2学期が始まりました
9月の3年生クラスの実験テーマは、「『溶ける』とは何か①」でした。
まず質問から。
「とける」というと、何が思い浮かぶかな
「えーと……チョコレートがとける!」
それも「とける」のひとつです。漢字では「融ける」と書いて、ある物質が固体から液体に変わることです。
今日の実験は「溶ける」の方で、ある物質がある液体に溶けることです。
はじめに、物質が“溶けている”とはどういう状態のことか、という話をしました。
条件の1つ目は、その物質が液体の中で均一に混ざっていること。液体の上に浮いていたり沈んだりしていたら、溶けていません。
条件の2つ目は、液体が透明になっていること。均一に混ざっていても、にごっていたら溶けているとは言えません。
意外なのは、液体に色がついていてもOKということ。無色透明という言葉がありますが、有色の透明もあるということです。
では、具体的に見てみましょう。
ファンタグレープとカルピスウォーターをそれぞれプラカップに入れて、観察しました。
どちらも均一には混ざっています。透明かどうかを調べるために、スプーンを差し込んで見えるか確認すると、ファンタは透明でカルピスはにごっていました。つまり、
「ファンタは溶けているけど、カルピスは溶けていない!」
ということがわかりました。
溶けているかいないかの判断ができるようになったところで、いろいろな物質が水に溶けるかどうか、調べてみました。
塩、砂糖、コーヒーシュガー、小麦粉、片栗粉、重曹、しょう油、味噌、酒、酢、サラダ油、マヨネーズ。
予想通りだったものもあれば、意外な結果になったものもありました。コーヒーシュガーは茶色いけれど透明だから「溶けた」。片栗粉は一見透明ですが、全部底に沈んでいたので「溶けない」。味噌は溶ける物質と溶けない物質が混ざっていることも、発見しました。
ところで、水に溶ける物質と言っても、いくらでも溶けるわけではありません。
たくさん溶かしていって、これ以上は溶かすことができないという限界量(=「溶解度」)があるのです。この量は、物質によって違います。(注:温度によっても変化します。)
ここで質問!
100gの水に、砂糖を何gまで溶かすことができるでしょう?
まったく想像がつかない難しい質問ですが、悩んだ末に、“自分なりの予想”を立てることができました。
次の問題は、それをどうやって調べたらよいか?です。
これも難問ですが、一生懸命考えた結果、「決まった量(10g)ずつ入れて溶かしていき、溶けなくなったら、それまでに入れた量が溶ける限界量」という方法を見つけ出すことに成功
それでは、いよいよ実験してみましょう。
ビーカーに水100gを計って入れたら、砂糖を10.0gずつ入れて溶かしていきます。
(入れた回数がわからなくならないように、正の字を書いて数えました)
入れても入れても溶ける砂糖。予想した量を越え、水と同じ100gに達してもまだまだ溶けます。
「見て! 水がこんなに増えてる!」
気づけば、溶けた砂糖で水の体積が倍くらいになっていました。
このころには、水がどろどろのシロップ状になり、砂糖を入れても沈んでいかないほど。
溶け切ったかどうかの判断も難しくなってきましたが、「入れた1回分の量が全く減らない」を判断基準にして、とうとうこれ以上は溶けない限界に来ました。
結果は、210g。なんと水の倍以上の重さまで溶けました
実験の後に残ったものは……砂糖が200gも溶けた濃い砂糖水。
これを捨ててしまうのはもったいないので、べっこう飴を作ってお土産にしました。
手と目と頭(と舌も?)をフルに使って学んだ一日でした