私と夫はいわゆるスピード婚だ。
おつきあいを申し込まれた次の日にはもうプロポーズ
されていた。(まだデートらしきデートもしてなかったのに。)
ある時、偶然が偶然を呼び、私は用事があって
チャットで彼に声をかけたところ、すぐに電話で
こちらにかけなおしてくれた。
二人で電話を話すのは初めて。
でもお互いに今までゆっくり話せなかった分、
時の経つのも忘れて話し込んでいきました。
その時、プラネタリウムが好きだ、という話をしたら、
うちの近くにあるから一緒に行かないか?と誘われたんです!
これはデートの誘いなのか。親切心で案内人になって
くれるというのか?
心の中でぐるぐる考えているうちにひょんなことから
ついに彼が21歳であることをつきとめてしまった。((゚m゚;)アレマッ!
そこからは私の中で前回のお話の苦い経験が何度も
頭をよぎってしまいだんだん腰がひけながらの会話になり、
出かける日も決まったものの、手放しでデートだ~!なんて
喜ぶことも出来ずまたもや悶々とした2日間を過ごした。
このままではいけないよな~、歳を明かしても本当に一緒に
行きたいと思うかどうか彼に聞かなければな~~~という
考えが頭にあった。あの苦い経験をもう一度味わうのは
さすがにもう結構、だったのではっきり伝えなきゃと
思っていたところへ一段越しでおつきあいの申し込みがきた。
しかもそれはチャット上でのことだった。
え~~~~~~~!!!
飛び越しちゃったよ!!!Σ(`д`ノ)ノ ヌオォ!!
しかもチャットで!卓上であたふたする私はなんともみっとも
なかったけど、焦るあまり返事よりも先に歳のことを口走った。
「私の歳、知らないでしょう?」
「知らない。いくつ?」(若さゆえの無邪気さが恨めしい・・・)
瞬時にバッサリ切られてしまったので
私は素直に歳が言えなくなってしまった。
「年齢を気にしてるの?」
「・・・・・・うん。」(あたりまえだろ~~~!!!)
「(自分が)年齢を気にするように見えるわけ?」
「・・・見えない。」(言われてみれば気にするタイプじゃないけど・・・。)
この時、私は5日後に34歳の誕生日が迫っていた。
それから彼は終始無言。私はあれやらこれやらと遠まわしに
歳がずいぶんと離れていることを伝えようとしたけども、答えるまで
彼は待つ気らしかった。私の言葉は空中分解していくようで
だんだん虚しくなってきてついに
「33です・・・・。」
と、小さくなって答えた。
少し沈黙があった。その間に前回のあの苦い経験がよみがえって
きてこれで終わりかな、と思った。
「じゃ、もう一度聞くけど。」
「つきあっていただけますか?」
え?
答えは「はい」か「いいえ」しかない。
その時の彼の返答が、もしも
「そんなこと気にしているの?」
であれば、私はきっとものすごい勢いで
「なぜ私が歳のことを気にしているか、どのくらい劣等感を
感じているか、そして自信がないこと」
などなどをひたすらに話して、もっと若くてつりあう子を探すように
彼に勧めていたことだろう。この歳になるとあきらめるのはそんなに
難しいことではない。(私だけ・・・?)
でもその時の私には二者択一しかなかった。二度も同じセリフを
彼が言ったのに対してもう弁解の余地はなかった。
「いいえ」、とはいえなかった。
様々な感情がよぎっていく中、私は覚悟を決めた。
「・・・・はい。私なんかでよければ・・・・。」
そして。チャットだと現実感がないので電話であらためて
話をして、次の日の夜に正式に会って「よろしくお願いします。」
と順序を踏んでいったわけだけど、その日の帰り際に
彼は大胆にも「婚約しよう。」とのたまった。
「・・・早すぎるんじゃない・・・?」というと「じゃあ二人の間だけで
婚約しよう。」というので「うん。」と答えた。
しかしながらさらにその一分後くらいには彼はニッコリ微笑んで
「結婚しよう!」
と、爆弾発言をしたのであった。
※前代未聞のチャットプロポーズはチャットであったがゆえに
今もPCにデータが残っているので末代に渡って正確に
伝承されることでしょう・・・・。
さらにつづく。