「もう、彼女は気付き始めている」
道江は美しい夜桜を見つめていた。
満月の光に照らされた桜は桃色に光っていた。
その色は妖しくて、哀しかった。
「分からないのです。私には。確かにエレンは全て知っていたかもしれない。
でも、どうすれば良いのですか?
紅蘭さんも紅葉さんも私にはとても大切な人です。
そして、**さんも・・・。
今もそこで見ているのでしょう?
お願いです。彼女たちを助けてください。
あのとき私は間違ってしまったのかもしれない。
私はあのときあなたではなく、紅蘭さんを選んだ。
それはあなたを苦しめ、紅蘭さんを苦しめ、紅葉さんを巻き込んだ。
いえ、紅葉さんは・・・。
・・・真実は本当に身近にあるものですね。
そしていつまでも私たちを追いかけてくるものです。
真実には、向き合わなければいけない」
桜の涙に溺れながら、道江の独白が夜に響いた