2011年もそろそろ終わり。大晦日の夜は『ゆく年くる年』で除夜の鐘を聞く、という人も多いのでは? 一年の締めくくりに除夜の鐘を鳴らす回数「108」は、人間の煩悩の数だといわれているけれど、その中身って具体的にはどんなものがあるのだろう。物欲○%、色欲○%などカテゴリー分けできたりしないのだろうか。
というわけで、天台宗・神木山等覚院(神奈川県川崎市)の僧侶、中島光信さんにお話を聞いてみました。
「実は、108というのは“とても多い”ことを示す数で、必ずしも一つひとつに意味があるわけではありません。簡単にいうと、煩悩とは自分を悩ませるもの、心を乱すものの総称ですから、一般的な意味で使う『愛する』ことだって、執着につながる煩悩だと考えることもできる。煩悩の数は時代や教義によって変わり、“8万4000煩悩”という考え方もあるほどなんですよ」
考えることがすべて煩悩…みたいになっちゃいそうですね。調べてみると、有名な考え方として「人の五感に“意識”を加えた『六根』を、それぞれ『好(いい)・悪(わるい)・平(どちらでもない)』、さらに『浄(きれい)・染(きたない)』、『前世・今世・来世』の要素があり、6×3×2×3で108になる」というものがあるみたいだけど、例えば“味覚×悪×浄×来世”のような組み合わせで、それがどんな煩悩なのかを素人が理解するのは難しそうです。
「より大きな枠組みだと、仏教の根本的な考え方として、人の煩悩は『貪(とん・貪欲に求めること)、瞋(じん・自分の心に執着して怒ること)、痴(ち・無知で愚かな考え方に囚われること)』の“三毒”に帰結する、というものがあります。いずれにしても、人の煩悩は“眠い、お腹が空いた”など身体が欲するものだけでなくて、むしろ頭で考えるもの――物事に執着して、自分で生み出すものの方が多いといえるでしょう」
そう考えると、煩悩の数は十人十色、数え上げたらキリがないのかもしれませんね。今年の除夜の鐘はそんなことに思いを馳せながら、静かに聞き入ってみては?
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