セミナーやセッションなどで、飼い主さんからよくこういう言葉を聞きます。
「褒めるのが難しい」
「褒め方がわからない」
「どうやって褒めればいいのか…」
「褒めるタイミングがいまひとつわからない」
「褒めてるつもりなんですけど…」
「褒める」
このことについては、これまでのエントリでもたくさん書いてきました。
特に「イヌが喜ぶものを渡すこと」が、「褒めるの本質」ということを、これでもか!とお伝えしてきております。
ここから、もうちょっと踏み込んで、より具体的に「褒める」についてお伝えしてまいります。
プロのトレーナーさんや、しつけやイヌのコントロールがうまい人というのは、この「褒める」がうまい人でもあります。
つまり、「うまい褒め方」を身につけることができれば、あなたのわんこの行動を、うまくコントロールすることができますし、いまあなたが困っていること、悩んでいることも、どんどん解決していきます。
イヌだって「褒められる」わけですから、ストレスみたいなものも感じないんじゃないかなと。
さらに言えば「うまい褒め方」を身につければ、叱る必要だってほとんどなくなります。
たとえば、いわゆる「訓練士」って、イヌをシバキ上げてコントロールするんでしょ?みたいなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は違います。
これは割と、声を大にして言いたいんですけど、ブログなんで声は聞こえないんですけど、それでも大にして言いたい。
むしろうまい人ほど、イヌを叱ることがほとんどありません。
なんなら、全然叱ることなく、イヌをワクワク、ウキウキさせながら、どんどん行動を変えていきます。
むしろ、イヌを叱ることでコントロールする人っていうのは、扱いが下手な場合がほとんどのように思います。
うまい人は、叱ることなく、褒めることでコントロールできるんですね。
「褒めるのが難しい」
こういうことを飼い主さんが言うとき、大体は「タイミングがよくわからない」ということが多いようです。
「いつ褒めたらいいのかわかりません」みたいな感じですね。
特に「日本人は褒めるのが下手」なんてことも言われたりします。
じゃあ、この「褒めるタイミング」って、どうやって掴むのか?
以前のエントリにも書いたことですが、褒めるタイミングは「やって欲しいことをしたとき」です。
褒めるタイミングとは?
「やって欲しい」と思っていることを
イヌがしたとき
ところが、ほとんどの飼い主さんは「やって欲しくないこと」ばかりを考えています。
「吠えてほしくない」
「噛んでほしくない」
「飛びついてほしくない」
「暴れてほしくない」
「イタズラしてほしくない」
こんな風に。
でまあ、それではうまくいかないので、「やってほしいことをまずは決めましょうね」と、これまでもお伝えしてきました。
それでも、やっぱりいまひとつわかんないということもあるでしょう。
そこで、ここはひとつ、ある程度決めちゃいましょう。
題して「こんなときに褒めれば賢くなりますよ」シリーズ。
まずは、お家の中編。
色んな悩みや困りごとがあると思いますけれども、とりあえずお家の中での困りごとがあるのなら、以下のことをイヌがしたときに、必ず「褒める」ようにしてみてください。
・寝ているとき
いわゆる「寝た子は起こせ作戦」です。
寝ているところを見つけたら、褒めに行ってください。
起きてもいいから、褒めてください。
騙されたと思って、やってみてください。
いつの間にか、よく寝る子になりますから。
・座っているとき
イヌが座っているのを見つけたら、褒めてあげてください。
褒められて嬉しくなって立ち上がってもいいから、褒めてください。
騙されたと思って、やってみてください。
いつの間にか、よく座る子になりますから。
・フセをしているとき
イヌが伏せているのを見つけたら、褒めてあげてください。
嬉しくなって、その後飛びついたり、走り回ったりするかもしれませんが、
構わず褒めてください。
騙されたと思って、やってみてください。
いつの間にか、よくフセをする子になりますから。
以上の3つ。
これをやるだけで、かなり変わります。
え?それだけ?と思うかもしれませんが、それだけです。
本当に変わります。
具体的な褒め方については、後日お伝えします。
とりあえず、「褒めるタイミング」「いつ褒めたらいいのかよくわからない」という方は、↑に挙げた3つのタイミングのときに、必ず「褒めて」みてください。
すると、「よく寝る」「よく座る」「よくフセをする」という子になります。
コマンドは必要ありません。
むしろ、出さないでください。
「大人しいイヌ」に育てたいなら、コマンドはかえって邪魔になることも多いです。
「訓練」を教えたいなら話は別なんですけど、別に競技会を目指しているわけじゃないのであれば、コマンドは必要ありません。
「寝てる」
「伏せてる」
「座ってる」
この3つをしているときに、必ず褒めるだけで「よく寝て、よく伏せ、よく座る」イヌになります。
てことは?
吠える(無駄吠えとか、要求吠えとか)
噛む(甘噛み)
イタズラ(家具をかじる、ゴミ箱を漁る、カーペットを噛むとか)
暴れる(落ち着きがない、興奮しやすい、走り回るとか)
こういった問題や悩みごとは、どんどん減っていきます。
叱り方とか、止め方とか、止めさせ方とかを知る必要はありません。
むしろ、それを追いかけるから、うまくいかないんです。
是非、やってみてください。
変わりますから。
「全然変わらないんですけど?」という場合は、「褒める内容」が、ちょっと合ってないか、余計なことをしているかのどちらかです。
その辺についても、今後書いてまいりますので。
続きます