12月の6年生クラスの実験テーマは、「鶏の解剖②(丸一羽)」でした。 

(以下、鶏の全身や内臓などの画像がありますので、苦手な方は閲覧時ご注意ください!!

 

鶏を解剖して体のつくりやしくみを学ぶシリーズの2回目は、いよいよ丸一羽鳥の解剖にチャレンジ! 

 

まず体全体の外観をスケッチしたら、私たちヒトの体と比べてみます。 

 

 

腕については、前回の手羽先の解剖で学んだ通り。 

 

では、脚の中ほどで後ろに「く」の字に曲がっている関節は、ヒトの脚のどこに当たるでしょう? 

 

 「……ひざ?」             

       答えはかかと。 

 

ひざに当たる関節はもっと上の方にあります。関節の曲がる向きは、ヒトと鶏で変わらないのです。 

脚の中ほどがかかととすると、足の裏に見える部分は指先だけだとわかります。鶏は常に“つま先立ち”で歩いているんですね。 

 

続いて、顔の観察。 

ピンセットでまぶたを動かしてみると、ヒトと反対に下側から閉じます。 

くちばしの付け根の小さい穴が鼻。目の後方に開いた穴は耳。(耳たぶはありません。) 

口を開いてみると、歯が無いこともわかりました。鳥はかまずに丸飲みするのです。 

 

ここから、解剖スタート! ハサミ

 

 

胸の部分の皮を取ると、大きな大胸筋が現れます。いわゆる「胸肉」です。大胸筋の下には、少し細い小胸筋(「ささみ」)があります。 

大胸筋と小胸筋を交互に引っ張ってみると……翼がパタパタと動きました! 

この2つの胸筋で翼を上げ下げしているのです。

 

           

 

胸筋を支えている板状の骨は、竜骨突起。これはヒトには無いものです。 

鳥類の胸筋はとても大きく、体重の約25%も占めます。(ちなみにヒトは1%) 

それだけ大きな筋肉を支えるために特別な骨を持っているのです。 

 

胸筋とろっ骨を取り去り、内臓の観察に移ります。 

まず目につくのはお腹全体をおおっている黄色い脂肪と、胸のあたりに広がる肝臓。

 

 

 

「肝臓って、大きいんだね……」 

実物を目にしてつぶやく声が聞こえます。 

 

肝臓を取り出すと、その下に心臓、緑色の胆のう、赤いひ臓がありました。 

 

また、掃除機のホースのような気管と、それにつながる肺も見えました。 

 

次は、今回の観察のメインとなる、消化管。 

脂肪と格闘しながら一続きの消化管を取り出しました。腸間膜を切って管を伸ばしてみるとかなりの長さですが、頑張ってスケッチしました。

 

 

 

胃が2つあること、盲腸がヒトよりも大きいことなどもわかりました。 

 

そして、消化器と隣り合わせに(卵の素となる)大小の卵黄がありましたが、今回はなんと、産卵直前の殻付き卵も入っていました! 

取り出して割ってみると、ふだん食べている卵そのもの。

 

                    

 

「本当に、卵だ……!」 

 感動した様子の子供たちおねがい。 

 

最後は、一番、背中側にある腎臓をスケッチし、内臓をすべて観察し終えました。 

 

2回にわたって行った鶏の解剖。 

体のしくみのおもしろさ音譜と生命の神秘キラキラにたっぷり触れた二日間でした。