彼は 櫻井翔
いつも顔を見せに来る時は擦り傷切り傷
酷い時は火傷、縫うまでの傷を負っている
なんでこんなに危険な仕事をしているのだろう
身体がいくつあっても足りない
今日も僕の前に座りニコニコしている
いやっ!
ニコニコしているレベルではない!
急いで外科に連絡した
「櫻井さん!ここに来るのは間違ってます!すぐ外科に行ってください!」
「怪我はいつもの事、自分だってヤバければすぐ外科に行くさ」
「でもその傷は・・・」
その傷は直ぐに手当をしないと腕を無くしてしまうレベル
早く!早くしないと櫻井さん腕が!
「櫻井さん!早くっ!」
そう叫んで反対の腕を掴みそのまま走った!
病院を走る先生なんていない、ましてや血塗れな患者の腕を掴んで走らせるなんて前代未聞
死なせなくない、悲しい思いはもう・・・
それしか考えられなかった
手術中のランプを見つめながら廊下の静まり返った中でひとり手を重ね神様に祈った
ランプが消え、少し暗くなった廊下に不安が倍増する
ストレッチャーに横たわって目を閉じる姿に怖くなり不安が増した
泣きそうになってる僕の肩を二宮先生がポンポンと優しく叩き
「間に合った、大丈夫だよ」
と言ってくれた
「よかったです、・・・あとはよろしくお願いします」
そう言って僕はその場所を離れた
だって医者がこのぐらいで泣くわけにはいかない
屋上に行くともう日が暮れ夜空には星が煌めいていた、その星を眺めながら静かに涙した