昔取った杵柄 | フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

フォークシンガー「おだしょう」〜夕暮れ時は楽しそう♫

若い頃に戻りたいなんて、全然思いません。人生は夕暮れ時からが楽しい。
音楽を通じて、出会った素敵なエピソードを綴ります。



今日の午前中は、担当圏域の公民館で高齢者福祉の出前講座をやった。


公民館や集会所などで地域の方々にお話をするのは、一つのライブ活動だと思ってやっている。


フォークシンガーとしてのライブと、仕事でやっている講座は、共通点がたくさんある。


自分の場合、ライブの時もなんだけれど、一人に絞って近くにいるお客さんに話しかける。言い方は不適切かもしれないが、トークの一部でその方をネタにすることもある。


今日、その役を担ってくれた方はとてもノリがよく、こちらのアドリブにもポンポン応えてくれる。こうした方は頭の回転が早く、もともと人相手の仕事をしている、もしくはしていた方が多い。


その方に職業を聞いたら…


かつて自動車学校の教官を長く、定年まで務めていた方だった。


自動車学校の元教官。確かに人相手である。しかも車の運転といった危険を伴う場面で、いろんな教習生に臨機応変に対応しながらも、適切な指導をする立場。


これはとても難しい仕事だ。


プログラムを終えたあと、ネタにした無礼を直接詫びた。ところが、もっといじって構わないとその方は言う。


これは脈アリだ!


今回の企画をしてくれた公民館の職員と一緒に、その方をフィーチャーすることに思いを巡らせ、一つの結論が出た。

 

この地域は交通インフラが都心部ほど整っていない。地域柄、自動車の運転が出来なくなると、直ぐに社会的不利を背負ってしまうことになる。


だから…高齢になっても安全に運転するための心構えや技術はもちろん、この地域の中で交通事故につながるような危険な箇所をピックアップして、ここはこんなふうに気をつけて運転する!といったお話を、元教官にしていただくという企画を思いついた。


それだけだとハードルが高いかもしれないので、僕の音楽レクリエーションとのコラボという企画。


これまで医療や法律の専門職とコラボしたことはあったが、こんなのは初めて。


仕事として、誇りを持って長くやってきたことを、自分の住む地域の住民に還元するという場面に立ち会える。


もう、考えただけでワクワクする。


元教官にこの話をしたら、最初は何を今さらっていう顔だった。けれど僕らには決して出来ないことだし、何より交通安全のため。それに専門的な知識のある、地域の方からのお話が一番効果があるから!と頼み込むと…。


「しょうがねえな〜…それなら資料作るわ」と、笑顔で応えてくれたのだった。


昔取った杵柄!ヽ(^o^)丿