「スチュワーデスになりたいの」
お下げ髪がチャーミングな、
まだ10歳だったMちゃんは、瞳をきらきらさせて私に話してくれた。
「将来どうしてもスチュワーデスになりたいのよね」
と、隣に座っていたMちゃんのお母様が、Mちゃんの意思を確認するように言った。
「先生みたいに、英語の話せる国際線のスチュワーデスになりたいです!」
幼い少女の純真な気持ちが痛いほど伝わる瞬間だった。。
「それじゃあ、これからたいへんなこともたくさんあるけど、一緒に英語頑張っていこうね!」
「はい、絶対に頑張ります!絶対にスチュワーデスになります!」
Mちゃんの、夢に向かう真摯な眼差しに、
私の心は大きく動かされた。
なんとしても夢を叶えてあげたいと思った。。。
あれから14年が経った昨日、
一緒に歩いてきたMちゃんから着信があった。
「先生、JALWAYS、内定しました!!!!!!!」
「昨日から心配してたのよ!!!」
「え、?!昨日からですか?」
「・・・・・」
言葉に詰まってしまった。
私が伝えたかった昨日というのは、
本当は、、、
14年前に
Mちゃんと初めて出会ったときのことだったのに・・・
14年あたためていた
vintageの赤ワインの栓を、
ようやく開けられる日が到来した。。。
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