幽霊画
妖怪錦絵は明治になってもしきりに制作されたが、文明開化という時代の風潮や、石版印刷や銅板印刷、さらには活版印刷の技術の浸透によって、木版印刷は次第に人気を失っていった。
妖怪錦絵とともに注目したいのは、この頃、幽霊画の人気も高まったことである。
幽霊画の多くは肉筆の軸絵として制作され、幽霊の怨念の深さつまり恐ろしさが協調されたいた。
これは幕末に大いに人気を博した芝居の『東海道四谷怪談』や『番町皿屋敷』に登場する怖ろしい怨霊系の幽霊の影響をうけてのことであった。
『妖怪学の基礎知識』 より