小田原市新病院建設地での発掘調査で鎌倉御家人の拠点とみられる遺跡が見つかりました。小田原市には、鎌倉時代以降に西国へ進出して活躍する大友氏や小早川氏などの本拠地がありました。その存在は、文献史料などから確認できていましたが、これまで実際に鎌倉御家人に関連する遺跡は確認されていませんでした。今回の発掘調査で掘立柱建物跡が見つかり、鎌倉御家人が好み、鎌倉でも多く出土している中国製青磁碗・皿などが出土しています。隣接地の調査でも、高価な白銅鏡や刀子などを副葬した墓などが確認されていることから、当該地周辺に鎌倉御家人に関連する葬送地があった可能性が想定されます。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の登場人物や歴史上の出来事にゆかりのある場所が神奈川県西地域にも点在しています。これを機に、小田原市の「石橋山古戦場」、箱根町の「箱根神社」、湯河原町の「城源寺」「しとどの窟」などに多くの来訪者が訪れることを期待します。