続きです。本記事は、思いもよらなかった体験から、あ~よかっ

た~と思えるまでを書きたいと思います。


 コッティとユッティに「18日が最後の健診なのよ」と伝えたところ、

「ね~、今日(18日)か19の日に、赤ちゃん、生まれるよね~(*^-^*)」

という、返事が返ってきました。「えっホントなの??それって、

赤ちゃんが言ってたの?」と突っ込んでしまったおちょう。「うん、

おなかのあかちゃんがさぁ~、うまれるっていってるから」と。


 「・・・そうはいってもねえ・・・」と心の中では思ってしまったおちょう

でしたが、まさにその通りであった第四子出産。すごいなぁ~。


 おちょうに「気を付けて行ってきてね~」と子どもたちが送り出して

くれた時のことを、分娩室で何度もふと浮かんでは思い出して

過ごしていました。



 出産が近くなると胎動が落ち着くというような話をこれまでに聞い

ていたけれど、おちょうの第四子は全くそんなこともなく、夜も深まる

につれ、”ドスバスッグニョーン”とかなり右乳房下を蹴られまくりの

状態で、張りもすっかりと落ち着いてしまったようだし、このままじゃ

夜中は生まれないかなと何となく感じていました。


 分娩所要時間は、定期的な張りと余裕がなくなるほどの強い痛み

開始とともに陣痛発生スタート時刻として記録すると助産師さんに

言われましたが、今のが陣痛開始かと思いきやおさまってしまうを

繰り返しました。



 日付が変わるころ、医師3人がおちょうのもとにいらして、ただならぬ

雰囲気だとすぐに察知したのでした。


 「胎児の心拍が我々が危険ゾーンと判断する180超えの頻脈で、

そうかと思えば突然100を切る徐脈に落ちる・・・をこの1時間半位、

そんな状態です」「考えられることとして、入院時に○○さん(おちょう)

は、37.4度と熱がありました。子宮口が5センチ開いていたこともあり、

開いているうちに何らかのばい菌に感染した可能性も考えられての

発熱かもしれない。もしかしたら赤ちゃんが苦しいのかもしれない」

「これから採血と内診して分泌物を採取して急ぎで検査に出したいと

思います」とのことで、処置の為、夫はいったん分娩室から退出と

なりました。(少々風邪気味だということもい先生には伝えました)


 「採血は、場合によっては緊急手術になった時にも対応できるよう、

ルートの確保をさせてください」と左腕には輸血対応もできる長めの

針を刺され、ノッティの手術をしたときのことを思い出させる点滴

ラインが準備完了。う~、針が入っているところがそれにしても痛い

んだなあ・・・。


 「えっ、なんだって??緊急手術って???だって、内診ぐりぐり

したらすぐに良い陣痛がついて、すぐにでも出産開始になるんじゃ

なかったの?」「赤ちゃんが苦しいってどういうこと?」「この子は

いつも日付が変わるAM0時~2時ごろは、寝ていても胎動が激しく

て目が覚めてしまうくらいの元気さだったんだけど、今の状態は、

胎児の命が危ないってこと?????」一気に不安になりました。


 「帝王切開?」「輸血?」「吸引分娩」「鉗子分娩」「胎児の命が

最優先ですから」などなど思いもしなかった医師たちからの数々の

言葉に、一気に血の毛も引いてきて、いつの間にか、食止めと

水止めになっていたという。(帝王切開に備えての絶食ということ

だったようです。)


 そして、分娩台に横になり、腹部には胎児の状態を把握するための

モニター(NST)測定を朝まで続けるとのこと、とりあえず検査結果を

待ってから出産をどうするかを検討するとのことでした。


 AM1時ごろに結果がわかると言われ、夫とドキドキドキ・・・。


 心配されたばい菌感染については問題なしだという結果でしたが、

一応念のためとのことで、抗生剤の点滴開始となりました。


 そして、医師たちからは、赤ちゃんの様子を見ながら、その緊急時

に説明や手術の同意書を取るのではバタバタしてしまい、そういう

わけにはいかないので・・・と、さまざまな出産方法やその上で考え

られるリスクなどの説明とともに、プリントされた書類に署名を依頼

され、提出しました。


 分娩台に寝た状態でおちょう自身が署名したり、夫に代筆署名を

お願いしたりと予想もしていなかった体験をすることになりました。


 退院後の生活は、夫と子どもたちと協力しあって、これまでと

変わらぬ日常生活を送るつもりでいました。なんといっても

子どもたちの学校や幼稚園、習い事もあるので、特に義実家で

お世話になるつもりもなく、自宅にヘルパーさんを派遣してもらい

家事代行を頼むことも全く考えておらず、ユッティの時同様、退院後

はかなりセーブをしながらも即家事復帰のつもりでした。なので、

おちょう一家を回していくには、正直なところ帝王切開は困る・・・、

なんとか回避したいと思いました。


 先生からは「まずは児の命が最優先ですから」と言われ、

そんなに緊迫した状態なんだと、モニターが示している数値は

現実の話なんだと思うしかなく、しかしながら、児の胎動が激しい

時に頻脈で、寝ていると思われるときは、110~140台と正常脈に

落ち着いていると何度も必死で先生に伝えたりもしていました。


 毎晩、今の時間が一番活発に動いているし、ベビの気持ちを

代弁するとしたら、「まだお腹の中でまったりしたいから、本当は

今日明日には産まれたくないんだけど、骨盤にうっかり頭がセット

されちゃって、「しまった~これじゃ、そろそろ出ないといけない

じゃん」と、まるで地団太を踏んでいて、心拍が200台もたたき出して

いるのではないかとも思え、そんな声もどこからか聞こえてきた

ような感じでした。 


 先生には「お腹切るにしても、突然麻酔して私に断りなく切らない

でください」と、動揺をかくせず、思わず懇願してしまったおちょう

でした。



 同意書を提出し、緊急の手術に備えての術前検査が始まり

ました。


 詳しい検査をするために、点滴ラインの入っていない右腕から

再び採血。分娩台で寝た状態でのレントゲン撮影、心電図測定、

NST測定モニター装着のままの、腹部エコーと、真夜中の術前

検査。


 研修医の方にエコー診のやり方、見たいところの見方などを

指導しているベテラン医師。「背骨の方に添わせて、そこから

90度回転させて診る手法もあってね・・・」などと指導を仰ぎながら、

見たいところに超音波を当てたり、見たい部分をモニターに

映し出すのが難しそうで手こずっている研修医の方でした。


 「カラーのドップラーで、フロートは・・・」などと、おちょうはノッティ

の心臓をエコーで見ているときのことが浮かびながら、先生方は

児の心臓の様子を精細に把握しようとされているのがわかり

ました。


 心臓は問題なさそうだし、次は脳の血流を見ようとしている

先生方。でも、「骨盤にはまっているので、見えたら奇跡だな」等

と話をされていて・・・。「おっ、見えた?」


 かれこれ何十分もの間、そんなことが続き、先生からは、

「拝見してみて、赤ちゃんはとってもかなりお元気そのものって

いう感じですよね。僕らもそのように思います。エコーしていても

手がぶれるほど、ものすごくお腹動いていましたし。何よりも

苦しそうな感じには見えないです。朝までモニター観察して、

落ち着いているようだったら、早く赤ちゃんを出してあげることも

考えて、少しお薬を使ってみるのも手かなとも思います」と言われ

ました。


 先生方が仲間内でぼそっと「でも、俺ら、このモニターがたたき

出すことを信じられなくなったら終わりじゃん」とつぶやかれていた

ことがすごく印象に残りました(笑)。モニターが全てというわけじゃ

ないんですよね。


 

 AM3時半ごろ、とても喉が渇いたなあと思っていたら、助産師さん

に「お水だけは飲んで大丈夫」だと解禁されました。そして、「心拍も

落ち着いている状態が続いているので、朝までモニターも外して

いいそうです」と言われ、安心したのか、そこから朝まで分娩台の

上でグーグー寝たおちょうでした。立ち合い出産予定でそばに

いてくれた夫にも「お産が始まりそうでしたらすぐにお呼びに伺い

ますので、家族控室で仮眠を取って大丈夫です」と言われ、

夫は退室後、控室へ。



 朝になり、「モニターをつけましょう」と分娩室内の点灯とともに、

起こされたおちょう。腹ペコだったので、このままじゃもし陣痛が

来て出産になった時にいきめないのではないかと不安。


 モニターを見ていても胎動しているときは心拍が上がるけれど、

夜中の時のように高い数値がベースとなっているわけではないな

と、おちょうが見ただけでも気づきました。


 助産師さんとたわいもない話をしながら、検温、抗生剤の点滴、

採血、内診が終わりました。


 夜勤から日勤へ引継ぎされ、腹ペコであることを助産師さんに

伝え、先生から食事OKが出るのか、帝王切開の可能性が

回避されるかなどを聞いていただくようお願いしました。


 家族控室から夫が分娩室に入室して、一緒に回答待ち。


 食止め解除となったのですが、入院中の朝食が提供される時刻

を過ぎていたため、食事を売店等で調達してきてくださいと言われ

たのでした。


 夫に「何が食べたい?おにぎり?おすし系?サンドイッチ?」と

聞かれ、「おにぎりだったら、5~6個食べなきゃダメかも。揚げ物

メインではない、お弁当をがっつり食べたいかも~」とおちょう。

そうはいっても、夫がおちょうのために選んで買ってきてくれる

お弁当なら、本当はなんでもよかったりしたのでした。


 こまめに水分を摂りたいか聞いてくれたり、デザートは何が

食べたい?などと、本当に夫の心遣いが有難かったです。


 

 それにしても、お腹の張り、ちょっとは張るけれど、そんなに

きれいな間隔を刻む陣痛の入り口という感じでもないよな~。


 先生の朝の診察でかなりぐりぐり~と刺激されたけれど、

ここにくるまで刺激され過ぎて、慣れてしまったのではないかと

本陣痛が来るのか心配になったほどでした。


 でも、その本陣痛は、夫がチョイスしてくれたナイスなお弁当

のおかげで始まったのではないかと思っているおちょうです。


 続く→