虹 ー6/6のフェイスブックよりー


今日も昨日に引き続き、森山さんの授業の話を書きます。

撮影に関してこれといって技術や方法は教えてくれることはありませんでした。
今となってわかるのは、森山大道さんに憧れるあまりに森山風の作品を作る若い写真家が多いということ。それが駄目だとは思いませんが、写真作家はその人しかできない作品を求められるので、誰かの物まねでは駄目なのです。森山さんが撮影に関して指導しなかったのは、その人がそのままで持っている個性を尊重していたからだと思います。キラキラ

授業では、各自が自分で考えて(課題はないので)作ってきた作品を森山先生に見て頂きます。
その時に一番重要視したのは、自分の作品を人に見せる時の姿勢です。プリントを長机に並べるのですが、写真を曲がって並べていると注意されます。試し焼きでも未完成でも作品は、人に見せる時はきちんと並べる。基本といえば基本ですが、この部分の重要性は学生の時にはわかりませんでした。

写真家は撮影してプリントすれば終わりでなく、どう発表していくか、この作品をどう見せるかが大事なのです。
森山さんから「なにも教えなくてごめんなさいね。」と言われましたが、自分で作品を発表していくうちに、あの時の授業の意味がわかってきます。
かつて森山さんに教わった写真家の山内道雄さんは「森山さんは人生の師だからね。」と言っていました。ただ写真を教えるというのではなく、生きざまを通していろんなこと学びました。キラキラ


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