地震も天気も予報が難しいですね。広島の土石流ランドスライドが広島市北の阿武山(586m)に接した人口密集地で起こりました。広島市の大田川に沿って北の山にさしかかる峡谷の迫る地帯です。大雨では危険であると分かっている多くの場所と同じですが、現状の能力では、どこにどれだけ雨が降ると予測できないのです。例えば、今晴れていますが、予報は曇り、ずっと曇りですが、アメダスのポイントごとの日照では晴れています。広い範囲全体で見ると雲の割合が多く、レーダーで見ても雲と判断されますが、ぼろぼろの雲で晴れ間が混ざっているから、ポイントで取ると晴、全体では曇りと言うわけで、予測の空間分解能というか、簡単に言えば精度が悪いのです。雨の予想も、レーダーで分かりますが、空間分解能では問題があり、細かな点ではどうかと言うには問題があります。
気象庁のドップラーレーダーは20か所にあり、高解像度降水予測では地上で250mの解像度だそうです。これではまだ不足なのだと思います。この範囲よりもさらに細かな領域で雨が降っているからです。観測データーの測定点も不足なのではないかと思います。国土交通省のXバンドレーダーも多分、数が不足でしょう。いろんな所のデーターを瞬時に集めて計算できるようになっているのでしょうか。
もっと、別の例で言うと、放射能をヘリコプターなどの低空飛行で計測しても地上の細かな放射線量の変動やホットスポットなど見過ごします。これから個人被曝量を推定計算しています。これでは本当の個人被曝の予測にはならないのですが、そういう事にはお構いなし。
被曝と言う点についてさらに言えば、全体に外部から被曝する線量も、微小な部分に内部から、ホットパーティクルのような小さな線源から被曝するときの線量も一緒にして考えるのも、小部分と広い範囲とを混同してしまう発想です。
空間分解能の低さで、満足しているのはこれだけではありません。現実の戦争でも、敵はこの辺にいるはずだと判定すれば、それが当たっていてもいなくても多量の弾薬の雨を降らせてあたり一面に廃墟にしてしまいます。もちろんそこにいた人たちも焼きつくされてしまいます。1次世界大戦以後、あらゆる戦闘で、これがはやっています。どうも人間の頭の限界なのでしょうか。こういうのは正義で、虐殺とは言っていないのも不思議です。
そういう事ですから、この雨の土砂崩れは予測できていません。3年前だかの、山口防府にも大きな土砂崩れがありました。
当たらない天気予報の悪口は多分みんな思っているのでしょう。福島の原子炉の周りに色んなモノを投げ込んでいる科学的思考の限界なのでしょうか。


