【鬼平SEASON1ラスト祭り】

【七月大歌舞伎祭り】

【ゲキシネ『朧の森に棲む鬼』祭り】

【祝『キングダム  大将軍の帰還』祭り】

と、今月の我が家は祭り続き。


なおかつ。

50代松本幸四郎のタフさに感銘をうけ、

ついに!ジム通いをはじめた自分。

まだ二週間だけど、

体を動かす喜びに目覚めて楽しい。

もっと筋力・体力をつけて

「え?お江戸遠征?屁でもねぇぜ!」と

タフであれ、自分。


そんなこんなで。

空き時間があるとすぐ寝てしまう…。

書きたいことはたくさんあるのに、

なかなかブログ更新ならず…。

先々週、二夜連続で観た

『裏表太閤記』の鑑賞記録を今やっと。遅。

明日いよいよ千穐楽よ…。


さて。二週間経とうが、

『裏表太閤記』を観た興奮は冷めやらず!

至福!まことに至福のひととき!


高麗屋三代共演、本水での立ち回り、
幸四郎の宙乗り、幸四郎・松也・巳之助・
右近・染五郎の五人による三番叟まで……!

幸四郎をはじめとする役者さん方から、
ごっつエネルギーいただきました!


出演者の一人、
猿弥さんのYouTubeチャンネルで
"パワー"もいただいたし(笑)
なおかつ、めざまし8♪⏬
貴重な公演の裏側をあざっす!
興奮が今ふたたび!!



◽️◽️◽️◽️⏬超長文祭り注意◽️◽️◽️◽️

【七月大歌舞伎】夜の部

『千成瓢薫風聚光  裏表太閤記』




歴史モノ大好物なので、
この演目が決定してからずっとワクワク。

幸四郎が秀吉・鈴木喜多頭重成・孫悟空の
三役を演じているのだけど、観るまでは
秀吉と孫悟空が繋がらず『?』と。
"猿"つながり?と思ってたら…。
あはは、そういうことだったん。

太閤秀吉の出世物語『太閤記』に、

明智光秀の悲哀を交えて

虚実入り交じって展開する『裏表太閤記』。

史実云々考えず、

物語を楽しむスタンスでGO!


序幕。

信長の軍が松永弾正・中車を包囲。

信長が所望した茶釜・古天明平蜘蛛と共に、

実子(!)明智光秀・松也に後を託しつつ自爆!

自ら火を放ち赤い焔の中に立つ、

中車弾正のかっこ良さよ!


場面転換時に、大道具さんの

上敷を一気に敷く妙技

観られて感動。

あの長さのゴザを曲がりもせず

最後まで敷けるって、すげぇや。

客席からも大いに拍手が。


本能寺にて、信長・彦三郎から

嫌がらせを受ける光秀。

蘭丸・京純に鉄扇で打たれたり、

馬盥で酒を飲まされる光秀…。

ぬぬぬ、屈辱…。

光秀好きな武将だから、やっぱりイラッと。

信長も蘭丸も憎々しい憎まれ役で良かった。

「時は今…」の辞世の句をよみ、

信長追い込んだ後の

光秀の高笑いに胸がすく思いだったけど、

今後を思うと…。


本能寺での父の死と光秀の謀反を知らず、

踊る女中たちにキャッキャ戯れにゆく

酒宴中の信忠・巳之助。

実はベテラン女中ばかりで、がっかり信忠。

光秀の妹お通・右近が

二人の息子・三法師を抱いて登場すると、

客席から「ホゥ…」と。美しい、お通!

信忠の女遊びを封じる賢さと美貌を

兼ね備えたお通さま、LOVE。


そこへ、光秀の家臣、十河軍平・猿弥

率いる天狗な軍勢が三人を取り囲む。

お通と三法師を守ろうとする信忠。

さきほどまでのダメ殿感が嘘のような、

凛々しい信忠にキュン♡

薙刀で共に戦いつつも、

刃をくるくるさせて我が子をあやす

お通さまにもキュン♡

必死の信忠の足止めのおかげで、

逃げ出せたお通と三法師の行方やいかに…。


ニ幕。

秀吉が攻略中の備中高松城。

軍師・鈴木喜多頭重成の砦。

水攻めにあい長引く籠城戦で、

兵士の数も足りず、

リタイアした老人まで駆り出される始末。

物見をするのは、

今年齢94の寿猿さん!!

おとぼけたやり取りに、ほっこり笑いが。

どうぞいつまでもお元気で

観客を楽しませてくださいっ♪


重成の館にて妻関の谷・笑也と

母浅路・笑三郎が待つなか、

重成・幸四郎が帰宅。

待ってました、幸四郎!イェイ!

戦況を憂い、勘当した息子孫市・染五郎を

呼び戻したい関の谷。

そんな妻と母を一蹴する重成。


大丈夫ですよ、お母さん!

孫市、ちゃんと戻ってきてますよ!

ほら。そこの茂みに…と教えてあげたい。

重成の傍若無人っぷりにヤキモキし、

孫市も何度も館に駆け込もうとする。


そして、自らが仕える殿の首を

秀吉に差し出せばいいとする

武士道にあるまじき策を披露する重成…!


鈴木家に伝わる鉄砲を取り出して、

重成をいさめようとする祖母をも

足蹴にしてしまう父に我慢できず

ついに孫市が皆の前に姿を表す!


がんがん煽ってくる父親に、

とうとう刃を突き立てた孫市!


と、そこで、重成の本心が明かされる。

重成の首を持って秀吉に降れと言う。

愕然とする一同。

孫市が戻ったことに気づいた重成が

自分の首をとらせようと仕向けたのだった。

それを知り、ショックを受ける孫市…。

しかも、勘当したにもかからず

窮地を救おうと戻ってきた孫市をあっぱれと

褒める重成…。うぉー!重成ぃぃ!

自らの命で皆を守ろうとする重成の覚悟を

受け止め、孫市は決断する。

別室へ連れだって重成の首を落とした孫市。

父の御首を持ち、いざ秀吉のもとへ…!


と、そこへ、

秀吉・幸四郎がパッカーンと現れる!

天下人に近づかんとする秀吉のオーラよ。

歌舞伎で登場する秀吉は本当にカッコいい。

ひれ伏す一同。無事に孫市が

秀吉の配下として取り立てられる。

重成・孫市親子の覚悟を知っていた秀吉は、

去り際に「良い父を持ったな」

メタ自画自賛!ふふふとウケる客席。

この空気大好き♡


武家の女である浅路・笑三郎と

関の谷・笑也のキリッとした美しさ。

その中にも関の谷から

そこはかとなく漂う色気が♡素敵だった♡

そして、苦悩する孫市を演じる

染五郎の表現力にやられた自分…!

目に気持ちが宿っているというか。

良い!染五郎、良い!

ファンクラブ加入を未だ悩んでるんだけど、

入ろうかな…うーむ。


信長の死を知って都へ取って返す秀吉一行。

そこへ三法師を抱いたお通が現れる!

子を抱き男装し逃げ延びていたお通の心中よ。

秀吉・孫市・お通が船に乗り込み、大海原へ。

ここの場面転換も素晴らしく…!

しかし、その行く手を嵐によって阻まれる。

あわや!と思う連続に、

お通は三法師を秀吉に託し、自ら海中へ…!

ヤマトタケルのオトタチバナヒメの入水を

彷彿と。お通っ…!!

(6月大阪で『ヤマトタケル』を観る

計画たてるも帰省がずれ観られず…)


まこと神々しい大綿津見神・白鸚が現れ、

嵐はみるみる静まってゆく。

お通のおかげで、危機を脱した秀吉と孫市。

次々に「高麗屋!」の

大向うがかかるのが嬉しい、

海上での高麗屋三代共演でありました!!


さあ、ついに。秀吉軍と光秀軍の激突!

ここから大滝までの両軍の戦いは

1階席と2階桟敷席が楽しめたろうなぁ♪

両軍の兵士が客席の中を通りぬけていき

今回自分は、宙乗り優先で3階席だったから

1階のやりとりがほとんど見えなかった…!

でも1階と2階の客席の興奮が

ビンビンに伝わり楽しかった!

観客を飽きさせない工夫が

これでもか!のオンパレード。すげぇ!


大綿津見パワーで琵琶湖に着水した(!)

秀吉と孫市が、

とうとう光秀を坂本の大滝に追い詰める!

舞台にはすでに大滝と

甲冑姿の光秀がスタンバ~イ!

花道から、藤吉郎スタイルの秀吉と孫市。

この物語の"裏"である光秀の話を

もっと観たかったけれど、

この大滝での松也光秀が

めちゃくちゃカッコ良かったので満足!

ここの見せ場は、やっぱ光秀よな!

光秀と秀吉と孫市の大立ち回りっ!

大滝に飛び込んで、

水に打たれながらの立ち回り、その迫力!!

めざまし8の映像で、近くから見ると

水の量がパないんだけども…。…4t!

こんな中であれだけの動きやってたのか!

ハイ、もう歌舞伎観るたび、

自分お決まりの台詞↓

歌舞伎役者ってホントにタフが過ぎる!

そして。

最前列の方々がうらやましすぎ!

水しぶきかけてもらってナンボの本水!

いやはや、幸四郎・松也・染五郎のお三人、

お見事でございました~!!


怒涛のニ幕めが終わり…息も絶え絶えに…。

…でもな。…まだな。

幸四郎の宙乗りあるでよっ!

刮目せよっ…!


大詰。

うってかわって、

天帝・猿弥が治める天界。

暴れん坊の孫悟空・幸四郎に悩む

天帝の配下の者二人。

猪八戒・青虎と沙悟浄・九團次。

悟空が登場し、無理やり連れ出した
天帝の名馬を乗りこなして大騒ぎ。

天帝と大后・門之助の怒りをかうも、
天界の剛の者たちを次々に倒してしまう。
仕方なしに天帝が秘蔵の「金の瓢箪」を
悟空に与えることに。
気を良くして、下界へ飛び去る悟空。
なぜか天帝に追放された猪八戒と沙悟浄も、
悟空の手下となるべくその後を追う…。

自分の持つイメージの孫悟空とはまた違う、
とにかく
可愛い幸四郎の孫悟空♡
なんだろう??
この「ビューネくん」なみの癒され感は…。
目、かとにかく目がふわっと可愛いのか♡
お尻をかく姿までも癒し♡
幸四郎が演じると孫悟空にまで
"美"と"品"が備わってしまうのか…!
もちろん、如意棒を振り回したり、
欄干に飛び乗ったりと、
悟空アクションありで面白かった!

さぁさあ。待ちに待った、宙乗り!!
幸四郎の宙乗りを
ガン見するためにとった席。
と言っても過言ではない。むしろ、そう。

金の瓢箪を貰ってご機嫌の悟空。
さぁ!ひとっ飛びしますよ感出た!
やぁっ、体が持ち上がった!!浮いた~!
悟空が同じ目の高さに~!やっほぅ!
お猿な幸四郎が今、目の前に!!
「!!!」
一番近くを通った時、ガン見した!
顔が…小っさい!
顔も体もめちゃキュッとしてるっ!
ひき絞まってるっ!
そして、…汗!…顔に汗かいているっ!
…幸四郎は実在してる!
…幸四郎はホンマにおるっ!
振り返って、完全に姿が見えなくなるまで
…ガン見した。

今のは夢?推しが今、目の前に?
今、自分、幸四郎見たよね?
…と。
二回目も全く同じテンションで
幸四郎の宙乗りを見ました…。幸せ♡♡

なんかうまく伝えられず、
自分の心象風景だけで申し訳ない。

この後、嬉しかったのが
猪八戒・青虎の宙乗りがあったこと!
手下にしてもらうべく、
悟空の後を追う猪八戒と沙悟浄・九團次。
宙に浮いた猪八戒に、
丸腰の沙悟浄が飛びついた時はあせった~!
とってもオチャメな演出♡
先程の悟空と同じく、目の前を通った猪八戒!
すっごいキュッとしてた!
歌舞伎役者はみんなキュッとしてるのか!
昼の部の團十郎も合わせて、
三回も宙乗りを間近で観られて楽しかった♪

さて、物語はいよいよ終局。

舞台は大坂城。
すでに天下人となった秀吉が
豪華絢爛な大広間でうたた寝から目覚める。

「さてはいまのは夢であったかーー」

…そう、今までのことは秀吉の夢でした!

……夢オチ!?
まぁ、西遊記の話はそのほうが納得できる。
うん。
それに観客の自分も素敵な夢を
みせていただいたもの。

そこへ北政所・雀右衛門、淀殿・高麗蔵、
徳川家康・中車がやって来て、
天下泰平を願うために厳かに舞を舞う。

か、ら、の~!
前田利家・松也、
加藤清正・巳之助
毛利輝元・右近、
宇喜多秀家・染五郎、
そして、太閤秀吉・幸四郎の
五人三番叟へ!!

もうどれだけ観客を楽しませれば
気が済むの!?と叫びたかったくらい!
スんバラシかったー!!大興奮!
5人それぞれの衣装の色も美しかったし、
5人の足拍子がズンズン腹に響いて、
最高に心地よかった!
5人のパワー溢れる躍りに、
元気と勇気とヤル気をいただきました!
いや~、完全に三番叟酔い
起こしてた自分。

ビバ、歌舞伎!
ビバ、幸四郎!!


明日はいよいよ千穐楽
昼の部も夜の部も、
演者の皆様も観客の皆様も!
大いに楽しんでいただきたいです!

来月の歌舞伎座。
新感線の『バサラオ』にあわせて、
千穐楽に近い後半に参戦。
一つの楽しみの後は、また次の楽しみが。
来月もまだまだ熱いぜっ!