昨日、地区の宿数件が集まる「支部会」と言う会があった。

この支部会と言うのは、私たちの地域にある民宿約60件から成る観光協会についての連絡会と言えば分かりやすいだろうか。

昨日の会は近隣宿、6件だけが集まった。

「支部長」は毎年ローテーションで決まって行く訳だが、話の発端は今年度の支部長である宿の女性であった。

実は今シーズン限りで、この女性の宿は廃業を決めている。
廃業と言っても、彼女も彼女の旦那も本業は別であり、宿は先代のお父様から継いで続けていたもので、営業自体はほとんどしていなかった。


そんな彼女が先日の部長会で、スキー場について物申したらしい。

「今シーズンのスキー場のポスターを見たが、去年のポスターとあまりにも雰囲気が違い、一貫性を感じない。」

昨年度のポスターは、情報満載のガチャガチャ系
今年度のポスターは、新雪を滑るボーダーがカッコ良く写る、今ドキのカッコイイ系。

まさに仰る通りで、一貫性のカケラもない。

女性は
宿を辞める身であり、宿が本業でも無い立場だからこそ感じた意見
とも言っていた。

これについて、部長会にも参加している現スキー場リフト会社の社長は否定も肯定もしなかったそう。

僕も全く同じ事は前々から思っていたが、僕の父も含め、多くの宿の主人やリフト会社の人達は恐らくそんな話をされても、全く響かないのではないかと思う。

それは何故なら「やりたい事」が無いからだ。

多くの宿の人は彼女同様、先代が開いた民宿を
「仕方なく」継いでいる。

宿業をしながら農業で稼いでる人も多い。

借金や建物があるから続ける人も多く、
「辞めれるなら、すぐにでも辞めたい」
なんて言葉はよく耳にする。

そんな人達で成り立っている地域で、そんな地域のスキー場に「一貫性」も「やりたい事」もあるはずがないし、それを訴えた所で響くはずもないのだ。

朗報があるとすれば、昨年度からリフト会社に入社しプロスノーボードスクールを解説した、友人でもあるT氏は、地元出身ではないにも関わらず、信念があり、一貫性と推進力を持って色々な事にチャレンジしてくれてる事だ。

今年のポスターが昨年度のダサいガチャガチャ系ではなく、カッコイイ今ドキのポスターになったのも彼の力だろうと思う。


僕らの様な小規模スキー場や観光地にこそ、一貫性は必要不可欠だと思う。

一貫性とは、事業計画であり、ミッションとビジョンであり、戦略であり、個性でもある。

それが無い組織には、未来も無い。

スキー場にしても、地域にしても、その重要性を良く考え、話し合うことが必要不可欠だ。


ただそれは


これからもずっと宿を続けていきたい。という

強い信念が無いと、意味が無い。



その信念が大きく欠落している事こそが、
諸悪の根源なのではないかと思う。