こんにちは、看護師のお団子です。

今回はヘルスリテラシーについて、書いていこうと思います。


ヘルスリテラシーという言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

私も実は無かったのですが、自分の伝えたい内容を調べたら出てきた言葉です。


東京都医師会のホームページによりますと、

「ヘルスリテラシー」とは、健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力のこと。

ヘルスリテラシーを高めることは、病気の予防や健康寿命の延伸につながります。

とあります。


ここで出てくる健康寿命とは

健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。


昨今では健康寿命をより長くしようと、国全体としても施策がなされ始めています。

できる限り生活に何の制限もなく、元気に生活出来れば一番いいですよね。

皆さんも健康について気になることがあれば、新聞や雑誌、テレビ番組から情報を得て実践してみたり、活用できる方はインターネットで調べて実践する方もいらっしゃるかと思います。

最近ではその需要も高まっているため、テレビ番組や雑誌等でもよく取り上げられるようになりました。


ここで質問です。

普段から健康に関する情報収集を行っていますか?病院で先生に質問したことはありますか?病院の医師が1から10まで説明していると思いますか?


これは病院で実際にあった患者さんの話です。

調子が悪く、精密検査をして、がんと診断された患者さん。治療の方針としては、化学療法(抗がん剤)を行い、がんを小さくしてから手術をしてがんを取り除きましょうと医師から説明をされました。患者さん本人は看護師の娘さんと一緒に話を聞きましたが、治療する意思はないにも関わらず、娘が受けて欲しいと思うのならと、治療を受けると決めました。(このとき、娘さんはお母さんの意思を尊重するつもりで、特に治療を受けて欲しいとは一言も言ったことがなかったようです。)娘さんはお母さんに副作用症状がつらいと聞くけど、それでも治療を受けるのかと聞きました。その患者さんは、それでも治療を受けると言ったそうです。しかし、先生から化学療法の副作用症状についての説明がなされておらず、抗がん剤での治療が始まって、副作用症状がつらく、こんなはずじゃなかったと娘さんに嘆いたそうです。


皆さんはどう感じたでしょうか。娘に任せきりで後から文句を言うなんて、娘に対してひどいお母さん。治療を受けたくないなら受けないとそう言えば良かったのに。そもそも医師の説明が不十分なのが悪い、患者さんが可哀想。色んな思いがあると思います。私はどの思いも間違っていないと思います。

しかし、患者さんのヘルスリテラシーが高かったらどうなっていたでしょうか。娘さんから言われた副作用が本当に出る可能性があるのか、治療中でも自ら医師に質問することができたのではないでしょうか。

がんと診断され、治療の対象となる場合、化学療法や放射線療法、手術などを提案されるのが一般的です。なんとなく知っていても、具体的なことまではわからないですよね。どのような効果があり、デメリットはどんなことがあるのか。慎重な方は同じような治療をされた方が治療後、どのように過ごされているのか気になる方もいるのではないでしょうか。

そういったことをすべて調べてから治療に同意してもいいのです。もちろんその間にがんは進行していくので、多くの時間はかけられませんが。

しかし、なんとなく治療を受けた方がいいのかな?で、治療を受けるよりも治療のメリットとデメリットをきちんと把握した上で治療を受けるのとでは、その後の気持ちの持ちようも全く変わってきます。


例えば化学療法には副作用が多数存在します。吐き気や脱毛は有名ではないでしょうか。しかし、少し調べると吐き気は事前に吐き気止めを飲んだり、注射したりすることで抑えられることが分かります。また、脱毛に関しては医師や薬剤師に治療前に脱毛が起こるかどうかや、脱毛の程度などを確認しておくことも必要です。先にウィッグや帽子などを購入しておいて、脱毛が起こる前から外見の変化に備えることで、いざ、脱毛が起きた時にショックを受けたとしても、受け入れるまでが早く、準備していれば慌てずに済みます。

備えあれば憂い無しというように、先回りをして準備をしておくことが必要です。


化学療法を行い、手術で全て取り除ければがんは完治ということでホッとしますが、全てのケースがそう上手くいくとは限りません。

そもそも化学療法でかなりの体力が奪われます。化学療法開始から1週間程度で、疲れやすさやだるさ、食欲不振や嘔吐、下痢なども引き起こします。また、口内炎や胃もたれが起きたり、味覚障害が出現して、食事が美味しく食べられないこともあります。

化学療法を終えて検査でがんが小さくなったことを確認できても、そこで終わりではありません。その後の手術に耐えうる体かどうかはまた別の話です。化学療法を終えてやっと手術、という段階で気づけばベッドにいることが多い生活になっている方もいます。

食事もまともに取れず、体力、筋力、共に落ちている状態で次にくるのは手術を受けるための検査です。そしていよいよ手術が待ち構えていますが、手術によって体力、筋力は更に落ちます。失った体力を回復して手術に望まなければなりませんが、簡単ではありません。手術にも合併症のリスクがあります。

また、退院した後も定期的に通院し再発していないかなどの経過を見ていく必要があります。


私は看護師としてがん患者さんを多く見てきましたが、ここまでの経過を想定していた方は出会ったことがありません。もちろん、医師も患者さんのADLなどを考慮した上での治療を提案しているはずです。

その一方で、残念ながら医療はビジネスです。

検査や治療は病院にとって、お金になります。不必要なことを患者さんに提供してお金を稼ぐ、そんな悪い医師も残念ながら存在します。


治療をこれから受ける本人にとっての、メリットとデメリットを天秤にかけ、時間とお金をかけてすべき治療や検査なのか、立ち止まって考えるべきです。

医師には説明義務があります。しかし、医師からの説明を待つだけでは受け身です。

また、残念ながら先ほどの医師のように、メリットしか話してくれないような医師も存在します。基本的にはその都度説明をしてくれるはずですが、更にがんが進行して転移の可能性や、化学療法で体力が落ちていくことまではあまり説明されていないのが現状かと思います。(そんなネガティブなことを伝えたら医師にとって、治療してくれるはずの患者さんが減ってしまいます。つまり、病院の収益が減ることと同じです。)

だからと言って医師も暇ではありません。何でもかんでも質問するのではなく、ある程度調べて分からないことを聞く。そういった姿勢も、今後治療を受ける側は求められると思います。これは、自分や家族の命と健康、そして生活を守るためにも必須になってくると思います。


1番大変なのは治療を受ける方自身です。

治療を受ける側も十分な準備が必要ではないでしょうか。


まとめです。

①ヘルスリテラシーを向上させる

②医師の言うことだけを鵜呑みにしない

③自分が治療を受ける際には、同意する前によく調べる

④分からないことは調べてから医師に聞く


ヘルスリテラシーについては以上です。

がんの治療の現実については、またの機会に深堀りして書いていこうと思います。