銀河縄文人・夏至著のブログ -2ページ目

ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』第四章 天の岩屋

ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』


第四章 天の岩屋


銀河縄文人・夏至著のブログ


大和国 千塚郷 一ノ谷 天龍山 安國寺

祖父が建立した、日蓮宗のお寺である。

その天龍山には、幾つもの岩屋が存在した。

巨石を巧みに積み上げた、横穴式の岩屋群。

部屋は小さいモノでも四畳半くらいで、大きなモノは八畳くらいもあった。

お寺近くの道ばたにも、朽ち果てた岩屋が散在していた。


母に連れられて行くお寺にまでの道のりでは、


いつも横目で岩屋の入り口を見ていた。

一見こんもりとした小山のような外観で、


入り口の大きな岩だけが見えている。

遠目でも、岩の入り口の奥は薄暗いのだが広さを感じる。


銀河縄文人・夏至著のブログ


氣にはなっていたものの、入ってみようとは思ってもいなかった。


ところが、耳寄りな話を聞いてしまった。

山の麓の岩屋の中からは、黄金の剣が出土していると・・・。

『どこぞの博物館に・・、ホンマモンがちゃんとある!』

そのことが、子供心の好奇心に火を着けた。

古代の秘宝、それも日本の古代史を揺るがした聖なる秘宝。

村の語り部によると


叔母の大和姫が大和武尊に草薙の剣を受け渡しした聖地。

ワクワクする夢の風船が、心の中で爆発しそうに膨らんだ。

『秘宝探しの探検、それもホンマモンや!』

その当時、心の中ではすでに秘宝を発見した氣になっていた。

お寺に行く度に、一人ででも幻の塚を追って山中を探検して歩いていた。

小学4・5年生のころか、同級生を誘って『秘宝探しの探検』が始まった。

興味の発端はこのような経緯で始まったのだが、


岩屋に意識を向けたことから只ならぬ展開になっていった。

「おじいちゃんの山に、ホンマモンのお宝が在るそうやねん」

「ホンマモンのお宝ってぇ~?」

「なんやらぁ~伝説の塚がぁ・・、あるゆーてたでぇ~」

「伝説の塚ぁ~?」

「長塚(ちょうづか)とか、経塚(きょうづか)とか言うてたわぁ」

「なんやのん?それ?」

「その塚があいたら、古代の秘密がいっぺんに解けるそうやねん」

「古代の秘密ぅ~?」

「世界の宗教が、一つになるねん!」

「なんで世界の宗教がぁ~、一つになるねん?」

「おじいちゃんが、そう言うてんねん!」

「・・・・・」

「とにかくぅ~、どえらいお宝がぁ~、隠したぁるねん!」

「どえらい・・、お宝がぁ~?」

「おじいちゃん等も、真剣に探してはるねん」

「ほんまかぁ~!?」

「そんでや、オレ等もぉお山に宝探しの探検に行こうやぁ~」

「なぁ~るほどぉ~よっしゃ~、みんなで行こかぁ~!!」

かくして、『秘宝探しの探検』は始まった。

第五章に・・つづく・・

ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』第三章 内面探求の始まり

ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』



第三章 内面探求の始まり


『いったい、この身に何が起きたというのだ』

交錯する思いは、スパークと消滅を繰り返していた。

当時信頼を寄せていた、古神道霊術の先生にも言えないでいた。

未熟さを氣取られたくない思いが、心の中では先行していた。

日々かよう道場では、目の前で神秘現象が氾濫していた。

幾ばくかの期待をよそに、己の欲するモノに困惑していた。

道場では先生が手をかざせば、


祖先の霊や過去の霊が多くを語る情景が繰り広げられる。

ある霊は懇々と切実に、懺悔や後悔を涙して語る。

しかも施術を受ける本人自身が、


あたかも第三者であるかのように涙して語る。

その祖先が語る内容を吟味して、


今の時代背景での裏付け確認がされていく。

この現代の誰もが知り得るはずのない、


摩訶不思議な過去の真実を語ったりする。

そこで聞きただされた話の内容で、


秘密のはずの個人情報が明かされていく。

霊の存在を確信できうる情景に、


宇宙に存在する真実の姿を垣間見る思いがしていた。

霊を諫め・正し・導くその見事な姿は神々しく、


そのときはこれが聖なる技術だと思えた。

学生時代にもてあます、あらゆる時間をそこに注ぎ込んだ。

その先生に傾倒し、


金魚の糞のようにまとわりつく姿はさぞかし滑稽に見えていたかと思う。

しかしそのときの切実なる思いは、


他人の目を氣にする余裕すらなかった。


修検道場で繰り広げられる『霊魂』の実態をつぶさに観察しながら、


内面にある霊的恐怖を探索した。

遠い過去に遡り、何時その霊的恐怖を認知したかを探り出していった。

得体の知れない恐怖心が芽生えた頃はと、


時空を遡っての探検が始まった。

幼少期、


小学校に通い始める頃までは祖父の実家で家族達と共に暮らしていた。

祖父は隠居所で長男家族は母屋で、


我が家は離れのようなこぢんまりした一軒家。

そこで、御産婆さんにて僕は生まれた。


銀河縄文人・夏至著のブログ  お堂



中庭の真ん中に大きな池があって、赤い太鼓橋が架けられていた。

我が家のお隣には15坪ほどの、神社のようなお堂があった。

僕が生まれる数ヶ月前に、そのお堂は建立されていた。

母方の祖父は刀鍛冶職人から鉄工所を起業し、


霊感の発現を得て出家し僧侶になった人だった。

そのお堂は、祖父が自宅庭園内に建立した独自の修行場所でもあった。

霊場を転々と修行し、滝行にも明け暮れ荒行に秀でていたようだった。

後に改宗して、日蓮宗の僧侶の資格を取り霊山にお寺を建立した。

記憶ファイルの断片だが、祖父の談によれば。

「持国天が、毎晩夢枕に立って・・・」

「持国天は東の守護、真東の位置に霊場が位置した・・・」


大和国 千塚郷 一ノ谷、龍神祭祀の源流場所ともいわれる。

関西の霊場の奥の院で、秘密の滝行の場所。

あの『大和龍王の碑』がある、超古代からの特殊な場所。


銀河縄文人・夏至著のブログ  大和竜王の石碑(奥の院)


古くはナガスネヒコ が東北に逃れるに至まで、


最善をつくし死守した場所とも・・・。

そののち倭姫命 が御神体を携え、
伊勢に至る出発点だったとも・・・。


「そこに導かれて通い、


後にその場所にお寺を建立する経緯になった・・・」

十歳の頃か?、そのお寺でのひとこまが甦ってきた。

夕暮れ過ぎた時、何故か祖父と二人だった。

お寺から下山しながら、駐車場に向かう沢沿いの小道。

左側が小さな沢、


右側は石垣の一段上に植木屋さんの小奇麗な植木が並んでいた。

何故どうしてか、祖父は日本刀を持っていた。

今に思えば、数十メートルほどの道のりなのに。

日本刀を持ち歩くとは、尋常じゃ無かったのかも知れない。

そして、不思議な事を言っていた。

「狸や狐に、騙されたらあかんよ」

どうやら祖父は霊的な狸や狐の事を話している、


それらしいことは理解出来ていた。

「みたこと、あるの?」

「みたこと、あるよ!」

「ほんまに、おるの?」

「ほんまに、おるよ」

「・・・・・」

「どうすれば、ええ?」

「南無妙法蓮華経と、唱えるだけで大丈夫や」

「南無妙法蓮華経・・・」

心の中でも、呟いてみる。

「見えたら怖いやん、聞こえたら怖いやん」

「何が怖いねん?千載一遇のチャンスやないか!」

「え・えぇっ?」

「せっかく出てきてくれてはるねんから、その人からよー話聞いてみな損やでぇ」

「は・・、話聞いてみるぅ~?」

「そうや、あの世のことは、あの世の人から聞くのが一番や」

「怖ないの?」

「怖いもんか、身体が無いだけで同じ人や。


見得へんからって、怖がる必要はないんやで」

「・・・・・」

「見えたり、聞こえたりしたら、ありがたいことや」

「見えたり、聞こえたりしたら、ありがたい?」

どうやらこのころに、観たくない・聴きたくない思いが芽生えていたようだ。
祖父は霊魂の語る話を聴いて、対処していると話していた。

その祖父が、突如日本刀を抜き放ち身構えた。

右手石垣の植え込みに向かって、エイヤーと斬りつけていた。

祖父の突然の行動に、驚いた。

祖父の突発的な行動には驚いたが、霊的な怯えは無かった。

『なんや、おじいちゃんも恐がりやん』


などと、暗闇にも不思議に怯える様子は無かった。

『あんなにぃ、よその植え込み荒らして大丈夫かな?』

日本刀を振り回していた祖父を、可愛いとも思ったかも知れない。

しかし、その深い配慮を知らないでいた幼い姿であった。

幸い子供心は、見えたりする怖い思いをしなかったお陰で助かっている。

それにしても、あのときの祖父の行動は不可解だ。

『南無妙法蓮華経』と、唱えるだけで大丈夫と話していたのに・・・

いったい何があったのか?

今は聴く術もなく、亡き祖父のその手がかりを探し記憶の断片を追う。

その当時は狐憑き・蛇憑きなど言われた症状の人達が、


祖父の元に相談に来ていた。

祖父は隣のお堂で、その人達の憑依を解消していた。

憑依した霊魂を追い出すのではなく、改心させ成仏させていた。

その冷静な対応をみて、


霊魂に対するおそれは無いのだろうとは思っていた。

『では、祖父は何に対しての防御的行動をとっていたのだろうか?』

えもいえぬ恐怖の正体を知る手がかりが、少し見えた氣がした。

『南無妙法蓮華経、・・・・・・』。

第四章へと・・・つづく


ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』第二章 洞 窟

ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』

第二章 洞 窟


銀河縄文人・夏至著のブログ   銀河縄文人・夏至著のブログ


老婆は語り続けていた。

「滝の下の洞窟はな、地底奥深くと続いているのじゃよ」

「洞窟の奥は、どのくらい深いのですか?」

「一つの洞窟は熱海の方まで通じていて、


もう一つは飛騨の高山にまで通じているのじゃよ」


「えっ!トンネルみたいに行き来出来るのですか?」

今に思えばにわかに信じがたいことだが、


地底に通路があるかのような話だった。

仙洞とは、洞窟なのにトンネルのようにどこかに通じているという。

その通じている先が、仙洞御所。

そこには『法皇御所帳』があり、


かつての聖雄・聖者達は名前が記されているとか。

その、本人達の署名が記してあるのだとか。


シャンバラのような異次元空間が、実在する世界として存在するのか?

御神霊(?)と出会える、特別な場所なのか?

老婆の語った言葉の断片を思い返しては、


奇妙な好奇心を募らせることになった。

帰ってきてからは、目に付く本や手に取る本もその類のモノばかり。

その手のアンテナの性能が、一気に数段向上したような気分だった。

そこに対する好奇心の度合いは、爆発的に高まってしまっていた。

しかし、不安があった。

あの洞窟に、はたして一人で入る勇気があるのかだ。

洞窟には、そこを守る巨大な蛇が居るという。

『きっと、龍神様のことだ!』

などと、勝手に決めつけ、思いこんでいた。

判らないことにたいしては、


覚えている狭い知識で当てはめてしまっていた。

『とにかく、怖いのはいやだ』

内なる直観は、そう告げていた。

この湧き起こる不安な恐怖に打ち勝てて


一人だけではとてもまだ入れないと思った。

『聖なる旅を怖れるのか、勇気を出して進むのか?』

自問自答が、心の中でこだまする。

この手の恐怖に打ち勝つ術を、こころが未熟でまだ知らなかった。

ほとばしる好奇心だけでは、その未熟さを補う技にもならなかった。


そのとき、これはきっと『神試し』なのだと思った。

存在に『試されている!』と、思った刹那。

何をどういう風に思っているのかを、逆に検索された気分だった。

再びあそこに行くまでに、


この課題を解決しておかなければならないと思った。

『そう簡単に、この恐怖心がとれるのだろうか?』

不安がよぎる、しかし内なる直観は。

『大丈夫、いちはやく行くことだ』

と、告げていた。

『一刻の猶予も無い!』

そんな切迫した重々しい『氣』が、内側から沸々と湧き上がってきていた。


せ来る恐怖に打ち勝てる、


霊的防御の方法はないのかと考えあぐねた。

おざなりなお守りなどの類では、とても効きそうには思えない。

意識を逸さず直視するべき、自分自身の内的問題だった。

己の魂を浄化し霊層を引き上げ、


高次の意識になっていなければ無理なような氣がする。

何か得体の知れないモノを怖れている、気弱な自分が歯がゆく思えた。

その本質を見極め得る、動じない強い心にもなりたいと念じた。

だが何処に向かって、何に祈り念じているのか?

つかみ所のない虚無な時空間を、むなしくあえぎ泳いでいるようだ。

この問題は、明らかに自分自身の意識の中での問題なのに。


外に答えを求め外からの働きかけを期待する、


逃げ腰な一面も認識に出た。

解決の糸口を見いだせぬまま思いは立ち止まり、


悶々と苦悩する心が意気を消沈させていく。

あの洞窟に入ってみたい衝動とは裏腹に、


心の前で立ちふさがる恐怖の扉を開き得る思い方に至れないでいた。

どう思えれば良いのか?

どう思えることで、


その心境に至れるのかと真剣に向かい合う日々が続いた。


何れにせよ、相当な覚悟を持って望む事になりそうだと予感した。

まるで意図されていたかのように起きるその背景には、


その試みに託された壮大なテーマが潜んでいた。

このことに、こんな心の秘密が潜んでいたとは思いもつかないことだった。


ささやかな入門儀礼の試練としては、


とても小さなハードルだったのかもしれない。

しかしそのときの幼い意識では、とても大きなハードルに感じていた。

とらえどころのない見えぬ恐怖の影に、怯えない信念が必要だった。

動じない強い確固たる、想念力と魂意力の発動を渇望した。

それも、


内面から湧き出でて来なければ意味を成さない事も承知していた。


心の中に巣くう暗黒の闇を、照らし出せる高貴な光を要望した。

神の光の灯火を、


自分の中でいかにして発火させるのかと試行錯誤が始まった。

照明の光では洞窟の暗闇をなくせるだけで、


心の中に芽生える恐怖はぬぐい去れない。

魔物の威力を封印・抹殺出来うる、


聖なる光の技をも授かりたいと熱望もした。

この与えられた命題は、


今後の運命を大きく左右するだろうことも予見した。

とても重要な分岐点にいるという緊迫感が、


高ぶる意識を冷静にしていった。

『この肝試しは、命がけだ』

内なる直観は、冷静にそう告げていた。

身体は無意識に、体験のない武者震いを始めていた。


第三章へと・・・つづく


ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』第一章 序幕 神秘体験

ミスティック・ツアー『真実への扉は何処に』


第一章 序幕 神秘体験



銀河縄文人・夏至著のブログ 銀河縄文人・夏至著のブログ


旅の日記を書くにあたって、


その行った場所についての説明のつもりが・・・


書き始めてみて、何故かこのような形になってしまったのです。

それはこの深遠なるミスティックな旅が、


もうすでに始まっていたことに気付いたからです。

そしてさらにそこで出会った出来事は、


簡単には言い表しきれないものを感じたからです。


この不思議な感覚が今なお続いていて、


これからの旅をもガイドしているかのように感じているのです。

生涯忘れ得ぬ体験を、なんとか書き留めておきたかったのです。

第一章 序 幕 神秘体験

そうあれは・・、もうかれこれ三十数年も前の事になる。

まだ大学生だったその当時は、縁あって古神道を学んでいた。

そこで出会った仲間達と、


伊豆半島の聖地巡礼に出かけた時のことだった。

車3台に分乗し、その仲間達と聖地巡礼先を移動中だった。

先頭を走るのは、案内役の少し年上の先輩達だった。

道先案内をされながら、最後尾を走っていた。

下り坂のカーブを曲がった時に、それは突然訪れた。

まるで髪の毛をわしづかみにされ、


引き寄せられるような感覚に襲われた。


このような感覚は、そのときが初めての体験だった。

運転中で動揺したが、引き寄せられるその方角にちらりと目をやった。

走り去るその景色の中に、


鳥居のような形をした朽ち果てた木造の門が見えた。

そこを通り過ぎても、その引き寄せられる感覚は続いていた。


動悸が高鳴り、特殊な興奮が湧き起こっていた。

それは、なにかとても重要な事のように思えた。

急ブレーキを踏んで引き返したい衝動を抑え、先輩達の車を追った。

坂道を下りきって少し道幅が広くなった処で、


スピードを上げて先輩達の車を追い越した。

クラクションを鳴らしながら先頭に出て、車を止めてもらった。

自分に起きた不思議な出来事を話し、


懇願してその場所に行きたいと説明をした。

リーダー格のその先輩は、


霊的な場所や霊的な事はまだ避けるべきだと危険性を主張した。


未熟な霊的対応は、初心者には危険だと説得された。

しかし、この不思議な感覚を確かめたいと思う熱意を必死に訴えた。

ようやく先輩を説き伏せて、


なんとかみんなでその場所を探索することにできた。

高鳴る心を抑えながら、踵を返してその場所に戻った。

車をとめて、


みんなを案内するように先頭に立ってその朽ち果てた門をくぐった。

その領域に、二三歩足を踏み入れたその瞬間。

目の前の足下に、蛇が現れた。


思わず口をついて出た言葉。

「神様のお使いだ!」

と叫ぶように、口走っていた。

間髪を入れず、

「そう、それは神様のお使いじゃ」

と、突然現れたかのように老婆が左側に立って語りかけてきた。

慎重にその門をくぐった時には、人の気配は無かった。

そのはずが、瞬間的な老婆の出現だった。

一瞬肝をつぶしたが、何故か当然のことのようだった。

「その蛇はヤマカガシといって、ここの守り神じゃよ」

小柄な老婆はみんなをよそに、語り続けた。

二人のやりとりを横目に、先輩達は小道を上っていった。

「この上の滝の下に洞窟があり、そこに大蛇が居るのじゃよ」

「洞窟に大蛇?」

「そもそも此処は、


古くは『剣祖皇太神宮』といって錆びない剣が御神体なのじゃよ」

「錆びない剣?」

その言葉で脳裏に浮かんだのは、


竹ノ内文献に出てくる『ヒヒイロカネ』の事だった。

日本の古代秘史や、


神代文字の古文献に興味を覚えたての初心者には魅力的な話だった。


老婆はまるで観光案内のガイドのように、蕩々と語り続ける。

すでに先輩達は、かなり上の方に歩を進めていた。

老婆とゆっくり沢沿いの小道を歩きながら、


その語る不思議な話に引き込まれていった。

「その洞窟で、弘法大師さんは『いろは四八文字』を授かったのじゃよ」


「いろは四八文字?」

古神道の先生の話では、


弘法大師は仙洞で御神霊(言霊の神様?)から


直接『いろは四八文字』を授かったと聞き覚えていた。


京都御所の中にも仙洞御所があるのだが、


そことは違う場所だと聞いていた。

『まさか、此処がそうなのか?』

心の中での言葉に、反応するかのように老婆は話を続けた。

「その昔盗難にあって、その文書はもうないのじゃよ」

残念ながらその証拠は、今はもう残ってはいない事が惜しまれた。

「だが、錆びない剣は無事じゃった」

「えっ?今もその剣は此処にあるのですか?」

伝説の『ヒヒイロカネの剣』が、実在しているかの話に興奮した。

ほどよく上ると、少し開けた処に小さな草庵が建っていた。

どうやらその老婆は、此処に住んでいるようだった。

「上に滝がある、登ってきなされ」

すでに先輩達は、その滝の処まで上っている様子だった。

老婆に見送られながら、草庵の前の小さな石の橋を渡った。

その橋は、別世界への入り口のようだった。

ここから特別な世界、という印のようにも思えた。

見上げると、巨石が沢を埋め尽くしているかのような景観に驚いた。

超古代の遺構を彷彿させる、見事な巨石があちこちに積み重なっている。


その巨石を縫うようにして、沢沿いの危なげな小道を登っていった。

あまり人が踏み入れていない様子の、その小道も不思議だった。


ふかふかの苔が張り付いている巨石群をすり抜けながら、滝を目指した。


丁寧に積み上げられた石垣の上に建つ、古びたお堂が見えてきた。

その後ろには、見上げるほどの岩壁がそびえ立っていた。

登り切った処に、岩壁に沿うようにそのお堂は建っていた。

一六畳ほどの板敷きの古びたお堂は、


人が来ている痕跡を感じさせない佇まい。

その右奥に、大きな滝があった。

10mほどの滝は、霧雨のような優しい水を落としていた。

一見岩壁から落ちている感じの滝だが、


よく見ると巨岩が積み上げてあるようにも見える。

先輩の注意をよそに、一人で滝の中までいってみた。

霧雨が滴り落ちているようなその滝の真下は、


清々しい氣が流れ通っていた。

滝行のために設えてあるかのような、平らな岩の床。

その上に立ち、衣服が湿る程度の滝に打たれてみた。

なにか、懐かしいものがこみ上げてくる。

もっと『氣』を感じていたかったが、


先輩に呼び戻されてお堂の方へともどった。

お堂の前には、


岩壁の隙間なのか幅1mほどの入り口のような場所があった。

しかもその岩室の入り口だと思える場所には、


ぶ厚い岩の扉がはめ込んであった。

『天の岩戸だ!』

心の中の叫びは、声にも出ていた。


「まるで天の岩戸のようじゃないですか!」

この手の話には、みんなが興味を持っていると思っていた。

でも何故かあまり興味を示さ無い様子に、何かとても訝しく思えた。

それは、その岩の戸に『南無妙法蓮華経』と刻まれていたからなのか?

この文字は当然のごとく後代に刻まれたもので、


はるか古代には刻まれていなかったはずなのに。

ここは紛れもない古代遺跡だと、内なる純粋な直観は訴えている。

そそくさとその場を立ち去ろうとする先輩達の様子が、


なにか奇妙な行動に思えた。

好奇心旺盛なタチなのか、もっと調査したい衝動を抑えきれずにいた。

しかも、謎めいた老婆の話を聞いたばかりなのに。

ふと思いとどまって、老婆から聞いた話をみんなにする事を躊躇った。

『黙っていよう、話してはいけないように思う』

内なる直観は、そう告げていた。

あまりにも突拍子ない話に、ややこしくなることを本能的に避けていた。

みんなは自分たちが信奉する特定の神様だけの、


ただの信者だったようだ。

これを境に彼らとは、聖地巡礼などという物見遊山はしなくなった。

下山途中、


何に呼び寄せられたのかを反芻しながら老婆のいる草庵に戻った。

「また伺います。次に来るときには一人で来ます。


じっくりとお話を聞かせてください。」

滝の下の洞窟も入ってみたかったし、


なによりも呼び寄せられた謎が知りたかった。

快く承諾してくれた老婆は、嬉しそうな笑顔をみせてくれた。

別れ際にかけられた言葉が、妙に印象的だった。

「日の出の青年、頑張りなされ」

その言葉が、心の中でこだましていた。

第二章へと・・・つづく

李王朝の謎!古代縄文からの『勾玉』の秘技が伝わった痕跡?!

李王朝の謎!古代縄文からの『勾玉』の秘技が伝わった痕跡?!


何故、李王朝の王冠に、日本の糸魚川産での『翡翠製勾玉』が飾られているのか?



銀河縄文人・夏至著のブログ




銀河縄文人・夏至著のブログ

銀河縄文人・夏至著のブログ

銀河縄文人・夏至著のブログ

銀河縄文人・夏至著のブログ


最近の科学検査の結果、糸魚川産の翡翠と判明しました。


これは、勾玉を研究する上で・・、実に重要な意味を持っているのだと思っています。


かつて古代の日本では、皇位継承の印が『勾玉』でした。

古事記・日本書紀にも、その神話が語られています。

そして・・、皇室に現在に伝わる皇位継承の印も、『勾玉』です。

ですが、歴代の天皇すら観たこともない状況に、秘密裏に封印されてしまっていると僕は解釈しています。

そこで、天皇の王冠と比較してみました。

http://wiki.wowkorea.jp/?word=   冕冠 より



銀河縄文人・夏至著のブログ


日本の天皇が着用した冕冠は、よく“唐風の冠”と言われるが、実際は中国の冕冠とは趣が大きく異なる。


江戸時代の天皇が着用した冕冠(御物)では、天冠と呼ばれる金銅製透かし彫りの土台の上に、金属製の枠を置き、その端には前後左右各十二旒、計四十八旒の宝玉を垂らした。


また中国の冕冠と大きく異なるのは、冕冠前部から突き出た日章の飾りである。光線に囲まれた太陽の中には三本足の八咫烏(金烏)が彫り込まれ、その下には瑞雲の飾りが付けられた。


また頭頂部には火炎宝珠の装飾が取りつけられた。

仁孝天皇や孝明天皇が即位の儀に着用した冕冠が、宮内庁に御物として伝えられている。



銀河縄文人・夏至著のブログ


銀河縄文人・夏至著のブログ



銀河縄文人・夏至著のブログ


比較して、とても不思議に思います。

そして、琉球王朝の王冠です。

銀河縄文人・夏至著のブログ

銀河縄文人・夏至著のブログ


約7000年ほどの昔に、『勾玉』は創られたとされています。

それは、発掘された『勾玉』の年代が判っている範囲での話です。

実際には、どこまで遡れるのかは定かではありません。

新たな発見がされて、縄文土器のように常に年代が遡ります。

今現在最古とされている縄文土器は、1万2千年まえのものです。

ですが、また新たな発見があれば、その年代はさらに遡ることと思います。

さて、李王朝の王冠には明らかに皇位継承の印『勾玉』が飾られています。

日本の天皇は王冠には着けずに、璽・璽符・璽印として保管しています。

そして、どこに行動するにも、常にご一緒にあったはずの『勾玉』なのです。

天皇の即位に際し、この神器の内、鏡と剣のレプリカ及び勾玉を所持することが日本の正統なる帝として皇位継承の際に代々伝えられている。


三種の神器より    http://ja.wikipedia.org/wiki/ 三種の神器

いつのころからか、どうして重要な『勾玉』を封印してしまったのでしょうか?

歴史を観ると、前方後円墳などから多数発掘されています。

それも一斉に、時代的には短期間に集中してもいるのです。

その動乱の時代に、日本古来からの『勾玉』祭祀の方法が廃絶され、新しく創作された祭祀に変わったのだと思っています。

その査証は、名護博著「赤椀の世直し」にも記述されています。ご一読を。



銀河縄文人・夏至著のブログ


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/494653914X/mixi02-22/


縄文古来の神脈から、『勾玉祭祀』が外されてしまったのです。

そして・・、縄文の平和文明から、戦乱の時代へと移り変わってしまったのです。

李王朝は、その縄文古来からの平和的『勾玉祭祀』を継承していたのだと思います。

しかし、時代の潮流には逆らえず・・、戦乱時代にはこの『勾玉』祭祀は断絶したかのようにも見受けられます。

どなたか、李王朝の霊脈をもつ血統の方が、『勾玉祭祀』を受け継いでいるやも知れません。

今後の、研究の課題ともなりました。

さて、縄文時代といわれる、1万2千年間もの長期にわたる時代には戦争の痕跡もなく、武器もないのです。

縄文後期は、小氷河期の終わりころに当たります。

世界各地のシャーマンたちは薬草の調達に困り、温暖な日の出る国に往来したのです。

温和な縄文人は、優しくすべての人たちを受け入れ、不思議に教化していたのだと思います。

その痕跡の一部が、改ざんされつつも現代に受け継がれた古文献・神話なのではないでしょうか。

これらの謎を解く鍵の一つが、『勾玉』を調べるうちに徐々に理解出来てきました。

この続きは、改めて書きます。

さて、皆さんのご感想は如何でしょうか?


銀河縄文人・夏至著のブログ  自作の勾玉です。


精力的に『勾玉』を制作しています。