「あと40年描きます」――手塚治虫の言葉に、自分の生き方を重ねて考えた夜
浦沢直樹の『漫勉neo』手塚治虫スペシャルを観て
最近、NHKの『浦沢直樹の漫勉neo』を観ました。
今回は「手塚治虫スペシャル」。あの“漫画の神様”の創作の裏側や、人となりを浦沢直樹が丁寧に追っていました。
作画風景や作品への姿勢、何よりも圧倒されるのはその創造力と情熱。改めて「やっぱり手塚治虫はすごい」と唸りました。
でも、何よりも心に刺さったのは彼の言葉でした。あと40年ぐらい描きますよ、僕は。」
「あと40年ぐらい描きますよ 僕は」
これは、亡くなるわずか4年前、56歳の時に語った言葉。
実際には60歳でこの世を去った手塚治虫が、未来に向けてそう語っていたのです。
アラフィフの自分が思うこと
私は今、アラフィフ。
65歳の定年まであと十数年。できればもう少し早く仕事を辞めたいな、FIRE(早期リタイア)もいいな……そんなふうに考えていました。
でも、「あと40年描きます」と言っていた56歳の手塚治虫の言葉を聞いたとき、自分の考えが少し揺れました。
人間、いつ死ぬかわからない。
だったら、“先のために今を我慢する”という発想が、少しもったいなく思えてきました。
やりたいことを、先延ばしにしない
もちろん、生活のために働くことも、家族を支えることも大事です。
でも、心のどこかで「これをやってみたい」「もっと時間を使いたい」と思っていることがあるなら、我慢してばかりじゃダメなんじゃないか。
「いつか」「退職してから」と思っていたことを、少しずつ今やっていく。
会社にいるかどうか、仕事を続けるかは別として――「やりたいことをやる人生」に、今から少しずつシフトしていきたい。
手塚治虫の言葉が、そんな覚悟を与えてくれた気がします