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飲む理由に事欠かない世界に住めて本当にラッキ(ry


Atlanta Voice


産経新聞のサイトに田母神前航空幕僚長のインタビューが出ていたので、読んでみた。

ニュースになった直後から、彼と彼の論文に対する政府見解や、処分には違和感を感じていたので興味があったのだ。


ついでなのでネットで調べると、意外にも簡単に、例の論文を全文読むことができた。

この手の歴史観に興味がある人にとっては、わかりやすくその概要をサマライズした文章であり、目新しい価値観や歴史認識の方向性を提示するものではない。

ただ、別の歴史観を持つ人々にとっては、きっと言語道断な内容に映るのだろうなあ、と想像がつく。


田母神氏を否定する報道の中、彼を肯定的に捉える声も実は結構ある。しかし、これらは能動的に調べていかないと気付きにくい。いかにメディアが一方的なものかを物語る例だ。


正直言って、普段の僕のアティテュードからすれば、不必要に高いテンションで田母神氏に賛同を示すことをしそうなものだが、まあ、こうした話題は熱くなればなるほど、違った見解を示す人々に内容を論理として受け取ってもらいにくい事は、僕の少ない経験からもよくわかる。

なので、ちょっと落ち着く。

言いたいことはあるんだけど。


別に今の世界や自国のオーダーに絶対の信頼を寄せているわけではないけれど、こうしてシステムの中で生きていて、その中で自己実現を行なえる可能性を感じているなら、ある程度システム自体を大枠で肯定しないと、生きていくのは困難である。

例えば民主主義、表現や思想の自由、これらは政治の中身ではなくて、あくまで守るべきルールである。

フットボールで言えば、「手を使ってはいけない」とか「オフサイドはダメだ」とかいうのがそれにあたり、その上でどんな試合(政治)をするのかは、チームの戦略やプレイヤーの実力に左右され、結果は千差万別となる。

このルールに激しい疑問を感じ始めると、結構辛いものがある。

だから、一応OKということにして、僕は生きている。


田母神氏の論文内容は、試合内容に影響を与える可能性の高いものだった。ことに国際試合に。

日本というチームの現在の戦略上の条件となっている、内部的な規約を揺るがすものでもあった。


細かい内容については専門家じゃないので詳しく言及しないけれど、僕が思うに彼を力ずくで押さえつけるのは、完全に表現や思想の自由を無視した行為だ。

シビリアンコントロールを掲げて反発する人もいるようだけれど、別に彼はその思想を彼の仕事に持ち込もうとしたわけではない。その辺の分別はきっとよくわかっているのだと思う。

なんせシビリアンコントロールを最前線で感じる職業なのだから。


自衛隊の規律違反に対してはもちろん処罰されるべきであろうけれど、職を辞さなくてはいけないレベルの罪であるとは到底思えない。

より上位にあるルールを侵しているのは、政府の方であるような気がする。

まあ政府も、ご近所の国々ともうまくやっていかなくてはならない使命を背負っているから色々ご苦労なのはわかるんだけど。


ルール違反の話以外に、論文の内容の話があるわけだけど、やっぱり細かくは書かない。

世界の見え方はどうやら本当に多様で、違った見方をする人と話をするのは本当に大変なことだ。

そこを避けて仲良し、っていうだけでなく、お互い尊重しあえるのが成熟した関係性、というものだと思うのだけど、ま、未成熟な僕が言ってもあまり説得力がないかもしれない。


ただひとつ理解しておきたいのは、「見方」は「教育」によって作り上げられるもので、さらに「教育」の内容や方法論は「政治」に少なからぬ影響を受けている、ということである。

外も、自分たちの周辺も、疑うモノだらけで、本当に疲れる。

だからとりあえず酒でも飲もう、って話になるのである。


<絵:先日訪れたジョージア州アトランタにて、オバマ氏の当選を伝える地元紙を持つティプシー気味な筆者。アトランタはマーティン・ルーサー・キングJr.のゆかりの地でもあるので、史上初の黒人米大統領との関連で、テレビでは多くの特集番組が組まれていた>