おはようございます。介護労務コンサルタント(社会保険労務士、介護福祉士、介護福祉経営士)の松岡勇人です。
労働基準監督官って知っていますか?
一般の方には、まだまだ知名度の低い労働基準監督官ですが、昨年2013年10月に日本テレビ系で放送された竹内結子主演の連続ドラマ「ダンダリン労働基準監督官」で少しは有名になったでしょうか。
労働基準監督官とは、日本の労働関係法令に基づいて、あらゆる種類の事業場に立ち入り、労働基準法や労働安全衛生法等を遵守させるとともに、労働条件の向上を図っていくことを任務とする厚生労働省の職員(国家公務員)である(Wikipediaより)。
「署」の付く役所には司法警察権がある
日本の役所関係の中には、その名称に「所」ではなく、警察署の「署」の字を用いる役所がある。例えば、税務署、労働基準監督署である。
これら「署」の付く役所は甘く見ない方がいいですよ!
なぜならば、その管轄する取締法規に違反した個人や法人を処罰したり、逮捕・送検できる司法警察権を持っているからです。
労働基準監督官は、労働基準関係法令違反事件に対して、司法警察権を根拠に被疑者を逮捕・送検することができる司法警察官なんですよ。
ただし、労働基準監督官は司法警察官といっても、拳銃や手錠は持っていません・・・私もお仕事柄、役所関係にはよく行きますが、このせいか労働基準監督署に行く時はチョッと緊張感がありますよ。
労基署がやってくる!
週刊ダイヤモンド2014年12月20日号で「労基署がやってくる!」と特集が組まれていました。
特集記事によれば、製造、ゼネコン、運送、介護の業界は、労基署が目を光らせる4業界とされていましたが、業界に関係なく、労基署(労働基準監督署の略)の職員=労働基準監督官はやってきます。
ドラマ「ダンダリン労働基準監督官」でも、毎回あったシーンですが「臨検です!(臨検=立ち入り調査)」といって、会社に予告なしに突然やってくる場合もあります。
定期監督 : 労働基準関係法令に違反しているわけではないけれど、労基署で計画的に臨検する会社を選定し、通常、事前に予告ありで労働基準監督官がやってくる
申告監督 : 従業員などのタレコミ(つまり労働基準関係法令に違反している)で予告なしに労働基準監督官が突然やってくる
介護業界は許認可制度のビジネス
許認可が必要なビジネスには、法令等の縛りがある。つまり、法令違反があれば、許認可を取り上げられ、そのビジネスはできなくなる。
介護業界は、介護保険法に法律的根拠のある許認可が必要なビジネスである。
「許認可が必要な介護業界には法令違反はないであろう」と思われるが、割増賃金未払い=サービス残業については、全産業の中で飲食店に次ぐ違反率の高い業界なんですよ。
介護事業所の経営者の皆様!あなたの事業所は大丈夫ですか?
従業員のケアプランをしっかりと作成できていますか?
間違ったケアプランを続けていると、ある日、従業員のタレコミによる労働基準監督官が突然やってくるかもしれません・・・最悪、許認可剥奪。
こうならないためにも、日頃から従業員のケアプランを考えていきましょう!