記憶の中の映画「銀河鉄道999」 (1979年公開)...

1979年9月4日㈫、当時高校2年の私は放課後に一旦帰宅してから映画館に見に行きました。その映画館は自宅から徒歩で15分程度の距離でした。

なぜに日付まではっきりしているかというと...

長らく8月31日だと思い込んでいたのですが、1979年のカレンダーを検索して確認したところ、8月31日は金曜日だった。

行ったのは間違いなく火曜日、なぜかと言えば、翌日、水曜から4泊5日の北海道修学旅行で日曜に帰ってきている。ということで、

修学旅行出発は9月だった。

前の週、8月28日の火曜日は、前日の27日が始業式だったことから考えると、有り得ない(はず)。

8月最終日曜日には某テレビ局「愛は地球を救う」が放映されているのも確かだし、その日が夏休み最終日というのは、当時のうちのあたりの公立小中高校では お決まりのようになっていた。

で、翌日の始発列車(の次かも?)に乗るため、朝の5時台駅前集合なのに、同級生のアニメ好き(当時、アニオタという呼び方は まだ無かった)と連れだって、劇場公開最終日の最終の回を見に行ったのでした。

終了後に映画館の外に出たところ、他クラスの友人、(男女共学・学年4クラス)1年の時の同級生等々、一緒に遊んでいた面々は、男女問わず ほぼ全員いましたね。明日は4時起きとかなのに、バカなの!君たち?ハイ、私もですが。って感じでした。

この映画と修学旅行が、同じ一つの「記憶の引き出し」に入っているのは、映画の中で999が出発するシーンの中、客車の窓からのメガロポリスの夜景、これが観光バスの車窓から見えた函館の夜景と被っていたからだと思います。函館山山頂でバスから下りて合流した他クラスの面々とも、その話で盛り上がったような。

この映画館についての後日談...

人口10万程度の地方都市のことですし、その後の時代の流れでしょうか、地方ですら郊外に大駐車場ありのシネコンが出来たといい、経営が立ち行かなくなり閉館してしまいました。

が、意外なところで再登場、しかも(世界的に?)かなり注目される形で。

米国のアカデミー賞で外国語映画賞部門を日本作品で始めて受賞した『おくりびと』(2008年)の作中に登場しました。

納棺士の会社「NKエージェント」の宣伝用納棺解説DVDの撮影が行われる現場として使われたのでした。

映画のおかげ、ということでしょうか、その後復活、現在はライブハウス他の多目的会場として営業しているとか。

「銀河鉄道999」という作品自体は、誰が どう見ても

”鉄郎目線”からの作品なんだと思います。

エンディングのナレーション...

今、万感の思いを込めて、汽笛が鳴る。

今、万感の思いを込めて、汽車が行く。

一つの旅は終わり、また新しい旅立ちが始まる。

さらばメーテル、さらば銀河鉄道999

さらば、少年の日よ。

ナレーション:城達也氏

「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」(1981年公開)

若いってのは いいもんだ。

どんな小さな希望にも自分の全てを賭けることができるからな。

みんな、わしらの倅が行くというんだ。行かせてやろうじゃないか。

・・・

鉄郎、いつかお前が戻ってきて、地球を取り戻した時、

大地を掘り返したら、わしらの赤い血が流れだすだろう。

ここは、我々の星だ。我々の大地だ。

その赤い血を見るまでは 死ぬなよ。  わしらの 倅よ。

老パルチザン:森山周一郎氏

エンディング...

時は流れ、メーテルは消えて行く。

少年の日が二度と帰らないように、メーテルもまた 去って帰らない。

人は言う、999は鉄郎の心の中を走った 青春という名の列車だと。

・・・

今一度 万感の思いを込めて 汽笛が鳴る。

今一度、万感の思いを込めて 汽車が行く。

さらば メーテル。

さらば銀河鉄道999。

ナレーション:城達也氏

・・・・・そして 少年は大人になる(これは画面に文字!)

当時、まだ高校生~20代前半だった自分の視点は、まさにこれです。

メーテル...

ところが、劇場公開から40年以上が過ぎたところであらためて鑑賞したところ、なんとなんと、男のオラが”メーテルの視点”での物語が見えてしまったんです。

以下、メーテルの語った言葉を並べます。

「銀河鉄道999」

私の体は、鉄郎のお母さんの体。

私は、鉄郎のお母さんの若い時の姿の生き写し。

私は人の姿をした影。

こうやって もらった体が年を取れば、また一つ別の体を移し替えて、果てしない時間の中を旅してきたの。

私は、時の流れの中を旅してきた女。

でも、昔の体に戻るために・・・

いつか、私が帰ってきて、あなたのそばにいても、あなたは私に気が付かないでしょうね。

・・・

私は、あなたの思い出の中にだけにいる女。

私は、あなたの少年の日の心の中にいた、青春の幻影。

「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」

若者はね、負けることは考えないものよ。

一度や二度しくじっても、最後には勝つと信じてる。

それが本当の若者よ。

昔は そんな若者が大勢いたわ。

・・・

私は時の流れを旅する女。

今までに数えきれないくらい大勢の若者と旅をしてきたの。

共に喜んで、共に悲しんで、そして死に別れてきた。

私は、一緒に旅した若者たちのことを決して忘れない。

一人一人の思い出を、この胸に刻み込んで抱いていくわ。

永遠に。

・・・

さようなら、鉄郎。

いつか お別れの時が来ると私にはわかっていました。

私は青春の幻影、若者にしか見えない 時の流れの中を旅する女。

メーテルという名前が鉄郎の思い出の中に残れば、それでいい、私はそれでいい。

さようなら 鉄郎。

あなたの青春と一緒に旅をしたこと、私は永久に忘れない。

さようなら 私の鉄郎    さようなら。

メーテル:池田昌子さん

もう、メーテル目線で語る「銀河鉄道999」はあまりにも悲しすぎます。

「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」での

クイーン エメラルダス:田島令子さん

の言葉が説明してくれていました。

メーテル、あなた、辛い旅を続けているようね。

・・・

メーテル、あなたは鉄郎と一緒に行くことは出来ない。

あなたも私も永遠の終わることのない、時間の中を流れていく、時の旅人。 

私たちの旅に終わりはないの。

...視点が変わると、物語の見え方は全く変わってしまうのでした。。