441 1 sage 2009/09/09(水) 07:56:39 ID:e09YeYTQO

20代前半で地方から上京して仕事をしていた時、間もなくして、同僚の女性と仲良くなった。
これは、その子との話。名前は、仮にK子。

明るい子で、実家が大富豪だったが、社会勉強も兼ねて職に就いたらしい。
何度かデートをするうちに親密になり、運命の女性にすら思えた。まだお互いの親には面識がなかったが、将来の結婚も約束していた。

しかし、そんな幸せな日々も長くは続かず、交際から半年後、K子は白血病で入院することになった。
俺は毎日病院に足を運んだ。病状はかなり深刻らしく、休憩所でK子の母親が泣いている光景も、何度となく目にしていた。
ある日、いつものように病室に二人でいると、K子が「もうお見舞いにこないで」と言った。
驚いたが、細かく話を聞いてみると、これから先は、髪も全て抜け落ちるだろうし、ミイラのように痩せ細り醜く変貌する。そんな姿を俺には見られたくないし、綺麗なまま、ずっと覚えていてほしい。そんな内容だった。
しばくの言い合いの後に、分かった。と返事をした。
正直、俺もK子のそんな姿を見たくなかったのかも知れない。
何より、愛した人が刻々と死に向かう有り様を、黙って見ているしかない現状に耐えられなかった。完全なノイローゼだった。


442 2 sage 2009/09/09(水) 07:59:08 ID:e09YeYTQO

しばらくして、仕事を辞めて、逃げるように引っ越した。
苦痛から解放されるためにK子のことを忘れてしまいたかったが、内心、恋しくて胸が張り裂けそうだった。

それから数ヶ月経った、ある晩の出来事。
俺は何かの気配を感じて、真夜中に、ふと目を覚ました。
誰かがいる。生きた人間じゃない。
俺は目を閉じたまま、身動きひとつ取れずにいた。
すると、その何者かは、ゴソゴソと布団をまさぐった後に、俺の手を握ってきた。
K子だ。

手を握られた瞬間に思った。
その掌は、氷のように冷たく、枯れ木のように痩せ細っていた。
俺は目をあけて、K子を抱きしめようと思った。
しかしK子と話した最後の会話が脳裏をよぎる。
醜く変貌した自分を見られたくない。綺麗なまま覚えていてほしい。
それが彼女の最後の意志だった。
俺は、閉じてある目を、さらにぐっと閉じながら彼女を抱きしめた。そして彼女の手を握ったまま眠った。


444 3 sage 2009/09/09(水) 08:02:44 ID:e09YeYTQO

彼女の霊は定期的に現れた。深夜、目が覚める時は、つまり彼女が来た時だった。
そしていつも俺の手を握った。俺も目を閉じたまま、冷たく痩せ細った手を握り返し、時には抱きしめた。
俺が起きている時は決して現れない。やはり自分の姿を見られたくないのだろう。
数年経っても、まだK子の霊は現れ続けていた。それ故、俺は恋人も作らず、人間関係も薄く、周りからは暗い奴と遠ざけられる存在になっていた。

ある日、電車でK子と出会った街を通る機会があった。辛くて逃げ出した街。
しかし数年ぶりに見ると妙になつかしくなり、思い切って、電車から降りてみた。
しばらく街を徘徊。
K子とよく訪れた公園の前を通りかかった時、K子の母親が、大きな犬を連れて、前方から歩いてきていることに気付いた。
俺は即座に自分の顔を手で隠した。
K子の死に目にも会わずに逃げ出した男だ。恨まれているに違いない。そう思った。
俺はうつむき加減に歩いた。あと少しですれ違う。そのくらいの距離になって、K子の母親は俺に気付いてしまった。
「あら、久しぶりじゃないの」
「あ、はい…」
ぼそりと返事をした。そして続ける。
「あの、すみませんでした」俺のその言葉から、会話の内容は彼女の思い出話になった。
俺とK子の母親は公園のベンチに座って、K子の思い出を語り合った。
どのくらい話していただろう、K子の母親は俺のことを恨んでいる様子もなく、犬を撫でながら色んな話を聞かせてくれた。
「あの、K子のお墓はどこにあるんですか?今度お墓参りに行かせてください」
俺がそう言うと、K子の母親は怪訝な表情を浮かべた。
「K子、まだ生きてるわよ」
俺は一瞬固まった。

K子は完治して退院。そして数年前に恋愛結婚、子供もいるらしい。
その事実を知って以来、俺は眠れなくなり、今では重度の不眠症だ。

あの手は誰なんだ?


引用元:「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?227」
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1252200880/
343 :sage:2010/03/10(水) 16:54:49 ID:S3HdTJkX0

ずいぶん前にこのスレに(このスレじゃないかも)新婚の家から赤ちゃんがいなくなったて
内容の書き込みをしたものだけど、
最近赤ちゃんの泣き声を聞きました。ものすごく大きな声の。
昔 見かけてたころには聞いたことのないほどの大声。ホントびっくりした。
でもまだ疑問がある。相変わらず姿が見えない。
夫婦で出かけるの何度かを見たことがあるけど赤ちゃんは連れていない。
それに3年ほどたてば言葉を話すはず。
新しい子供なら出かけるときに一緒じゃないのもおかしい。
母は午前5時ごろに何度か聞いたことがあるらしい。
朝の同じ時間に泣く赤ちゃん。
朝はなくが夜は泣かない赤ちゃん。
異常なまでの大声・・・
自分は勝手に 生きていたころの声を
何らかの方法で目覚まし時計にしてるんじゃないかと勝手に思っております。
ありえないと思うけど。


引用元:「じわじわ来る怖い話30じわ目」
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1266024319/
505 :1/4 :2010/06/24(木) 14:54:37 ID:2baYGPaj0

会社の同僚が亡くなった。
フリークライミングが趣味のKという奴で、俺とすごく仲がよくて、家族ぐるみ(俺の方は独身だが)での付き合いがあった。

Kのフリークライミングへの入れ込み方は本格的で、休みがあればあっちの山、こっちの崖へと常に出かけていた。

亡くなる半年くらい前だったか、急にKが俺に頼みがあるといって話してきた。
「なあ、俺がもし死んだときのために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」

趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、あらかじめビデオメッセージを撮っておいて、万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、ということだった。俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろといったが、クライミングをやめることだけは絶対に考えられないとKはきっぱり言った。いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。

Kの家で撮影したらバレるので、俺の部屋で撮ることになった。
白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める

「えー、Kです。このビデオを見てるということは、僕は死んでしまったということになります。○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、今まで本当にありがとう。僕の勝手な趣味で、みんなに迷惑をかけて本当に申し訳ないと思っています。僕を育ててくれたお父さん、お母さん、それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、どうか悲しまないでください。僕は天国で楽しくやっています。皆さんと会えないことは残念ですが、天国から見守っています。××(娘の名前)、お父さんはずっとお空の上から見ています。だから泣かないで、笑って見送ってください。ではさようなら」


506 :2/4 :2010/06/24(木) 14:55:19 ID:2baYGPaj0

もちろんこれを撮ったときKは生きていたわけだが、それから半年後本当にKは死んでしまった。クライミング中の滑落による事故死で、クライミング仲間によると、通常、もし落ちた場合でも大丈夫なように下には安全マットを敷いて登るのだが、このときは、その落下予想地点から大きく外れて落下したために事故を防ぎきれなかったのだそうだ。


通夜、告別式ともに悲壮なものだった。
泣き叫ぶKの奥さんと娘。俺も信じられない思いだった。まさかあのKが。

一週間が過ぎたときに、俺は例のビデオをKの家族に見せることにした。さすがに落ち着きを取り戻していたKの家族は俺がKのメッセージビデオがあるといったら是非見せて欲しいと言って来たのでちょうど初七日の法要があるときに、親族の前で見せることになった。

俺がDVDを取り出した時点で、すでに泣き始める親族。
「これも供養になりますから、是非見てあげてください」とDVDをセットし、
再生した。


507 :3/4 :2010/06/24(木) 14:55:59 ID:2baYGPaj0

ヴーーーという音とともに、真っ暗な画面が10秒ほど続く。
あれ?撮影に失敗していたのか?と思った瞬間、真っ暗な中に突然Kの姿が浮かび上がり、喋り始めた。
あれ、俺の部屋で撮ったはずなんだが、こんなに暗かったか?


「えー、Kです。このビデオを・・るということは、僕は・・んでしまっ・・いう・・ります。○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、今まで本・・ありが・・・」

Kが喋る声に混ざって、さっきからずっと鳴り続けている
ヴーーーーーーという雑音がひどくて声が聞き取りにくい。



「僕を育ててくれたお父さん、お母さん、それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、どうか悲しまないでください。僕はズヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア××(娘の名前)、お父さん死んじゃっヴァアアアアアアアアアアアアア死にたくない!死にズヴァアアアアアアアにたくないよおおおおヴヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、ザッ」



背筋が凍った。
最後の方は雑音でほとんど聞き取れなかったが、Kの台詞は明らかに撮影時と違う
断末魔の叫びのような言葉に変わり、最後Kが喋り終わるときに暗闇の端から何かがKの腕を掴んで引っ張っていくのがはっきりと見えた。


508 :4/4 :2010/06/24(木) 14:58:28 ID:2baYGPaj0
これを見た親族は泣き叫び、Kの奥さんはなんて物を見せるんだと俺に掴みかかり、Kの父親は俺を殴りつけた。奥さんの弟が、K兄さんはいたずらでこういうものを撮るような人じゃないとなだめてくれたおかげでその場は収まったが、俺は土下座をして、すぐにこのDVDは処分しますといってみんなに謝った。

翌日、DVDを近所の寺に持っていったら、処分をお願いしますという前に住職がDVDの入った紙袋を見るや否や「あ、それはうちでは無理です」と。
代わりに、ここなら浄霊してくれるという場所を教えてもらい、行ったがそこでも「えらいとんでもないものを持ってきたね」と言われた。

そこの神主(霊媒師?)によると、Kはビデオを撮った時点で完全に地獄に引っ張り込まれており、何で半年永らえたのかわからない、本来ならあの直後に事故にあって死んでたはずだと言われた。


引用元: 「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?243」
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1276283754/l50
946 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/07/16(木) 01:31:24 ID:dHYfgh8jO


俺はずっと爺ちゃんちで育った。母の里帰り出産~子育ての間に父が浮気や借金をしてたせいらしい。
物心ついたときには義父が母の婿になってたから、本当の父のことなんか全然知らないし父がいなかった時期のことも記憶にない。
俺が義父の息子じゃないことは俺が結婚するときに初めて教えられた。だが、俺自身は家族から教わるより前から知っていた。
「~くん(俺)の本当のお父さんはお父さんじゃないよ。~ちゃん(妹)の本当のお父さんはお父さんだよ」
いつも同じせりふでそう言う女の子がいたから。
なんか変な記憶なんだが、神棚から女の子の顔がこっちのぞいてて、↑のせりふをリピートしてんの。ずっと。
女の子だと思ったのはだいぶ後になってからだ。厨房のとき妹が生まれたのがきっかけ。
妹の名前がせりふ中の~ちゃんとまったく同じ名前に決まったとき、思い出したわけ。
それで神棚から黒いもの(髪?)が垂れ下がってた気がしたから女の子かなーと。
そのとき、父が義父だとなぜか考えていた理由にも思いあたった。記憶中の女の子から教わったんだと。
でも神棚から女の子の頭が出てるなんて明らかに変だから、子供にありがちな記憶の捏造だと思って誰にも言わないでいた。
そのうち妹が言葉をしゃべれるようになって、神棚を見ると泣くようになった。お姉ちゃんがどうのこうのと言う。
お姉ちゃんは俺が父の子じゃないと言って、妹は動転したらしい。家にお姉ちゃんなんかいない。思いあたるのは例の記憶だった。
神棚の女の子のことは妹も今でも少し覚えているらしい。俺の記憶と同じせりふを妹も知っている。
俺は女の子の容姿のことは髪の長さしか覚えていない。妹は、頬にやけどか傷かあざがあった気がすると言っている。
共通するのは、女の子の頭だけが神棚からこっちを見ていたっていうシチュエーションとせりふ。
別に恨み節を聞かされたり気味悪いこと言われたわけじゃないし、事実を聞かされただけなんだが、なんか気持ち悪い。


引用元: 「不可解な体験、謎な話~enigma~Part54」
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1244957518/
286 名前:W鈴木 投稿日:02/12/21 11:36

私の姉の住んでいたマンションに霊感の強い主婦がいたそうで、
たくさん聞いたエピソードのうちのいくつかを。

その1

当時彼女は夫と二人で郊外の一戸建てに住んでいたそうです。
ある夜、彼女は仕事の後飲みに行くといった夫を待っていました。
しかし、あまり遅くなったので先に寝ることにしました。
そして眠った彼女は夫がバイクで車と衝突して死ぬ夢を見て目を覚まし
ました。
でもそれは夢というより確信に近いものだったそうです。
彼女は、「夫が死んだ、夫が死んだ、どうしよう!」とパニックに
なったそうです。
しかし間もなく、聞きなれたバイクの停車する音が聞こえて来ました。
玄関のドアが開く音がし、酔っ払った明るい夫の声がします。
大声で彼女の名前と、どうして遅くなったかをロレツの回らない舌で
しゃべっていました。
泣いていた彼女は、あまりに上機嫌の夫に少々腹を立て布団の中
から大声で、
「遅かったねー。あんたは事故で死んだと思ってたよー」
といいました。
すると、夫は、
「あらー、そっち取っちゃったのー」
とおどけたようにいい、物音が急に止みました。
その直後、夫の事故死を知らせる連絡あったそうです。
後に彼女は
「あの人が神様にもらったチャンスを私がだめにしたのかも....」
といっていたそうです。


引用元: 「洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?Part23」
http://hobby2.2ch.net/occult/kako/1038/10382/1038209969.html