私はいま40代ですが、幼いころは今より当然に不便な時代で

時代を遡れば遡るほど昔の人たちはもっと不便であったはずです

それでもガマンして努力して苦難を受け止めて生き抜いてきた



ガマンして困難に直面しても、受け止めて成長してきたこと

これは親世代が子に必ず伝えてほしい大事なことだと思います

多くの親は自分の子供には、自分が苦労したからこそ

同じ苦労を味わいさせたくないと親心から思ってしまいます

親たちは、困難の乗り越えが人生において大事なことと理解しながらも

親自身が可愛さゆえに手助けし、困らないように手立てを講じてしまう

その結果として、子どもを困難の経験から回避させてしまっているのです



そうやって育った「回避世代」が親となって、同じように自分の子を回避させる

こうなるとどうなるでしょうか?悪い流れができてしまったことに気づけず

困難からは逃げてしまえば、困難に会わないように回避してしまえば…

という思考に子どもたちもなってしまうかもしれません



困難を受け止めてきた「受け止め世代」の親が

「回避世代」を生み、その「回避世代」の子も親となり

当然のごとく「回避世代」を生み出していくのではないか

おじいちゃん、おばあちゃんは当然孫には甘くなりますし(笑)



一人前というのを100とすると、若い人はまだ半人前の50でしかない

「受け止め世代」は半人前の50のとき、理不尽な状況であっても耐えながら

無我夢中で経験を積んで100になってきたはずです

困難を回避するということは50から何も変わらず50のままともいえます



時代とともに技術が進歩して発展を続けていくことは止まることはないでしょう

ITやAIがより向上し、便利な世の中を人間は享受していくことになります

便利さのなかで、人間はITやAIに活動の場を奪われ、リアルな感情がない

無機質な空間や音声の機械に囲まれていきます

楽(ラク)になることは労働力や労働量を補うには非常に便利なことです

しかし、困難を乗り越えるためには必ずしもそれがベストとも思えないのです



楽という言葉には、楽しむという側面もあります

楽しむということはその状況を受け止めて生まれる感情で

内容によっては困難なことも受け止め、ガマンして工夫して克服していく

達成感とともに味わうその楽しさは、人を成長させる大事な要素です



パソコンならバージョンアップされれば、機能が充実し改善されて

より快適にスムーズに事が進むようになっていきますが

人間は困難を克服してきた達成感や喜び、楽しさといった大事な経緯は

バージョンアップによって失われてはいけない



デジタルな時代だからこそ、アナログな古いことも大切な経験として

若い世代に伝えていかなければなりません

むしろ伝えるべきではないでしょうか?

先人たちの知恵や経験をしっかりと伝えていくことが大事であり

そのために自分には何ができるのか?

新しい切り口を模索しながら考えていきたいと思っています