1月の3年生クラスの実験テーマは、「水の三態②(自然の中の水)」でした。
前回は、物質の三態(固体・液体・気体)について学び、温度を変えた時の水の変化について調べました。
自然界にもさまざまな“水”が存在します。どんなものがあるでしょう?
「海に、川に……湖?」
それらは、水がどこにあるかの違いですが、水の姿にはもっといろいろなバラエティがあります。
例えば、空に浮かんでいるのは……
「雲!」
そうですね。そこから降ってくるものは雨、雪、雹(ひょう)、霰(あられ)。
他にも、露、霜、霧、など、数えだしたら切りがありません。
これらは、固体(氷)と液体(水)に分類されますが、気体(水蒸気)に分類されるものはありません。水蒸気は目に見えないから、特別な名前がつかないのです。
雲や湯気は気体のようなイメージがありますが、目に見えるということは、水蒸気ではなく、小さな水や氷の粒です。
やかんでお湯を沸かして、口から湯気が吹き出す様子を観察すると、出てすぐのところに湯気はなく、また、湯気が空気中に広がると消えていきます。
この「見えない」部分は、湯気ではなく水蒸気です。
物質が三態のどれになるかは温度によって変わりますが、自然界の水も温度によって姿を変えていきます。それを実験で再現してみることにしました。
まずは、雪の結晶づくりに挑戦!
ペットボトルに、加湿器からたっぷり水蒸気を入れ、中に釣り糸を垂らしてコルクで栓をします。これをドライアイスの中で1時間冷やすと……
「糸にトゲトゲがついてる!」
枝分かれした、小さいつららのような氷が見えました。おなじみの六角形ではありませんが、これも雪の結晶です。
続いては、雲を作る実験。
ペットボトルの中をぬらしておいて、線香の煙を少しだけ入れ、フタを閉めます。
ボトルを両手でギューッとつぶすと、ほんのりあたたかくなります(=断熱圧縮)。
その手をパッと離すと……
ボトルの中が、霧状に白く曇りました!
空気を急に広げることで温度が下がり(=断熱膨張)、水蒸気が水滴になったのです。
実際の雲のでき方もこれと同じ。あたたかい湿った空気が上昇すると、上空は気圧が低いために断熱膨張が起こり、水蒸気が冷えて水や氷の粒になるのです。
雲の素になる水蒸気は、海の水が蒸発して作られます。でも、海の水はしょっぱいのに、雨はしょっぱくありませんね。その謎を解く実験をしました。
食塩と青い食紅を溶かした“人工海水” をフラスコに入れてアルコールランプで熱し、出てきた水蒸気を氷水に入れた試験管で冷やします。
試験管にたまった水は、無色で、塩味もしません。
水を蒸留すると、溶けているものは蒸発せず、真水が取り出せることがわかりました。
「だから、雨はしょっぱくないんだね!」
自然の中の水が姿を変える様子を、さまざまな形で再現した実験でした