「しつけにオヤツを使ってはいけないんですか?」
時々、こんな質問をもらうことがあります。
実は、前回までのエントリでトイレのしつけに悩んでいた大阪の飼い主さんも、同じことを考えていらっしゃいました。
この方、元々は「トイレができたらオヤツをあげる」ということをされていたんだそうです。
ところが、あるとき「いつまでもオヤツを使っていてはダメ」というアドバイスをもらったそうで、「トイレができたあとのオヤツ」を止めてしまったと。
すると、効果はバツグン(?)で、一気にトイレを失敗するようになってしまったんですね。
「トイレを成功したらオヤツ」を再び続けていただいたおかげで、今では失敗はありません。
前回のエントリの最後に、こんなことを書きました。
これが、「褒められたかどうかは、イヌが決める」ということです。
こちらが、「これが嬉しいはず。これで喜ぶはず」と、勝手に決めるものではないんです。
言ってみれば、「プレゼント選び」と同じなんです。
誰だってプレゼントを選ぶときは、「このプレゼントで、喜んでくれるだろうか?」という風に考えますよね?
「このプレゼントで喜ばないのはおかしい」とは思わないでしょう。
ところが、「イヌのしつけ」になると、そういう話が出てくるんです。
「イヌを褒める」というのは、「イヌが喜ぶものを渡す」「イヌにプレゼントを渡す」ということと同じです。
大事なのは、「相手が喜んでくれるかどうか」です。
でないと、この「トイレを急に失敗するようになったケース」のように、できていたことができなくなってしまったり、そもそもイヌが新しいことを覚えてくれなかったりします。
これでは、なんのために褒めているのかわかりません。
そもそも「褒める」というのは、なんのためにやるのか?
それは、「褒めた行動を、これからも繰り返しやってもらうため」です。
「トイレシーツの上でオシッコをする」
「飼い主の横について歩く」
「オスワリをする」
「フセをする」
他にも、色んな「イヌの行動」を私たちは褒めますが、すべては「ありがとう!またお願いね!」ということで、「褒める」わけです。
ですから、「繰り返しやってくれないような褒め方」は、まったく意味がないということになります。
この視点から「オヤツを使うか使わないか」という話を見ると、実にどうでもよい話であることがわかると思います。
大事なのは「オヤツを使うか使わないか」ではありません。
あくまでも、「相手が喜んでくれるかどうか」です。
ですから、「撫でるだけでも十分に喜ぶイヌ」なのであれば、オヤツを使う必要はないでしょう。
「食べ物よりも、オモチャの方が喜ぶイヌ」であれば、これもまたオヤツを使う必要はないと言えます。
何度も書きますが、「褒められたかどうかは、イヌが決める」です。
ですから、もしも「褒めるのに、オヤツを使ってはいけないのではないか?」と思っている方がいらっしゃったら、そんなことはないですよと声を大にしてお伝えしたいと思います。
ブログなので声は伝わりませんけど、気持ち的にはとても大声です。
オヤツを使うか使わないかという話には、「オヤツに依存してしまうのがよくない」という意見もあるようです。
これについては、またいずれここで書きたいと思います。
続きます