東温市で中国鍼灸をする越智昭博のブログ

東温市で中国鍼灸をする越智昭博のブログ

中国の北京で5年間鍼灸の修行をしてきました。ただいま東温市と西条市を中心に往診治療をしています。

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ラーメンのルーツはやはり中国なのですが、北京でラーメンといえば「蘭州拉面(ラーメン)」です。

これは中国の西北地方の場所にある蘭州市を指します。

ここのラーメンは牛肉ラーメンで牛肉の淡白な部分の薄切りが数枚とネギ、パクチーがのかっているシンプルなラーメンでした。

スープはあっさり塩味で、飲んだ後のしめにすごくぴったりなラーメンです。

留学中、よくよく食べました。北京での思い出の一杯です。


拉面の「拉」は引っ張るという意味があり、北京のラーメン屋に行ってみれば茹でる直前に生地を両手で引っ張って伸ばし麺にしているのをよく見ます。ですから、ラーメンの語源は中国語の拉面と発音が似ているため日本ではカタカナでラーメンになったんだと思います。


ところで、北京には日系のラーメンの店が多く出店していて、北京でも日本のラーメンの人気ぶりがうかがえます。日系の店は上記の「蘭州拉面(ラーメン)」とは違い、日本にあるラーメンと同じですが、大きく違うことが北京にある日系のラーメンの共通点としてあります。それは、麺が超がつくほど伸びていることです。これは北京にある日系のラーメン店の共通点としてありました。友達と日本のラーメンが食べたくて、いくつかの店に行きましたが、麺が伸びていることにがっかりさせられたことがありました。結局、日本から持って行ったインスタントラーメンを食べたことを懐かしく思います。


脳性麻痺や癲癇発作の病気が鍼灸治療で効果がある思う人は日本ではほぼゼロだと思います。私も張先生の臨床現場を見なければ、そんなこと考えたこともありませんでした。治療頻度を短いスパンで時間かけて行えれば、驚くべき効果が診られたため紹介します。現場で初めから最後まで見させていただきましたが、現場の人間(鍼灸師)でさえまさかそんなことが。。。と思うほどでした。


某某   女   5歳    初診201212月○○

主訴:脳性麻痺(癲癇を伴う)


出生時難産により帝王切開。9ヶ月の時、立った時に両足が外反し、石家庄小児病院にて脳性麻痺と診断される。2歳の時ようやくハイハイができるがスムーズに動ない、上肢が軽く下肢が重い。座るときに安定性がない。常に涎が出ている。スプーンが持てるが箸は持てない。握ることができない。はさみ歩行。簡単な言葉は話せるが、話が滑らかではない。3歳の時に石家庄脳性麻痺按摩治療所にて按摩・埋没鍼、舌に鍼を刺す治療を1ヶ月行い、話すのが少し改善する。3歳半の時癲癇発作が現れる。

癲癇発作は月に45回。発作時の状況は口から白い泡を吐き、手足が痙攣し、意識はなく、目が斜めに向いている。大発作は3040分間、小発作は23分間ある。半年間某病院にて按摩療法を行い少し効果ある。話すことが少しはっきりする。



検査:両上下肢筋トーヌス亢進。膝蓋腱反射・アキレス腱反射亢進


<治療の手段と方法>

太溪、足泣、太冲、足三里、梁丘、市、伏兔、髀关、腕骨、外关、曲池、池、廉泉、大杼、风门、身拄、肝、脾肾俞、气海、枢中

※手足及び背部、喉のツボ


<治療経過>

治療を週に4日行う。

一週間後、遊んでいるときに活動制限に改善あり。筋トーヌスが少し改善。

二週間後、箸を持ったり握手することができる。

一ヶ月後、治療を始めて今まで癲癇なし。

一ヵ月半後、一回40分間の癲癇発作あり。

二ヶ月後、一人で寝返りができるようになる。

三ヵ月半後、よだれが垂れるのが減少、下肢の強直内反が少し改善。一人で寝返りが速くできる。


健康な小児と同じようにとまではまだまだいきませんが、顔の表情が豊かになり、手を握れるようになったり、寝返りを一人で打てるようになったりと普通の子では当たり前のことでもその家族にとってはそれができるようになればその喜びと感動は今でも目に浮かびます。もしそのような患者さんとの出会いがあれば、この経験を患者さんにお返しできればと思っています。




最近、ニュースで北京の大気汚染問題が話題に上がっていますが、これは北京の暖房事情に大きく関係があります。

実際、夏場と冬場で言えば圧倒的に冬場の空気は汚染がひどいです。その理由の一つが暖房です。

北京は一戸建ての家というよりはほとんどが高層マンションです。


北京では中国政府の号令でセントラルヒーティングが使用できます。

多くの高層マンションはある日から強制作動します。作動する日は毎年日にちが異なり、その年の寒さによって変わっていきます。

問題はこのセントラルヒーティングで使われる温水が石炭やを使って温めているため、その出た煙が北京市内にそのまま残り、スモークがかかっている状態になるのです。


5年間住んでいくつかマンションが変わりましたが、部屋によって建てつけが違い、部屋の温度が全然違っていました。ある部屋は、建てつけが悪いため部屋の中でも防寒着を着る始末。ある部屋は建てつけがいいため、部屋の中では半袖短パンでないと暑くていられない部屋がありました。少なくともマンションの部屋の建付けをよくすれば、マンション一つ一つの石炭を燃やす量が減り、大気汚染問題の緩和につながるのではと思いました。



中華料理の中で日本でも馴染みのある料理と言えば「餃子」がありますね。

北京では日本のような「焼き餃子」よりも「水餃子」のほうが一般的だったのに驚きでした。

お店でメニューを見ても餃子の種類で言えば圧倒的に「水餃子」のほうが豊富でした。


日本では餃子の具といえば、豚肉、キャベツ、白菜、ニラというところでしょう。


北京では

肉類:豚、鶏、羊、牛、エビ、卵

野菜:白菜、ネギ、ニラ、キノコ、トマト、ピーマン、大根など

餃子の皮:普通、ホウレンソウ、ニンジンなど

肉類一つと野菜一つの組み合わせで皮にもレパートリーがあり、日本では考えられないほどバリエーションが豊富なことが分かると思います。


北京でも家庭で餃子を作る風習はありますが、一日目は「水餃子」で二日目は残り物の「水餃子」を焼いて食べるようです。家庭では茹であがったものをすぐに食べ、冷めてしまった餃子は翌日の焼き餃子に回るそうです。

しかし、焼き餃子は中国では天津で有名なようです。


食べ方としては日本と同じようにお好みで醤油、酢、ラー油、ニンニクを混ぜて食べます。


中国に旅行行かれる方は是非本場の「水餃子」を食べてみてください。

中国では餃子を食べる時、人数分の餃子を頼みます。大勢で行けば、一度に多くの種類の餃子を食べることができすごく面白いです。焼き餃子と違い、さっぱりして、皮がつるっとして何が入っているかわくわくして食べられます。



悪心嘔吐は一日あるだけでも患者さんにとっては大きな負担になるが、それが毎日でかつ数年となればそれを考えるだけでぞっとするものだ。

今回はそんな患者さんの治験を紹介する。


張某某  女性  28歳  初診:20147月○○

主訴:悪心、嘔吐  3


2010年に頭痛で右側の上下肢の無力感を伴う症状が出現。北京天壇病院の病理診断にて血管奇形と診断され、入院すること1ヶ月余り経って全身にしびれがめぐり、左頭部内に腫瘍摘出手術を行う。腫瘍は約3×3×3である。2011年月経時及び夜間に悪心嘔吐が出現。嘔吐物は液体のみ。2014618日東直門病院で検査を行った結果、器質的異常が見当たらないと診断される。


現在、夜間時8090回の嘔吐(嘔吐物は液体のみ)、口の渇き、涎が多い、食欲不振、最近は麺や粥を食べる。体重減少、嘔吐が原因で熟睡感なし、疲労感、上下肢がスムーズに動かない、大便の乾燥感・兎糞状便(01回/日)小便良好。


舌:淡紅、舌尖紅、歯痕  苔:白厚


脈:一息五至  右沈弱


<治療手段と方法>

鍼:太谿、足臨泣、内関、神門、大衝、足三里、中脘、天枢、章門、気海、血海、風池

※手足及び腹部のツボ


<治療経過>

治療は週に3回行う。

治療3回目、吐かなくなるが、胃の不快感を感じる。

治療6回目、2日前に夜中5回嘔吐。

治療8回目、1週間嘔吐なし。

治療22回目、1ヶ月嘔吐なし。

治療23回目、月経が来て翌日の午後から次の日の朝まで70回嘔吐。

治療25回目、ここ数日嘔吐なし。


その後も治療を行い、月経がきた翌日のみ嘔吐が出ることが4カ月続く。

その後、家庭の事情により故郷に帰省される。


毎晩90回の嘔吐により、驚くほど細くなっていたが、治療を続け、月経時のみ嘔吐になることで体重が増えて患者さん自身も喜ばれていた。残念ながら月経時の嘔吐は改善見られなかった。

しかし毎晩ということはなくなり、西洋医学の治療では効果が診られなかったものが鍼治療で大きく改善し、鍼灸治療の可能性の一端を見ることができた。