4月の4年生クラスの実験テーマは「てこ・輪軸」でした。
てこは、重い物を持ち上げる時などに、長い棒を使って「小さい力で大きい力を生み出す」道具。大昔から使われている人類の知恵です。
はじめに、てこには、支える所(支点)、力を加える所(力点)、仕事をする所(作用点)の3つの点があることを学びました。てこの原理を利用した身近な道具(ハサミ、穴あけパンチ、ピンセット)で、それぞれその3点の位置を調べてみると、3点の並び順に決まりはなく、いろいろなパターンがあることがわかりました。支点が端のてこもあることにビックリ!
さてここからは、「ナゼ、てこは大きな力を生み出すことができるのか?」の謎に迫っていきます‼
まずは、てこを“どう”使えば大きな力が生まれるのか?、簡単な実験をします。
鉛筆を支点にして細長い板のてこ置き、指一本でセロテープ台を持ち上げてみます。
支点、力点、作用点の位置をいろいろ変化させて比べてみると……
同じてこでも、「これは楽勝!」「重い~、っていうか持ち上がらない💧」と大きな違いがありました。
結果をまとめると、支点から力点までの距離が長いほど、また支点から作用点までの距離が短いほど、楽に持ち上がることがわかりました。
次は、それを数値化していくことにチャレンジ。
長い天秤の左右におもりをぶら下げて釣り合うバランスを見つけ、おもりの数と支点からの距離との間に、どんな関係があるか?を考えていきます。たくさんのトライ&エラーの中から徐々に見えてきた答えは……
「おもりの数×支点からの距離が左右同じならば釣り合う」という「てこの法則」。
みんなで知恵を振り絞って正解にたどり着いたときは、大興奮でした‼
最後に、なぜ支点からの距離が長いと大きな力になるのか?について、てこの一種である輪軸を使って実験しました。
(輪軸とは、ドアノブなど、細い“軸”に大きい“輪”を取り付けて楽に回せるようにした道具で、てこの原理を使っています。)
輪軸の軸に下げたおもりを、輪を回して持ち上げてみます。すると、輪の半径が軸に比べて大きいほど持ち上げる力は小さくて済みますが、その分、回す長さ(円周)は長くなることがわかりました。
つまり、てこは、“長さ”を“力”に変えることができる道具だったのです。
力で得をしたら、長さでは損をする。すなわち、“人生、楽ありゃ苦もあるさ”を本日のまとめ(?)として締めくくりました。