ひだり右行ったり来たりダイアリー

【このブログを読みますか?】 

→<はい>

  <いいえ>

 

登校初日

今日の目標はただひとつ

 

”冷静に選択(判断)すること”

 

最初が大事

今日の行動次第でこれからの人間関係、印象などすべてが決まる

今日一日は、一切油断できない

今後の学生生活が大きく左右される大事な日

絶対に選択(判断)を間違えてはならない

 

イヤホンを耳から外しケースに入れ、学校に入り階段を上り始める

 

しかし、ここで問題発生

入学式で見た、同じクラスのフェードとPUNPEEが真後ろに…

最新のノイズキャンセリングイヤホンのせいで全く気が付かなかった

まずい…

 

なぜこの状況がまずいのか

 

それは自分たちのクラスは5階にあり

5階に着くまで少なくとも1分以上はかかる

にも関らず真後ろにフェードとPUNPEE…

3人で静かな階段を上らなければならない

 

 

そう

 

 

”気まずいのだ”

 

 

この状況で1分以上は気まずい

 

ここで本日1つ目の選択(判断)の時が来る

 

【フェードとPUNPEEに話しかけますか?】

<はい>

 <いいえ>

 

ここで自分が出した答えは…

      →<はい>       

       <いいえ>      

 

この沈黙は耐えきれなかった

こう判断した時点で自分たちは2階を上りきり3階に向かおうとしてる途中

今、話しかけてしまうと4階途中などで会話が途切れてしまう可能性があったため

4階に差し掛かってから話しかけることにした

冷静で良い選択(判断)が出来た

 

いよいよ4階に差し掛かる

7段ほど上って、2階後半あたりから考えていた言葉を勇気を振り絞って発する

 

『5階遠いですねぇ~』

 

完璧だ

理由としては 

今までの沈黙は5階まで遠いからみんな辛くて黙ってたみたいな雰囲気も出るし

初対面の同い年の人に浴びせる言葉としては

違和感がない程度の敬語も使えてる

冷静で良い選択(判断)が出来た

 

するとフェードが

 

『いや~、ほんとっすねぇ~』

 

明るく返してくれた

少し声がハスキーなのが特徴的だった

 

『……………』

 

『……………』

 

『……………』

 

『……………』

 

『……………』

 

会話が途切れた

 

 

”気まずい”

 

 

5階まであと7段ほど

この7段を上る時間は体感では2分ほどあった

 

変な感じのまま5階に着いた

 

 

PUNPEEは一言も発しない

 

PUNPEEの様子を見る

 

PUNPEEは動じていない

 

PUNPEEはイヤホンをしていた

 

PUNPEEだけが得をしていた

 

 

【イヤホンを外しますか?】

<はい>

  <いいえ> 

 

 

あの時自分が出した答えは…

→<はい>

        <いいえ>

 

思っていたより序盤に選択(判断)を間違っていた

 

 

ようやく教室に入ると入学式にLINEを交換した3人のうち1人がいた

入学式は黒髪だったが紫色に染めていた

 

【話しかけますか?】

<はい>

 <いいえ>

 

 

自分が出した答えは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひだり右行ったり来たりダイアリー

               

まだまだ知らないことも

たくさんあるけど

すぐに慣れるさ

 

まだまだ言えないことも

たくさんあるけど

夜には言えるさ

 

セントレイ/サカナクション


 

「あ~、緊張する」

 

「いや~、緊張する」

 

高校の入学式のときはこんなに緊張してなかった気がする

 

たぶん大きな理由としては人間関係

いままで出会ったことがないタイプの人間がたくさんいるだろう

入学式会場の椅子に座って思う

 

続々と入学生が会場に入ってくる

 

「うわ、すごい髪の色だな…」

「めっちゃ刈り上げてるな…」

「PUNPEEみたいなやつきたな…」

「メンディーみたいなやつもきたな…」


もう髪型大喜利大会になってきた

さすが理容美容専門学校の入学式だ

 

「めちゃめちゃフェードだな…」

「おい!髪にパールついてるぞ!」


「おい!あいつ髪の…」

 『よろしくお願いします』

と女性の声

 

『あ、よろしくお願いします』

久しぶりに声を出したので思ったより小さい声になった

 

「理容科にも意外と女の子いるんだな…」

 

金髪ロング(小柄でかわいい感じ)の彼女は隣に座る

 

「ちょっと香水強いな…」

 

「惜しいな…」

 

 

『これから入学式を開始します』

 

聞いたことないアレンジの国歌

「にしても………………」

 

めちゃめちゃ話す校長

「でも………………」

 

全く話さない理事長

「………………」

 

……………

「…………………」

 

………

「…………………」

 

『これで入学式を終了します』

 

「あ、終わった」

 

いろいろ考えてたら終わってた入学式

 

 

 

 

その後は教室に戻り担任、副担任と対面

 

理容クラスの人数は30人ほど、そのうち女性は5人

 ※ちなみに美容科は3クラス


自分の席は教卓の目の前、まさかの最前列

後ろの様子が一切分からないのが弱点

「さっき見た人たちが後ろにいると思うと怖いな…」

 

来週から登校のため15分程の説明を受けて解散

 

とりあえずLINEは誰かと交換しておきたかったので

選りすぐりの安全そうな人、3人に声をかけ交換をした

 

PUNPEE、メンディー、パールはさすがにハードルが高い

 

最後に、最前列のおかげでクラスメイトをあまり見ることができなかったので

振り返って廊下にいるクラスメイトを見る

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

『ちょっと、きついなぁ……』

 

いままで出会ったことがないタイプの人間がたくさんいる

 

「来週からあの人たちと過ごすのか…」

 

イヤホンを耳につけ外に出る

 

「いや~、緊張する」

 

「あ~、緊張する」

 

でも新しい出会いがあると思うと楽しみでもある

 

まだまだ知らないこともたくさんあるけど

 


まだまだ言えないこともたくさんあるけど