競艇場に勤める知り合いから、「今日、江戸川競艇で二人乗りの競艇に試乗体験会やるから行ってみたら?」と教えてもらったので行ってきた。

たぶん相当待つと思い、文庫本片手に列に並ぶ。並んだ時点で受付開始が約1時間後。しかも70名受付の中で自分は50番目辺り。こりゃ相当読書も捗ると思っていると、なんとなく自然に前のおっちゃんと会話をし出す。すると、後ろのおっちゃんも話しに加わり、結局1頁も本を読む事無く、受付まで進んでしまった。

自分の前のおっちゃんは東京オリンピックの頃に小学生だった人。旗?を持つだか何かの20人だかに選ばれたらしい。「東京でオリンピックが開催されて驚きましたか?」との質問には、「いや~、子供だからそこまでの理解は無かった。運動会の延長の様な感じ。それより五輪マークのTシャツやズボンを貰った方が嬉しかった」との事。
競艇の試乗は今回で38回目らしく、乗り方から選手への挨拶まで、色々教えてくれる。

それに対して、後ろのおっちゃんはヤク中かと思うくらい、同じ話しを何回も何回も繰り返す。やれ、銀次と握手しただの、競艇に乗れたらもう死んでも良いなど。

さて、1時間半の待ち時間を経て、いよいよ試乗。
係りの人が丁寧に防具をつけてくれる。そしていよいよ艇に。

自分はちょっと勘違いをしていたのだが、艇にはコタツに入る感じで座るのかと思っていた。カヤックとかはそうだし。ところが競艇用ボートは、正座をして乗る。この時点でちょっと怖かった。と言うのは、右ひざを悪くしており、最近は正座が出来なかったからだ。
ここまで来て乗れないのは嫌だなぁ~、と思いながら座ると、膝の痛みも無く正座する事が出来た。

そしていよいよ出走。いきなりスピードが出る。紹介してくれた人曰く、「湖面との距離が近いので元バイクレーサーの競艇選手でも、スピード感が違うと言う」だの、「試乗をした客の中にはボートから降りた後、立てなくなる人も居る」との事だったが、スピード自体は普段バイクに乗っているのとさして変わらない感覚で、さした恐怖は無い。

それよりも、正座(と言うより逆正座)で足を踏ん張ると言う感覚がゼロなので、ボート波に当たって跳ね上がる度に落ちそうな感覚になる。
それが更に顕著になるのが、カーブを曲がる時。計4回カーブを曲がるのだけど(つまりオーバルコースを2周)、3回目の時にちょっとだけ落ちそうな感覚になり、ちょい怖かった。

スピードへの恐怖は無いが、慣れない正座での乗車にえらい疲れ、ボートから降りた後はへとへとだった。

だけど、とても楽しい思いをさせてもらった。