丹野章さん
今日の朝刊で写真家の丹野章さんが8/5に急性肺炎で亡くなったことを知りました。
フェイスブックに丹野章さんから写真集の感想を頂いた話を紹介しました。
ー2015年5/9のフェイスブックよりー
「今日、写真家の丹野章さんからお葉書を頂きました。(写真に詳しい人は知っていると思いますが、丹野さんは1925年生まれ、伝説の写真家集団vivoのメンバーでした。)
どうしたのかしら?と読んでみると、私の写真集「SWEDEN」の感想でした。一部抜粋します。「とても安らかな気分になれるのは写真の力でしょう。印刷も造本も気持ちのいい出来ですね。プリントも美しかったのでしょう。2年も経ってからの感想にごめんなさい。」と書かれていました。
時が過ぎてもわざわざ感想を送ってくださることはなかなかできません。頂いた私も嬉しくなりました。もう今更と思っても相手に伝えることの大切さを知りました。
下の写真は2010年に丹野さんの仕事場にお邪魔した時の写真です。とても気さくな方で、戦時中の話やvivoのお話を伺いました。」
今になって思うと、まるで気になっていることを残さないように片付けていたかのようです。
自宅兼仕事場にお邪魔したのは2010年8月1日、貴重な過去の作品といろんなお話を伺いました。小さな写真と文字が書かれたものは、丹野さんが学生時代に作った写真日記です。戦時中でガスマスク姿の自画像もありました。(個人的な日記なので未発表だと思います。)
丹野さんの実家は東京の下町にありました。戦争が激しくなったので、大事なネガを防空壕に隠し、失ってもいいネガは実家の箪笥に置いていたそうです。戦争が終わり、箪笥のネガは無事だったそうです。しかし、お気に入りのネガは防空壕の湿気でくっつき駄目になってしまったといってました。
8/8は丹野さんの誕生日。お邪魔した時も誕生日の数日前で、お祝いの話が出たことを思い出しました。写真の権利を守る為に戦う強さと、威張らずに若い写真家にも気さくに接する優しい写真家でした。
心からご冥福をお祈りいたします。