないなんておかしい!」
と有給について書かれた雑誌の記事を片手に怒り心頭。
今までどおり
「ウチの会社には、有給は無い!」
とねじ伏せようとしたのですが、このときばかりはダメでした。
雑誌を読んでみると、パートさんの言っていることはどうやら正しいらしい・・・。
後日、労働基準法の入門書を購入して読んでみると、パートさんが言っていることが本当に正しいらしい・・・。
そのほか、書籍と照らし合わせてみると、法律用語だらけでよくはわからないけど、
「どうやらウチの会社は労働基準法に違反していることだらけだぁ!」
ということが漠然とですが、わかりました。
法律を知らないと、以上のようなお話になってしまうのでしょう。
ある調査によれば、介護業界の年次有給休暇の取得状況は
取れない:20.5%、1~5日:36.8% ・・・
と、ほとんど取得できていない状況が50%強を占める結果となり、他の業界と比較しても介護業界の有給休暇取得率は著しく低い(2014年度版「介護施設で働く労働者のアンケート」・全国労働組合総連合より)。
介護事業所の社長の皆様、「ウチの会社には、有給は無い!」と言っていませんか?
年次有給休暇の趣旨は心身のリフレッシュです。リフレッシュすることで、モチベーションも向上し、離職防止の一環にも繋がります!
今週号もご覧いただき、ありがとうございました。次号もよろしくお願いいたします。