前回お話ししたエスビットのクッカーの続きです。

 

 

 

サイズ感はこんな感じ。

 

大きいほうのクッカーでもチキンラーメンの直径よりは狭いため、袋麺は砕いて入れる必要があります。(直径は実測で11cm)

 

 

お湯を沸かしてみましょう。すでに途中の写真になってゴメンナサイ。注目して欲しいのは炎が上部の穴から吹き出している所。

 

下から入った空気が上部に流れる「煙突効果」で燃焼が促進される構造になっています。 無風ですが、下部から入った空気による上昇気流で、バーナー単独で燃焼をさせるよりも炎が良く燃えています。

 

1番の難点は「上の穴」から「横に大きく火が出る」ことです。 炎は「クッカーの底面に当たるだけでなく」、上の穴から抜けて「クッカーの側面」も温める構造になっています。

 

次の写真、少しわかりにくいのですが、横方向にはみ出た小さな炎(紫色)が取っ手の所まで届いています。 この炎が上がり過ぎた際に、ハンドルの黒いシリコンチューブ部分を一部溶かしてしまいました。(涙) この炎が広がる構造から、絶対にテント内や車内での使用は避けないといけません。

 

今回テストで200ミリリットルの水を沸かしました。

 

「200ミリリットル」で4分30秒、つまり「800ミリリットル」では× 4となり、

単純計算で16分付近までかかる事が想定されます。

 

この時間では、アルコール燃料の消費量がバカにならず、事実上、水800ミリ相当を沸騰させる用途(例:通常サイズのパスタや煮込み等)は難しいと思われます。

 

しかも屋内の無風状態の計測で、この時間ですから、実際、屋外で風がある場合には更に効率が悪化してしまいます。(風防はあくまで風でのロスを防ぐ為で、そもそも効率が悪い点は改善されないでしょう)

 

実は僕がこのクッカーセットを使わなくなった理由が、過去に「風のひどい環境」で、このクッカーセットを使った際に、炎が横に流されてしまいお湯が沸かなかった事が原因です。

寒い日にお湯が沸くのを待つだけでも大変なのですが、「ついに沸かなかった(燃料が無くなった)」という経験を初めて味わいました。

 

それまでは屋外でも無風状態で使っていましたので、さほど気にならなかったのですが、風がある環境下では非常に弱いセットであることがわかりました。

(もっと信頼性のある湯沸かしセットが欲しくなりましたねー)

※上部の穴に強い横風を受けると、炎が完全に流されてしまいます。

 

製品の構造上、360度に穴が開いていますので、安全な方向がありません。

強風時に単独で使うのは無謀ですが、風防も軽いモノでは飛ばされてしまうかもしれません。

 

と、弱点は記載した上で、この商品の良さを書きますと

◎「ゴトク、クッカー、燃料」がオールインワン

◎「固形燃料」も「燃料用アルコール」も両方使える

◎「固形燃料」で使う場合、Esbitの箱型よりも機材として揃いが良い

というメリットがあります。

 

微細な炎調節が必要な料理を前提とせず、天候がおだやかな日をメインとした、軽量なお茶セットとしてなら、忘れ物の可能性を減らすこともできます。

魅力が多いことには変わりがありません。

 

全体の重量は

アルコールバーナーありで408グラム

アルコールバーナーなしで302グラム の実測でした

 

特にエスビットの固形燃料を使いたいと言う場合には

四角いボックス型の折り畳みゴトクを使うよりも

このセットで持っていく方が「クッカーとゴトク込みになる」ために

荷物スペースの節約と、荷物の点数削減になり、メリットが大きいと思います。

 

 

ありがとうございました。 

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