9月の5年生クラスの実験テーマは、「浮力」でした。 

 

水に浮く物と沈む物。その違いはいったいどこからくるのでしょうか? 

今回は、そのナゾを解き明かす実験をしました。 

 

初めに、丸太と一円玉が登場。手に持つと、丸太はずっしりと重く、一円玉は軽いです。この二つを水に入れたら、浮く? 沈む? 

 

「丸太は木だから、浮くんじゃないかな……」 

「一円玉も……う~ん、浮きそう」 

 

実験してみると、丸太は予想通り浮きましたが、一円玉は沈みました。 

 

 

このように、浮く/沈むは、単純に“軽い”か“重い”かでは決まりません。 

大きさの割に軽い(=スカスカした)物が浮き、大きさの割に重い(=ギュッと詰まっている)物が沈むのです。 

 

「だったら、同じ大きさで重さを比べればいいんじゃない?」 

 

グッド・ポイント!  

実際に同じ大きさに切ったりしなくても、重さと体積がわかれば、計算で単位体積当たりの重さ(=「密度」)を求めることができます。 

 

そこで、さまざまな物体の重さと体積を測って、密度を出してみることにしました。 

 

調べたのは、発泡スチロール板、ペットボトルのフタ、箸箱、ビー玉、金づち、木片、一円玉、りんご、にんじん、ジャガイモ。 

 

 

それぞれを水に入れて浮く/沈むを確認すると…… 

 

意外なことに、同じプラスチックでもペットボトルのフタは浮き、箸箱は沈みました。プラスチックの種類が違うからです。 

 

さて、物体の重さは簡単に測れますが、問題は、どうやって体積を測るかです。 

直方体の形をした物は、縦・横・高さを測って掛け算で出します。小さい物は、水を少し入れたメスシリンダーに直接入れて測ることができます。 

 

 

 

メスシリンダーに入らないリンゴや金づちはどうしたらいいでしょう? 

ここは、アルキメデスの逸話にちなんで、水を満杯に入れた容器に物体を入れ、あふれた水の量を測る方法を採用しました。 

 

   

 

物体それぞれの重さと体積を測定して密度を計算し、まとめた表をよく見ると…… 

「浮く物は密度が1より小さくて、沈む物は1より大きい!」 

ということが発見できました。これは、水の密度が1だからです。 

 

逆に、ある物体の密度がわかれば、水に浮くか沈むかがわかります。 

試しに、消しゴムの重さと体積を測って密度を計算すると、1より大きいことがわかったので、水に沈むと予想できます。 

実際に消しゴムを水に入れてみると……見事に沈みました! 

 

 

ところで、物体が水に浮くのは、水から「浮力」を受けているからです。 

ここで、「液体の中にある物体が受ける浮力は、物体が押しのけた液体の重さに等しい」という『アルキメデスの原理』を紹介。 

 

浮力が液体の重さで決まるのならば、液体を重くしたら浮力は大きくなるのでしょうか? 

そこで、こんな実験をしてみました。ジャガイモの密度は1.1なので水には沈みますが、密度が1.2の食塩水入れると……予想通り、ぷかぷか浮きました! 

 

 

最後に、鉄でできた船がナゼ浮くのか?について考えました。 

ポイントは船の形。内側に空気を包み込んで体積を大きくすることによって、大きな浮力を受けることができるのです。 

箱型のあき缶を使って実験し、水中に潜った部分の体積(の水の重さ)があき缶の重さとつり合っていることを確認できました。 

 

 

まだまだ暑いこの時期、水にいっぱい触れながら浮力について学んだ回でした。