117.手術記録 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

手術記録

診断:後腹膜脂肪肉腫再発
診療科:移植外科
術式:後腹膜悪性腫瘍手術・胃部分切除
麻酔法:硬+全
術者:白井、寺岡
第一助手:大野、矢嶋

2017/7/19 後腹膜脂肪肉腫再発
1、膵頭部と胃・十二指腸の間
(写真の上部の最も大きい1個の腫瘍)
2、胃後壁左横隔膜下の石灰化ある腫瘤(写真の下部の3個のうち左の1個)+周囲の高分化型脂肪肉腫疑い(写真の下部の3個のうちの右と中央の2個)


硬膜外併用全身麻酔にて手術開始。
正中切開で開腹。癒着は剥離可能。前回と同様に胸骨の切除した剣状突起部まで。癒着を剥離。右側は十二指腸と結腸を剥離。胃・十二指腸の小弯側からも剥離。比較的境界明瞭。一部膵頭部に癒着し、膵被膜を損傷。5-OPDSで縫合。十二指腸も被膜損傷があり、ここも縫合した。
(以上1の腫瘍。比較的つるっと取れた。)
肝左葉の横隔膜との癒着と靭帯を剥離。胃を周囲から剥離し、小弯側から胃の後壁と横隔膜の間に入った。石灰化のある腫瘤をまず切除。ついで、周囲の正常脂肪組織か高分化型の脂肪肉腫か判別のつかない腫瘤を2つ切除。右側は食道に接するところまで。一部胃壁を合併切除。胃はlinear cutterで縫合し、漿膜筋層縫合を加えた。
(以上2の腫瘍3個)
洗浄、止血。止血を十分確認。膵頭部にはベリプラストを散布。ドレーンは左横隔膜下と膵頭部に留置。セプラフィルム2枚を使用し、閉創した。
手術時間:4時間8分
麻酔時間:5時間25分
術中輸液:2150ml
術中輸血:なし
出血:583ml
術中排尿:250ml

(傷口はの形は、今回は「ト」でなく「┃」でした)