歌が上手くなりたい・・・というのは子供の頃からの切実な願いでした。

私の夫は歌が上手いです。自慢、というよりは歴然とした事実です・・・。
私は音楽の仕事をしていたっていうのに歌はあまり上手くないです。
但し、断じてオンチではないです。音程は大丈夫だし、声もすっごく
悪いってわけではないのです。なまじ人よりは耳が訓練されているため
自分の歌い方はハッキリいって上手くないってわかってしまうので
カラオケなんかでも歌っている最中に歌う意欲を失っていく人でした。
これは私の大きなコンプレックスでもありました。
家でも親に歌ってるところを見られるのはものすごく恥ずかしくて
絶対に歌いませんでした。歌いたいときはちいさーい声でわからない
ように歌っていたせいか、団体でならともかく、いまだに1人だけで
人前で歌うのは苦手です。
目に見えないプレッシャーを感じてしまうのです。

私が歌うと決まって夫は「せっかくいい声してるんだからもっと練習して
上手くなれば?」って言います。
「いい声!?」
実は自分の歌声がいいって思ったことは全然なかったのです。
ただし・・・、と夫は私の欠点をいくつかあげてそれを改善する必要が
ある、といいました。「ほんとにいい声って思う????」
「うん、声に色があるよ。」
(・・・・い、色がある????どういう意味なのかな????)
よくわからないけど、この励ましは私のやる気を後押しする嬉しい
お言葉でした。

そんなわけで今夜実家に遊びに行った時、さっそく歌の特訓が
はじまったのでした。道具はカラオケ。実家のリビングの窓ガラスは
2重構造になっていて簡単に音が外に漏れないようになっているので
夜遅くても存分に歌えます。違う階に家族の部屋はあるので一階で
力一杯歌っても迷惑がかかりません。音楽奨励一家なので、上手く
なるために大声をはりあげて練習しても誰も咎める人はいません。
そんな環境で育った彼が上手くないわけないんですが・・・。
曲はネットで好きな曲をダウンロードしてきます。

みんなローテーションで歌う中、私は夫にこまごまとした注意をされつつ
多分同じ曲を5回以上歌いました。とにかく必要なのは「場数だ」と
言われてひたすらに歌いました。
1回目と最後を比較するとずいぶんよくなったという自他ともに認める
レベルにあがりました。
やっぱり日々鍛錬なんだなって思います。彼が歌うとプロのようで
聴き惚れてしまいますが、いつか自分もあんな風になりたいって目標が
できたのはいいことだと思います。最初からどうせ才能の差だから、とか
持って生まれたものだからってことではないんだよ、と彼は言います。

確かに私も最初から楽器を上手に弾けたわけではありませんでした。
日々の鍛錬の積み重ねであったことを思い出し、絶対に無理って
思っていた「歌が上手くなる」という夢も、いつかかなえられるかも、、、
という希望がこの年になってわいてきています。
うれしいことですね。